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【メルボルンC】フランスからの遠征馬ドゥナデンが勝利 鞍上はルメール騎手

ゴール前わずかに抜け出したドゥナデン(中央、黄色の勝負服)。昨年に続きフランス調教馬が勝利した

「THE CELEBRATION THAT STOPS A NATION!(国が止まるほどのお祭り!)」とキャッチコピーがつく南半球最大のレース、第151回メルボルンC(フレミントン競馬場、GI・芝3200m)が今年も11月1日(現地時間)に行われた。400万人のメルボルンの人口に対し、フレミントン競馬場には10万人を超える観客が詰めかける盛況ぶり。他の市民も市内の場外馬券発売所に集まり、文字通り国の機能が止まるという表現もあながち大げさでないと思えるほどの盛り上がりを見せた。 ましてやフレミントン競馬場は、この日を待ちわびて貯めに貯めたパワーを一気に解放させるかのごとく、この10万人がほとんど酔っ払いになる。日本ではお目にかかれない光景に、カルチャーショックは免れない。 昨日の稿でも触れたように、今年はターンブルS(フレミントン競馬場、GI・芝2000m)、コーフィールドC(コーフィールド競馬場、GI・芝2400m)、コックスプレート(ムーニーバレー競馬場、GI・芝2040m)の勝ち馬がいずれも不在。また、世代交代が進みこれまで活躍した古豪の顔ぶれも少なく、一見するとやや小粒という印象を受けそうなメンバーであった。これにアクセントを加えたのが、昨年の覇者アメリケン(牡7)をはじめとした、ヨーロッパからの遠征勢だ。愛セントレジャーの勝ち馬ジュークボックスジュリー(牡6)や同レース3着のレッドカドゥー(セン6)、国際長距離路線の常連ドランケンセイラー(セン7)、マニガー(セン6)など。これらの参戦でメンバー自体にもピリッとした印象が与えられることとなった。 ムーラヤン(牡6)が当日スクラッチして23頭の争い。道中はイーロ(牡6)が1頭だけ3馬身ほど抜け出して、あとは22頭がほぼ一団という展開。勝負どころに差し掛かりペースがあがると馬群が徐々に横に広がり始め直線ではほぼヨーイドンの競馬となった。 直線で先に先頭に立ったのはマニガーで、これにルーカスランチ(牡5)が並んで追い比べに。この外から一気にレッドカドゥーが抜け出し、ゴールへと逃げ込む態勢に。アメリケンは後方待機策から大外に持ち出すが、やはりハンデ頭か思うように伸びない。そのレッドカドゥーに唯一迫ったのが、フランスからの遠征馬ドゥナデン(牡6)。じわじわと差を詰め、2頭のハナ面が並んだところがゴール。馬体の位置ではレッドカドゥーであったが、その一瞬だけドゥナデンがほんのわずかだけ前に出ていた。国が止まると言われる祭りで、まるで時間を止めたかのような最後のひと伸びが、ドゥナデンに勝利の女神を呼び寄せることとなった。 昨年に引き続きフランス調教馬の勝利、前哨戦はジーロンカップ、ハンデは54.5kgと多くの面が昨年のアメリケンと酷似。それもそのはず、レース後に管理するミケル・デルザングル調教師は「去年のアメリケンが非常に参考になった」と語っており、ひとつの必勝パターンとして陣営も認識していたのだった。 そして鞍上は日本から急遽駆けつけたクリストフ・ルメール騎手(昨日の稿でクリストフ・スミヨンとなっていたのは、デルザングル調教師の言い間違い)。「友達であるクレイグ(・ウィリアムズ騎手)の代わりが果たせてよかったよ」とホッとしながら、「これは人生でも1、2番目に印象に残る勝利だ」と興奮を隠し切れないようであった。 昨日分でも触れたが、ドゥナデンは調教師、騎手、そして馬自身も日本に縁のある馬。こういった馬が活躍することで、日本から遠い土地の競馬でも身近に感じるられるのも、競馬の面白いところだろう。(土屋真光) ★メルボルンC2011現地からの直前レポート「競馬・日本代表を応援しよう!」海外競馬特集はコチラ!海外競馬ネタ盛りだくさん【平松さとしコラム】はコチラハイランド真理子がお届けする【世界オモロイ競馬ニュース】
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