おしらせ
牡牝トライアル出走馬1週前の様子
今週末は牡牝クラシックトライアルの弥生賞・チューリップ賞が行われる。本日は美浦・栗東より報告された出走予定の有力馬について1週前の様子をお伝えしておこう。 【弥生賞】 アダムスピーク(牡、栗東・石坂) 馬体はスッキリとして、出来過ぎと思えるほど仕上がっている。ディープインパクト産駒だけにこれでいいのかもしれないが、休養前は幅、厚みがもっとあったような気がしなくもない。それに気合も乗り過ぎている感じで気負い気味。精神面でも物足りなさを感じる。この状態で長距離輸送をして、力を出し切れるかとなるとどうだろう。休養の効果は案外で、期待していたほどの成長は感じられない。ディープインパクト産駒らしいバネの利いた動きは悪くないのだが…。 アーデント(牡、美浦・加藤征) 22日に美浦南ウッド(良)で64秒9-51秒1-37秒5-12秒7を一杯でマーク。藤田騎手が騎乗し、フィフスペトルとの併せ馬。追走して内に潜り込むと、一杯に追われて力強い伸び脚を披露。相手に余力があったとはいえ、先着は立派なもの。バネもあって好気配が漂っている。 クラレント(牡、栗東・橋口) 放牧先でも緩めることなくハードに乗り込まれていたようで、休養前にくらべると幅、厚みが増している。肌ツヤ、馬体の張り具合もいい。ただ前後のバランスが悪く、下半身が寂しく映る。腹袋が出て、腰、トモ回りに筋肉がもっとついてくればいいのだが、まだ成長の余地を残している。それでも疲れ、ストレスはとれてイラつく面はなくなっているし、いい雰囲気は戻ってきているので、初戦から走れる態勢は整っている。 ジョングルール(牡、美浦・尾形) 22日に美浦南ウッド(良)で66秒6-51秒9-38秒1-12秒8を一杯でマーク。僚馬を3馬身追走して、直線は実戦さながらの追いくらべ。抜け出すことは出来なかったが、力強い伸び脚が目についた。馬体の張りも良く、更なる上昇気配を感じさせる。 トリップ(牡、栗東・松田博) この馬も放牧先で乗り込まれていたようで、馬体に無駄肉がついていない。ただ、スッキリし過ぎている感じだし、体が小さくまとまってしまったような印象を受ける。もっと馬体が肥えて、成長して戻ってくると思っていただけに物足りない。ただ、クロフネ産駒にしては重苦しさがなく体の使い方もうまいし、素軽い脚捌きをする。追われてからの反応、伸びも素晴らしい。落ち着きがあって堂々としているし、古馬のような雰囲気があって精神面はしっかりしている。その点は休養前とは変わっていないので、この馬も初戦から走れるとは思うが、これからクラシックに向かうことを考えると少々物足りない。 フェノーメノ(牡、美浦・戸田) 23日に美浦ポリで76秒9-61秒8-48秒8-36秒4-12秒3を一杯でマーク。長めから軽快に飛ばし、直線はスッと反応して矢のような伸び脚。ゴール前の勢いは、歴戦の古馬にも引けをとらないほどの迫力だった。時計も優秀で、動きは文句なし。 ベストディール(牡、美浦・国枝) 22日に美浦南ウッド(良)で70秒0-54秒4-40秒1-12秒6を馬なりでマーク。蛯名騎手が騎乗し、馬の気に合わせた内容だったが、直線は一杯に追われる相手を持ったまま圧倒。最後まで気を抜くことなく、しっかりと伸びた。馬体の張りもさらに良くなった。 メイショウカドマツ(牡、栗東・藤岡健) 精神面がしっかりして落ち着きが出てきた効果か、食べた物が実になり、骨格に見合った筋肉がついた。ドッシリとした重量感も出てきて、この短期間でひと回りスケールアップした感じ。掛かる面が解消して折り合いもつくようになり、追っての反応、伸びもグンと良くなった。ここにきて心身ともに充実してきたし、前走もフロックではないだろう。これから楽しみが持てそうな馬。 【チューリップ賞】 エピセアローム(牝、栗東・石坂) 休養させて、疲れ、ストレスがとれたようで、素晴らしく良くなって帰厩した。胸前に厚みを増し、腰、トモ回りの筋肉は盛り上がり、腹目もドッシリ。男馬と見間違えるほど、馬体は逞しくなっている。20キロぐらい馬体は増えているのではないか。パワー溢れるダイナミックな動きをしているが、ほど良い気合乗りで走りに集中できているし、心身両面で逞しくなっている。ここ数週は週明けの火曜から浜中騎手がつきっ切りで調教に跨る熱の入れよう。これだけ良くなれば巻き返せると思うし、断然人気が予想されるジョワドヴィーヴルも負かせるはず。この状態で勝てなければ、この先はもう負かせないと思えるほど素晴らしい状態。 ジェンティルドンナ(牝、栗東・石坂) 上のドナウブルーと似ているところはあるが、こちらの方がスケールは上。腹構えがしっかりしているし、腰、トモ回りの張り具合が良く、使い減りもしない。トビが大きくゆったりとしたフットワークで、体の使い方もいい。体つき、動きからは距離が延びて良さが出そうなタイプでもある。テンションが上がらず精神面がしっかりしているのもいいし、これから楽しみが持てそうな馬。ただ、この中間は熱発があって4日ほど楽をさせた点は少々気になる。金曜には時計を出したので問題ないとは思うが、少なからず影響は出るかもしれない。個人的には無理せず桜花賞に直行した方がいいと思うのだが…。石坂厩舎は2頭出しになるが、エピセアロームの方が断然上だろう。 ジョワドヴィーヴル(牝、栗東・松田博) 放牧明けになるが、この短期間でこれほど良くなるかと思うほどの馬体で戻ってきた。おそらく馬体は30キロ近く肥えていたと思うが、週を重ねるごとに馬体が減ってきている。自分で馬体をつくっているようだが、結局は休養前と同じような馬体になってしまった。ただ、以前のような華奢な体つきではなく、実が入って、中身も詰まってきたようだ。トモもしっかりしてきたようだし、小柄な馬でも完歩が大きく、相変わらずバネの利いた動きで体の使い方もいい。帰厩当初の馬体を維持するのが理想だとは思うが、自分で馬体をつくる点はいい方に捉えたい。 ハナズゴール(牝、美浦・加藤和) 栗東滞在中。先々週の土曜に栗東入りしたが、環境に馴染めないのか、テンションが高くイラつき気味。そのせいもあって思うような調整ができていない。26日朝、坂路で初めて時計を出したが、それまでが手加減されていた。420キロ台の小柄な馬でも、それほど細く見せていないし、素軽い切れのある動きをするのでそれなりに能力はあると思うが、牝馬でこの間隔の詰まったローテーションはちょっとかわいそう。本来の力を発揮できるかとなると正直疑問だし、たとえまともであってもエピセアローム、ジョワドヴィーヴルを負かすまではいかないだろう。 フライングバルーン(牝、美浦・水野) 22日に美浦南ウッド(良)で55秒2-39秒7-12秒7を強めでマーク。この中間はコース追いをとり入れて攻めを強化。4Fから反応を確かめる内容だったが、しなやかな走りが目についた。デキは安定しているといえるだろう。 プレノタート(牝、栗東・牧浦) 気難しさは相変わらずだが、レース後の回復が早い。牝馬とは思えない牡馬のような筋肉のつき方で、特に肩先から胸前にかけては筋肉が盛り上がるようについているし、腰、トモ回りも内からはちきれんばかり。ここにきて父ジャングルポケットに似てきたし、馬体に一段と幅を増し、パワーアップが窺える。気難しい面もいい方に出れば、3着ぐらいには食い込めるかもしれない。デキだけならエピセアローム、ジョワドヴィーヴルと遜色ないものがある。 ラシンティランテ(牝、栗東・友道) ひと息入れて立て直した効果は十分感じられる。馬体がフックラしてきたし、トモ回りの筋肉のつき方も違ってきている。以前のイラつく面もなくなり、リラックスできているし、精神面でもゆとりが出てきた。動きにしても力を抜いて走れるようになって、フットワークもより大きくなっている。翌週のフィリーズレビューに回るかもしれないが、こちらに使ってきても楽しみがある。 ★【ラジオNIKKEI杯2歳S】アダムスピークが2戦目で重賞制覇 石坂師400勝 ★【シンザン記念】牡馬蹴散らしジェンティルドンナが重賞初制覇 ★【阪神JF】抽選くぐり抜け母仔制覇 ジョワドヴィーヴルが2戦目で載冠
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