おしらせ
今週の3歳戦「ここが見どころ」
今週はクラシックに向けて注目の牡牝トライアル重賞が行われる。まずは弥生賞の出走馬について、陣営コメントを中心にお伝えしていこう。 2連勝で重賞制覇のアダムスピーク(牡、栗東・石坂)については内田博騎手から「追い切りは終い重点の指示でした。馬場はかなり悪かったですが、それを感じさせない動き。背中は柔らかいし、最後まで息も乱れずにスタミナを感じました。おとなしくてこちらの指示に従ってくれるし、それでいて闘争心もありそう。センスがありますよ」と賛辞が並んだ。 アダムスピークが勝ったラジオNIKKEI杯2歳Sで4着だったトリップ(牡、栗東・松田博)。中間は、坂路とコースを併用して入念に調整されてきた。今週の追い切りは不良の栗東Cウッドで88秒6-72秒1-56秒6-41秒8-12秒3を一杯でマーク。併せ馬で追われ、先行するかたちからの先着だった。馬体には少し余裕があるが、輸送もあるので問題なさそう。松田博師は「稽古はよく動くが、余裕があるし、これくらいでいい。輸送に問題がなければ、(3着までの)権利は獲ってくるだろう」とコメント。 エキストラエンド(牡、栗東・角居)の最終追い切りは栗東ポリで83秒7-66秒9-52秒0-37秒9-11秒6。馬なりで一杯に追われる古馬500万のトーセンケイトゥーに0秒2先着と上々の動きを披露。追い切りで感触を確かめたC.デムーロ騎手からは「最後の伸びはとても良かったし、乗りやすい馬です」と話していた。 サイレントサタデー(牡、栗東・村山)の村山師は「前走後はグリーンウッドへ短期放牧。カイ葉は食べているけど、2走目で減っていた体が戻っていません。前走以上に減らなければいいですが、そこが心配ですね。追い切りは馬場が悪かったので時計はかかったけど、馬場が良くてオーバーワークになってしまうよりはむしろいいでしょう。ハナが理想ですが、離れた2番手でもいいですね。メイショウカドマツとの兼ね合いがポイントになると思います。クラシックに向けて、何とか権利を獲って欲しいですね」と話してくれた。 コスモオオゾラ(牡、栗東・高橋博)の陣営からは「共同通信杯は強敵が揃うなか、見せ場をつくっての5着。ただ、レースは前半のペースがあまりに遅く、正味上がりだけの競馬になってしまったね。ウチの馬も最後まで伸びてはいるが、他のサンデーサイレンス系の馬たちは切れる脚を使えるので、その差が着順に出たかな。その点、器用さと持久力が活きる中山に変わるのは大歓迎。週中は雨や雪が降って、馬場も多少は渋りそうなのもプラス。ここは相手がさらに強化されるが、中山2000mが舞台のトライアルならつけ入る隙があってもいい。気軽な立場だし、一発狙いたいね」と話が聞けた。 ジョングルール(牡、美浦・尾形)については田中助手から「今日はウッドで前の馬を追いかけるかたちで併せ馬をした、先週はビシッと追っているから今日は反応を確かめる程度。反応もいいし、ゴーサイン出してからの動きがいい。まだ、腰から背中にかけて弱いところは残っているけど、レースを使うたびに確実に良くなっている。ゴーサイン出してからの反応はいいんだが、まだ馬体に緩さがあり、瞬時に反応はできないけど、反応の良さは普段の稽古でも追い切りでも、ヒシヒシと伝わってくる。今回は相手が揃っているけど、素質はここに入っても引けはとらないと思う、今のデキでどれだけの走れができるのか楽しみ」とこの馬の素質の高さに期待しているようだった。 ソルレヴァンテ(牡、美浦・池上)の陣営からは「前回の未勝利戦は危なげないレースだったし、期待通りの結果。500万もすぐに勝てる馬だが、2勝を挙げたところでクラシックには賞金が足らないし、オーナーサイドと相談して弥生賞を使うことにした。繊細な面があるのでここ2戦は逃げる競馬をしているが、相手が揃うここではそう簡単に行かせてはくれないだろう。ただ、前走のテンの1ハロンを見ると、控える競馬でも大丈夫そうな感じはある。ゲートを出たなりで運んでもらうつもりだが、鞍上(後藤)の性格を考えると積極的にハナへ行くかな。まだもまれた経験がないし、同型のサイレントサタデーとの兼ね合いはカギになる」とコメント。 500万のダート1800m戦と両にらみだったアーカイブ(牡、美浦・堀)は最終的に芝の重賞を選択。橋本助手は「スタートがいまひとつなので、ダートだと後方からになって砂を被る心配がある。現状では芝の方がよさそうですね。前走はスタートを出てすぐに振られて、勝負どころも外々を回ってロスが多かった。距離は守備範囲で、ゆったり流れに乗ればもっとやれそう」と話していた。 桜花賞トライアルのチューリップ賞ではまず2歳女王のジョワドヴィーヴル(牝、栗東・松田博※写真)。山口厩務員からは「追い切り後に(福永)祐一が『重い馬場も全く苦にしなかった。跳びもさらに大きくなっている』と言っていた。先週まではボテッと映った馬体もだいぶスッキリしてきたし、あまり数字は変わってないと思うが、背丈が高くなってバランスが良くなっている。あくまでもトライアルの仕上げだが、動ける感じにはなってきた」と話す。能力でここもクリアしてしまうのか。 ジェンティルドンナ(牝、栗東・石坂)の石坂師は「先週、今週と併せでしっかり調教ができたように、中間の熱発の影響はない。順調さを欠いたのは確かだけど、動きはいいからね。この馬の力通りに走ってくれれば、結果は出ると思う」と話していた。 同厩2頭出しのもう1頭、エピセアローム(牝、栗東・石坂)についても師は「阪神JFは外枠に入ったことが影響したと思う。ここ2週、馬場が重い状態の中、しっかり走れているし、仕上がりはいい。引けはとらないんじゃないかな」と話してくれた。 ウイングザムーン(牝、栗東・飯田明)については飯田騎手から「前走は中間に一頓挫があって、その影響で体が減っていたし、返し馬でも競馬でも掛かり気味だった。今回は順調に調整できたけど、ここはさすがにメンバーが強力で・・・」と慎重なコメント。 イントゥザストーム(牝、栗東・村山)の村山師は「まだ非力なので、今週のような極悪馬場では動けるタイプじゃない。だから時計は気にしてなくていい。それでもこの馬なりには力をつけていると思う。少し掛かるところがあるので、この距離で折り合えるかどうかだね。前走のように、前に壁をつくって運ぶかたちが理想。いい脚は持っているので、それをうまく引き出して欲しいね」と話していた。 今週はリニューアルした中京が開幕するということもあり、注目されるフローラルウォーク賞。広くなったコースのバックストレッチを一杯に使った紛れの少なそうな芝1400mで行われる。ダブル登録だったトランドネージュ(牝、美浦・松山康)がこちらにまわり、上位人気の1頭となりそうだ。今週の追い切りは跨った柴山騎手が絶賛。美浦南ウッドで82秒4-66秒5-51秒9-38秒7-13秒5を強めでマーク。重馬場だったことを考慮すればなかなかの時計といえるだろう。能力発揮ならここは上位争いだ。 アルメリア賞はマウントシャスタ(牡、栗東・池江)に注目。デビュー戦は単勝1.5倍の圧倒的支持を集めて、きっちりと勝ち上がった。池江師は「新馬戦では反応がやや鈍いところもありましたが、それでもディープ産駒らしい末脚。デビュー時でもいい仕上がりでしたが、さらに筋肉がついてきましたね。今回はもっと反応も良くなると思います」とコメントしていた。 黄梅賞では共同通信杯6着のエネアド(牡、美浦・戸田)に注目。陣営からは「距離短縮になってある程度流れは速くなるから、折り合いがつくだろう。今回は自己条件になるし、道中でタメをつくることができれば、終いにいい脚を使ってくれると思う」と話が聞けた。 新馬戦では週中のニュースでシーズオブタイム(牝、栗東・松田国)を紹介した土曜阪神6Rに注目。ここではディープ産駒のクイーンリヴィエラ(牝、栗東・橋田)をピックアップしておこう。中内田助手からは「小柄な牝馬だが力強い走り。いいフットワークをしている。勝負根性もありそうなタイプ」と話が聞けた。 阪神では日曜5Rが好メンバー。小倉2歳S勝ちコスモヴァレンチの仔マイネルハートレー(牡、栗東・加用)をここでは紹介しておきたい。1週前追い切りに跨った武豊騎手からは「スピードが乗り出すとモタれますね。でも動くことは動きますよ」と感触を掴んだ様子。一方、加用師からも「母は残念ながら重賞勝った後に骨折してしまったけど、繁殖でいい仔を出してくれるからありがたいね。それほど柔らかみがないかもしれないけど、馬っぷりも性格もいい。母もそうだったように、早くから活躍できるタイプだと思う」と期待のコメントが聞けた。その他、このレースでは浜中騎手が高く評価するエロイカ(牡、栗東・藤原英)、フレールジャックの全弟マーティンボロ(牡、栗東・友道)、荒川厩舎期待のメイショウタマカゼ(牡、栗東・荒川)などにも注目しておきたい。 ★弥生賞の出走表・指数Xはこちらから ★チューリップ賞の出走表・指数Xはこちらから
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