おしらせ
【QEII世C】地元香港のアンビシャスドラゴンが制す!
5月1日、天皇賞・春の約1時間後、香港ではクイーンエリザベスII世Cがスタートの時を迎えた。 3万4千人の観衆が詰めかけた沙田競馬場。香港特有の湿気に包まれる中、今年、覇権を争ったのは14頭。日本のヴィクトワールピサが出走を予定し、現地入りしながらも回避したのは残念だが、それでも3頭の外国馬が出走してきた。 そんな中、1番人気に推されたのは4連勝中のアンビシャスドラゴン。2番人気は今回と同じ沙田の2000m戦だった前走を最後方から物凄い追い込みで勝ったカリフォルニアメモリー。地元勢の2頭が1、2番人気となり、レースはスタートした。 スタートと同時に場内がどよめいた。1番人気のアンビシャスが出遅れたのだ。 逃げたのは大方の予想通り地元香港の逃げ馬パッキングウィナー。向こう正面に入るとマイティーハイが2番手に上がり、二度このレースを制しているヴィヴァパタカは中団。出遅れたアンビシャスは鞍上のD・ホワイト騎手がすかさず内に入れ、後方のインを追走。その後ろにドバイWCで見せ場を演じたジターノエルナンド。2番人気のカリフォルニアは前走同様最後方からの追走となった。 レースは2ハロンごとのラップで終始25秒台と淡々とした流れ。しかし、ラスト半マイルを切ったあたりから2番手のマイティーが逃げるパッキングに並びに行きペースアップ。この時点でアンビシャスはホワイト騎手が上手に馬群の外へ持ち出した。 ここで流れは23秒台。直線に入り早目に先頭に立ったマイティーが粘るところを、ラスト1ハロンでアンビシャスが捉える。更に内を突いて伸びたカリフォルニアがマイティーを捉まえたが、時すでに遅し。その時点でアンビシャスのホワイト騎手は早々に右手を前へ突き上げガッツポーズを決めながらゴールに飛び込んだ。 前半の流れが遅かったため、勝ちタイムは2分2秒23と平凡だが、上がりの2ハロンは22秒27。これを後方から差し切って抜け出したアンビシャス、また最後方から2着まで追い上げたカリフォルニアは共に強いと言えるだろう。アンビシャスはこの後、しばらく休ますようだが、カリフォルニアは宝塚記念参戦の可能性もなきにしもあらず。阪神の長い直線ならあの末脚は面白いかもしれない。 外国勢ではドバイデュティーフリーから挑んだリヴァージェテスの6着が最先着。ドバイWCでは勝ったヴィクトワールピサから3馬身と離されなかったジターノエルナンドだが、今回は8着に沈んだ。 勝ったアンビシャスの手綱をとったホワイト騎手は「出遅れたけど、能力があるのは分かっていたので慌てなかった。追ってから抜け出す時の脚は素晴らしかった」と笑顔で語り、香港にまた新たな最強馬が生まれたことを証明してみせた。 (平松さとし) ※関連リンク ★ヴィクトワールピサは残念ながらクイーンエリザベスII世Cを回避 ★競馬・日本代表を応援しよう! ★?がんばろう日本! メッセージ募金?にご協力お願いします