今週の3歳戦「ここが見どころ」

今週は牡馬クラシック第1弾・皐月賞が行われる。稀に見る混戦模様で、POGでも各指名者がそれぞれ夢を見ているのではないだろうか。それでは出走馬の陣営コメントを中心にお伝えしていこう。 1番人気候補のサダムパテック（牡、栗東・西園）について西園師は「前走は7、8分の仕上がり。それでも着差以上に強い内容だったね。今週は単走で52秒7の12秒3。まだまだどこまでも伸びて行きそうな走りを見せてくれた。状態は間違いなく前走以上だね。いい状態でクラシック第1戦に臨めます。どんな競馬でもできるけど、やはり切れ味がある馬なので、できれば良馬場でやりたいね。待望の内枠を引いたので、あとは良馬場でできれば、勝利はグッと近づくと思うよ」と話してくれた。 3頭いるディープ産駒の注目される。まずリベルタス（牡、栗東・角居）の清山助手からは「いろんな課題を見つけながら調整してきた前走時だけど、まだ若さを見せてしまいました。まだまだ成長段階で、前走内容では本番へ向けて強気にはなれませんね。ただ、この中間の調整は非常にうまくいきました。少しずつレースに集中できるようになっているので、乗り替わりも問題ありません。潜在能力の高さに期待したいですね」とコメント。 ダノンバラード（牡、栗東・池江）の池江師は「前走は手前を何度も替えていた。勝った時のような脚がコンスタントに使えないが、前の厩舎の関係者によると、『調教を手加減した時はレースでも気持ちが乗らない』とのことなので、この中間は負荷をかけてしっかり乗り込んだ。今週もラスト1ハロンの切れ味は上々で思い描いていた通りの調教ができた。転厩初戦で手探りな面もあるが、チャンスはあると思う」と話す。 トーセンラー（牡、栗東・藤原英）について田代助手からは「山元トレセンから美浦に到着するまでに時間が掛かっただけで、その後は予定通り。1日も遅れていない。放牧に出してさらに落ち着きが出たし、体も数字以上に大きく見せている。成長の跡が窺える。今週の追い切りも上々だった。おそらくプラス体重で出られると思うし、テン乗りも左回りも大丈夫」とコメント。 デボネア（牡、栗東・中竹）の中竹師は「しっかりと調整しました。先のことを考えず、ここに全力投球で仕上げました。いい状態ですね。ジワジワと長く脚を使える馬なので、広いコースに替わるのは好材料。ただ、サダムパテックにしても東京コースの方がいいでしょうからね。逆転までは厳しいかも知れません。ただ、何とかここでダービーの権利をとって、シェイク・モハメド殿下にダービーを見に来てもらいたいんです。そうすれば競馬も盛り上がるだろうし、そういう流れになって欲しいですね」と抱負を話してくれた。 ノーザンリバー（牡、栗東・浅見）については四位騎手から「追い切りは終い伸ばしてくれとの指示。もともと稽古は動く馬ですが、今週も凄く良かったですよ。素直で乗りやすい馬だし、デキも良さそうです。あとは初めての左回りと、初めての距離がどうかですね。高いレベルにある馬には違いないけど、今回、この条件に対応できるかどうかはやってみないと分かりません」と話が聞けた。 ロッカヴェラーノ（牡、栗東・中村）の中村均師は「2走前、東京で負けているけど、めったにないほどのスローペース。それでもラスト50mで一発ムチを入れると、スッといい脚を見せてくれた。あれを見て、前走はやれると思っていた。ズブいところのあった馬が、反応が良くなってきたからね。ただ、今回のメンバーをじっくり検討しましたが、ウチが負かせると思う馬が7頭しかいませんでした。内めをセコく回ってこられればあわよくば、と思ってますが、外々を回っての力勝負では11着だと思います」と分析。 オルフェーヴル（牡、栗東・池江）の池江師は「東京は1回走って結果が出なかったが、あの時はまだ馬が若くて悪い癖を出してしまったからね。今はもう大丈夫だと思う。開幕週の馬場は先行有利だが、自分のリズムを崩さないように運びたい。GIの流れなら折り合いはつけやすいと思う」とコメント。 カフナ（牡、栗東・池江）については吉村技術調教師から「どんどん力をつけているし、まだまだ良くなりそうな雰囲気がある。先行力もあるので開幕週の馬場も向くと思う。ただ、オルフェーヴルにくらべるとまだ力不足のような気がする」と控えめなコメント。 ベルシャザール（牡、栗東・松田国）の松田国師は「2週続けてモンテクリスエスと併せ馬。今週は並び掛ける時も余力があり、軽く突き放した。凄く良くなっている。この中間は予定通りに乗り込めて臨戦過程も前走時より順調。ホープフルS、スプリングSともに時計が速く、メンバー的にもレベルが高かったから」と話してくれた。 オールアズワン（牡、栗東・領家）について領家師は「３週続けてビシッとやった。稽古はあまり良く見せないが、状態そのものは上向いている。この馬の力は出せる仕上がり。前走はスタート直後に2度ほど接触して掛かってしまったが、本来は折り合いのつく馬。ジョッキーも調教に跨って『乗りやすい』と言っていたから」と話す。 エイシンオスマン（牡、栗東・松永昌）の中山助手からは「テンションを上げ過ぎないように追い切りは終いだけ。もう少しやってもよかったが、中1週続きなのでこれでも問題なし。見た目にバテた感じはなく、胸を張って出せる状態。前走でもガツンと掛かりそうな雰囲気はあったが、前に壁を作れば辛抱が利いた。使う毎に距離への対応ができるようになっている。開幕週なので前で競馬ができるのは有利。ただ、できればハナは切りたくないね」と話してくれた。 プレイ（牡、美浦・斎藤）陣営からは「まだ心身ともに成長段階ではあるが、春を迎えた最近はグングンと馬が良くなってきた。成長を妨げないように一杯の攻め馬は避けているが、予想以上に良化してくるあたりはさすが良血馬といった感じ。ウチにいた皐月賞2着のサンツェッペリンと比較されるが、当時のあの馬は大人びていて完成度が違ったからね。ただ、潜在能力や伸びしろだけならばプレイの方が上かもしれない。惜敗続きだし、相手は一層強くなるので決して大きなことは言えないが、先行できる機動力は大きな武器。本番で大仕事をやってくれないかとひそかに期待はしている」とコメント。 オークストライアルのフローラSも注目の1戦。まずサトノフローラ（牝、美浦・堀）について橋本助手は「久々のせいか折り合いを欠いてしまったし、回りの馬を気にしていた。追い切りでチークピーシーズを試してみたが、行く気を出しすぎるのでレースでは着用せず。距離が延びて折り合い面に不安は残るけど、普段から調教にジョッキーが跨って癖をつかんでいるので、上手く乗りこなせれば面白い」と教えてくれた。 モスカートローザ（牝、栗東・池江）の吉村技術調教師は「気性の勝ったタイプでカイ食いも細くなっていたので放牧に。帰厩後は落ち着きもあり、随分しっかりした印象。長くいい脚が使えるタイプなので府中は向いていると思うし、開幕週でもうまく対応できるはず」と話してくれた。 アドマイヤセプター（牝、栗東・橋田）の中内田助手は「先週の日曜にコースでビシッとやったので、今週は坂路でラスト重点に。予定通り。体がもっと増えて欲しいのが本音だが、それでも今の時点で450キロ。輸送で減ったとしても440キロ台では出られると思う。嫌気を出すと内にモタれてしまうので左回りの方がいいと思うし、あとは落ち着いて運べれば」とコメント。 ハッピーグラス（牝、栗東・藤原英）について田代助手からは「前走は4角でスムーズに立ち回れなかった分だけ負けたが、いい競馬はできた。いい勝負根性がある。中1週なので疲れが残らないように、追い切りは上がりをサッと。ガタッときた様子もなく体に張りがある。何とか権利を」と話が聞けた。 リトルダーリン（牝、栗東・角居）の清山助手からは「前走でも前半は気難しさを見せていたけど、何とかなだめて行けた。初距離でいい競馬ができたね。距離経験が今回につながれば、さらに終いの切れ味は出てくると思う。小柄な牝馬の中1週だけど、疲れもなく順調に来ています。折り合えれば楽しみですね」とコメント。 カトルズリップス（牝、美浦・杉浦）の藤田助手から「前走はテンに速い馬がいて自分の競馬ができなかったし、直線は不利もあったからね。中間も順調に乗り込まれているし、体調面はいいよ。ブリンカーを着用しているように、展開に左右される面があるが、この距離ならハナを切る競馬はできると思う。掛かる馬ではないので距離も気にならないし、単騎で行ければ大駆けあって不思議はないよ」とコメント。 重賞以外では新緑賞のエチゴイチエ（牡、美浦・手塚）をピックアップしておこう。陣営からは「毎日杯は直線で一瞬は先頭に立つ勢いだったし、あわやのシーンはつくってくれた。勝ったレッドデイヴィスを筆頭に上位3頭はさすがに強かったね。キャリア1戦の馬だし、内容のある4着だったと思う。今回は東京の2300mに変わる点がどう影響するかだろう。真面目すぎる気性で抑えきれないくらいの馬だから、長めの距離はやや半信半疑。主戦の三浦も『将来的にはマイラーになって行きそう』と話しているからね。ここは適性云々より潜在能力の高さでクリアしてほしい。結果がどうであれ、このあとは中1週でダービートライアルのプリンシパルSに向かう予定」と話が聞けた。 ※関連ニュース ★皐月賞の追い切り情報は「最新競馬ニュース」で！ ★2011→2012POG対象馬全頭リスト(CSV形式)無料ダウンロードはこちらから ★がんばろう日本！競馬で被災地に力を！?東北地方太平洋沖地震応援メッセージ募金?