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【カタール2012レポ】国際GI・カタール首長Tを制したのは……

カタール首長Tを制したのはO.ペリエ騎手が騎乗したランスロットだった

カタールの首都ドーハのアルライヤン競馬場で2月28日から3月1日までの3日間、Qatar International Equestiran Carnival と銘打ち、国際競馬の祭典が行われた。今年で22回目と意外に、と言っては失礼ながら歴史のあるもので、Equestrian(乗馬・馬術)という名前の通り、競馬だけでなく馬事文化全般にわたった祭典となっている。 カタールはサラブレッドの競走と同時に、純血アラブの生産、保護、育成、馬術、そして競走にも力を入れている。これはこの地域がアラブ種の起源の地であるプライドによるもので、競馬開催でも最もメインとなるのは純血アラブによる国際交流GI競走のカタール首長スォード(H.H THE EMIR'S SWORD 3歳以上 芝2400m)で、これらのほか3日間で純血アラブとサラブレッドの重賞が6つ(うち5つが国際競走)が行われた。 日本にも馴染みが深いサラブレッドの競走では国際交流GI競走のカタール首長トロフィー(H.H THE EMIR'S TROPHY 3歳以上 芝2400m)が1着賞金85万5千リヤル(約2000万円弱)で最高位のもの。前年まで2200メートルの国内GIで行われていた同名の競走と、グレードなしの国際招待重賞として行われたカタール国際招待カップ(Qatar International Invitation Cup 3歳以上 芝2400m)が合わさるような形で今年からリニューアルされた。 国外からの参戦は、ドバイからの1頭にとどまったが、その1頭が一昨年のドバイデューティーフリーの勝ち馬アルシェマーリ(Al Shemali 牡8)で、それだけでも十分なもの。これに昨年、このレースを1着入線しながら後に失格となったオリビエ・ペリエ騎手騎乗のランスロット(Lancelot 牡5)や、繰り上がりでこのレースを勝つほか当地の一線級として重賞をいくつも勝っているアミコミオ(Amico Mio 牡6)、2歳時に英ニューマーケット競馬場で開催されたデューハーストS(GI、芝1400m)を勝ち、3歳時にはカタールダービーでランスロットを下しているベートーベン(Beethoven 牡5)と、高いレベルのラインナップでレースが争われた。 リージェントストリート(Regent Steet 牡4)が先手を取り、エクスプロレイター(Explorator 牡5)が直後に続く展開。アミコミオは2頭並んだ3番手の外側を進み、ランスロットは後方集団のインコースを追走した。リージェントストリートが単騎でゆったりと引っ張る流れから、2周目の3コーナー手前でアミコミオが逃げるリージェントストリートを捕まえるとレースは一気にペースアップ。後続からロジックウェイ(Logic Way 牡8)とレシタル(Recital 牡4)が外を回って接近し、内からは馬群を縫ってランスロットが射程圏まで詰め寄ってきた。直線に向いて、アミコミオが後続を振り切って逃げ込みを図るが、内から忍び寄ってきたランスロットが残り100メートル付近であっさり交わすと、後続に3馬身半の差をつけてゴールを迎えた。2着には粘るアミコミオを後方から追い込んだドバウィキング(Dubawi King 牡5)がゴール寸前でハナ差だけ捕まえて逆転。ベートーベンは4着、アルシェマーリは6着に終わった。 勝ったランスロットはフランス産の5歳馬で、冬春はカタールで、夏秋はフランスを拠点に競走生活を送っている。昨年は前述のように1着になりながら、後に失格となったが、今回の勝利で鬱憤を晴らす形となった。重賞はこの他にフランスでもG3を1勝している。 オリビエ・ペリエ騎手は 「イメージは去年と同じように乗ったよ。レースの後は去年と同じにならないといいね。とにかくこういう機会に乗せてもらえて、結果も出すことができて光栄です。日本の馬も来れるといいのにね」 とレース後に語ってくれた。 カタールにとってもひとつの節目となった大きな競走だが、今後はどのように発展させていくかが課題であろう。王族による王族のための競馬というものは、ゲストである海外の関係者がやや脇に置かれてしまう印象が強い。特に日本の文化からは受け入れにくいもので、仮に国際競走として大きくさせていきたいのであれば、そこがひとつのハードルになる。 また、日本馬が参戦するのであれば、大きな問題となるのが、日本とカタールの間に協定が締結されていない検疫面だ。現状では馬を送り込むことができても、日本に戻すことができない。招待を推し進める前に、この辺りは是非ともクリアして欲しいと願う。これらがいい形で進めば、ドバイとの相互オプションとしても価値が出てくるに違いない。

(土屋 真光)
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