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【カタール2012レポ】国分優作騎手、初めての海外遠征に密着!
この季節の海外競走の風物詩といえば、3月末のドバイワールドカップデーをクライマックスとしたドバイインターナショナルレーシングカーニバルが真っ先に思いつくところ。 しかし、同じ中東のカタールでも、国際競走のカーニバルが今週の28日(火)、29日(水)、3月1日(木)に首都ドーハのアルライヤン競馬場にて開催される。最大のメインとなる3日目に行われる国際GIのH.H THE EMIR'S TROPHY(アミル殿下トロフィー、芝2400m)と純血アラブの国際GIにH.H THE EMIR'S SWORD(アミル殿下スォード、芝2400m)をはじめとした国際競走のほか、アマチュアライダーによる競走、そして国際見習い騎手招待競走が3日間を通して行われる。この騎手見習い競走に、日本からは国分優作騎手(21、栗東・フリー)が参戦。2月26日の京都での騎乗を終え、直接その足で関西空港からドーハへと向かった。 レース参加への打診を受けたのはちょうど1カ月前で、即決でこのシリーズへの参戦を回答したという。この背景には、ここ数年でアジアヤングガンズ競走をはじめとした見習い騎手の国際招待競走の活発化によって、周辺の同世代の騎手が次々と海外に挑戦していることと、何よりその中に双子の兄弟である国分恭介騎手も昨年マカオの招待競走に参戦したことが大きいようだ。 今回のためにパスポートも初めて取得したそうで、つまりこれが人生で初の海外渡航。早朝にドーハに到着し、「ずっと座りっぱなしなのでお尻が痛くなっちゃいましたよ(笑)」と長旅の疲れも抜け切らない午後には、カタールの競馬主催者の計らいで、競馬場での調教に騎乗することとなった。そこで騎乗したのが、日本では競走に使われない純血アラブだった。日本でも乗馬用途としているものの、競走用には存在しない。当然、競走向けの調教に乗ることもないわけで、2日目に組まれた純血アラブのレースに騎乗する前に、これは非常に貴重な体験となったようだ。 アルライヤン競馬場のダートコースを使った調教は、国分騎手は地元ライダーが乗る馬との併せ馬に。行きたがる馬をなだめるようにしながら同体でゴールを駆け抜けた。調教後に感想を尋ねると、 「サラブレッドと同じイメージで乗っていたら、なかなか前に進んでいかないんです。ところが直線に向いたら急に行きたがっちゃって。乗った馬の性格もあるのかもしれないですけど、ちょっと感覚を変えて乗らないとダメですね」と、初めての感覚に若干とまどいと楽しみが織り交ざったように答えた。また、実際に騎乗する3レースはいずれも芝コースで、この日は歩くだけにとどまったものの、 「芝はかなりいいですけど、結構(芝の)下のクッションがやわらかいです。コースも完全にフラットだし、コーナーで傾斜もついていないので、かなり前でいい位置にいないと厳しいですね。ネットで見たビデオでもみんないい位置で厳しくせめぎあってますし…」と、冷静に分析。 見習いといえど、相手にはニュージーランドでGIを勝った女性騎手や、こちらカタールでも有名なインドの騎手など強敵が揃った。それでも昨年は武豊騎手がシャーガーカップで、また今年も池添騎手がメイダンマスターズで勝利を飾っているように、騎手招待競走では日本人騎手の健闘が続いているので、これらに続く国分騎手の活躍を期待したい。
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