今週の3歳戦「ここが見どころ」

今週は重賞が3鞍にトライアルのオープン特別もあり、3歳戦は見どころが満載だ。当欄もかなりのボリュームとなりそうなので、各レースごとに分けて読んでいただくのもいいかもしれない。それではまずスプリングSの出走予定馬から陣営コメントを中心にお伝えしていこう。 2歳チャンプとなったアルフレード（牡、美浦・手塚）の手塚師は「追い切りではエチゴイチエに先着したが、あれはエチゴが引っ掛かったからだよ。本番は先とはいえ、走れる態勢にはあるが、週末の天気は気になるね」とコメントをくれた。 ホープフルSの後は放牧でリフレッシュさせたサトノプライマシー（牡、美浦・堀）。橋本助手は「前走は勝負どころまでは完璧に近いレースだったが、直線追い出したところで前をカットされる不利。それがなければ、もっと際どい内容になっていた。その後は京成杯のプランもあったが自重して放牧へ。帰厩後はここを目標に乗り込み、万全の仕上がりといえる。荒削りな部分は残るけど、ポテンシャルは高く期待は大きい」と自信を持っていた。 前走は直線外へヨレてロスの多い競馬だったストローハット（牡、美浦・堀）。橋本助手は「前走はいい感じで運べていたが、追い出してから外へヨレて若さを出してしまった。一瞬の切れ味で勝負するタイプなので、中山1800mは合いそうです。状態は良く、皐月賞の優先出走権をとりたい」と期待していた。 ベゴニア賞勝ち以来のサトノギャラント（牡、美浦・藤沢和）の最終追い切りは美浦南ウッドで横山典騎手が騎乗し、69秒4-53秒6-39秒3-12秒7を馬なりでマークした。2頭を追いかけるかたちから、直線で内に潜ると瞬時に反応。楽な手応えのままスパッと切れて2馬身の先着を果たした。リフレッシュされて、躍動感に溢れている様子だった。 ロジメジャー（牡、美浦・古賀慎）の追い切りは、美浦南ウッドで馬なりのまま68秒2-52秒5-38秒3-12秒5を計時。5Fで3馬身追走するかたちだったが、軽快なスピードを披露すると、直線ではうなるような勢いのままキッチリと伸びた。気合い乗りが目立ち、さらなる上昇気配を見せている。 栗東組の注目はやはりディープブリランテ（牡、栗東・矢作）だろう。中間は、坂路中心に順調に調整されていたが、最終追い切りは栗東Cウッドで84秒9-67秒7-52秒3-37秒8-12秒2を一杯でマーク。併せ馬で追われ、直線での仕掛けに鋭く反応して相手を置き去りにする素晴らしい動きを見せた。ひと叩きされて、前走時に見せていた気負いもなくなるだろう。 グランデッツァ（牡、栗東・平田）の追い切りには今週から短期免許で来日するM.デムーロ騎手が騎乗した。栗東坂路を馬なりで53秒0-39秒2-25秒8-13秒0をマーク。強めに追われる古馬準オープンのシャイニーブラウンを0秒7追走し、クビ差先着を果たした。M.デムーロ騎手は「ハードには追ってない。楽にいってあの時計だったよ。休養明けなので、まだ良くなりそうな感触はあるけど、追い切りに乗った印象は良かった」と感想を話してくれた。 新設中京の芝1400mが舞台となったファルコンS。エクセルシオール（牡、美浦・池上）の陣営からは「前走後は適鞍がなかったので、ひと息入れてここまで待機。昨年までは1200m戦だったファルコンＳだが、中京競馬場が新装されたことで今回から1400m。スピードがあり過ぎる馬なので距離1ハロン延長は懸念材料かな。中間からホライゾネットを着用しているが、馬具の効果が見られるし、馬に落ち着きが出ているのは好感が持てる。折り合いが重要な馬だけに、いかになだめて走れるかがポイント。この馬にとってベストの条件とは言い難いが、深い芝は合いそうだし、力まずに走れば能力の高さで押し切れても」と話が聞けた。 レオアクティブ（牡、美浦・杉浦）の杉浦師は「前走後はこのレースを目標にして調整してきた。今までと違って、今年から新設となった中京競馬場は、直線が長く、距離も1200mから1400mに替わり、この馬にはぴったりの条件になったからね。間隔を開けて成長力は感じないが、反面落ち着きが出たのはいい傾向だ。馬場が悪くなっても何ら苦にはしないし、京王杯2歳Sのような競馬ができれば、チャンス十分でしょう」とコメント。 ゴーイングパワー（牡、栗東・岩元）については和田騎手から「まだ動きは休み明けという感じがする。ただ、ビッシリやったので、これでどこまで良くなってくれるかだね。少し掛かる面があるので、やはりベストは1200mだと思う。今回は差す競馬を覚えさせるつもりだよ。ただ、前走は距離もあるけど、左回りで右にモタれていたぶん、余分な脚を使ってしまった。左回りはあんまり上手ではなさそうだね」と話が聞けた。 メイショウヒデタダ（牡、栗東・南井）の太宰騎手は「前走後はここ目標。1週前は少し重く感じましたが、今週の動きは良かったですよ。もともと期待していた馬が、きっかけを掴んで良くなってきましたね。前走、最初は揉まれて嫌がっていたけど、途中からは我慢できていました。どんな競馬でもできそうですが、今の中京はあまり行き過ぎると良くないので、じっくり乗るつもりです。ただ、極端に揉まれると気にしそうなので、外めでスンナリが理想ですね」と話してくれた。 キズマ（牡、栗東・白井）の白井師からは「前走はハイペースの2番手。距離が微妙に長かったが、それほどは負けていない。スピードはあるから、芝でも無理なく好位で競馬ができるはず。使って体も締まってきた。上積みは十分」とコメントが聞けた。 ブライトライン（牡、栗東・鮫島）の伊藤助手は「前走は折り合いをつけるのにひと苦労。一瞬は見せ場をつくったが、あれだけ掛かってはさすがに厳しい。今週の追い切りでも抑えが利かなかった。1ハロン短縮しても折り合えるかどうかは疑問。ただ、丈夫な馬で状態面の不安が全くない。元気一杯。今回は舌をくくってみる」と策を教えてくれた。 レオンビスティー（牡、栗東・矢作）について矢作師は「ここを目標に調整してきたが、休み明けのぶん、少し太め残り。ただ、時計の掛かる中京は合っていると思うし、距離もいい。それなりにはやれそう」と話していた。 勝てば桜花賞出走も見えてくるフラワーC。まず、ヘレナモルフォ（牝、美浦・栗田博）の会津助手からは「前走後はこのレースを目標に調整してきた。府中だとどうしても決め手のある馬に差されてしまうが、直線の短い中山コースだと渋とさを発揮して粘り切ってしまう。今の荒れた馬場は苦にしないし、相手は強くなるが、自分のペースで競馬ができれば、チャンスもあると思う」とコメント。 フェアリーSでタイム差なしの4着と惜しい内容だったが、クイーンCは末脚不発に終わったオメガハートランド（牝、美浦・堀）。橋本助手は「先週のアネモネSのプランもあったが、1週延ばしてここへ。前走は展開が向かなかったのもあるけど、短期放牧を挟んで若干急仕上げ気味だったのかもしれない。引っかかるタイプではないので1800mは問題なく、前々で積極的に流れに乗る競馬をさせたいですね」と教えてくれた。 セシリア（牝、栗東・矢作）について矢作師は「2週続けていい動きをしているが、この中間に歯替わり。食いが落ちて少し細く映る。今は落ち着いているが、輸送もあるので、大幅に体が減るようだと心配」と懸念材料を挙げた。 キャトルフィーユ（牝、栗東・角居）の清山助手は「前走はゴール直前までよく踏ん張っていたし、評価できる内容だったと思います。いいものを持っている馬ですし、セールスポイントの先行力を活かせば、チャンスがありそうです」と話していた。 皐月賞トライアル若葉Sは非重賞ながら、きさらぎ賞勝ち馬が参戦し、注目レースとなりそう。そのワールドエース（牡、栗東・池江※写真）について池江師は「追い切りは4頭併せの格好になってしまったが、キッチリ先着。後半の馬場で時計は速くなかったが動きは良かった。コーナー4つのコースをどうクリアするのかが今回の課題。まずは内容重視で。内容が良ければ結果もついてくるはず」と参戦の主旨を話してくれた。 アドマイヤレイ（牡、栗東・友道）の杉村助手からは「前走はスローでヨーイドンの競馬。大型馬だからまだスッと動けないところがある。ひと叩きして状態は確実に上向いているし、前々で運べばもっとやれるはず」とコメントが聞けた。 アルキメデス（牡、栗東・藤原英）の田代助手は「前走は前半に少し力んでいたが、うまく前に壁をつくることができた。今回は2000mに延びるが、コーナーが4つのコースの方が息を入れられるから、そのぶん、終いの切れにつながるような気がする。体も今は戻っている。前走よりは減らないはず」と話してくれた。 ククイナッツレイ（牡、栗東・松田国）の松田国師からは「追い切りは追走先着。スッと抜け出した。馬場が悪くて時計は平凡だが動きは良かった。太るタイプではないから、キッチリ仕上がっている」とコメントがとれた。 グラーネ（牡、栗東・笹田）について笹田師からは「怖がりなので他の馬が出た後にしか出て行かない。どうしても後ろからになってしまう。それでも前走は直線だけでよく差を詰めた。デビュー前から期待していた馬。ハマるようなら」とコメント。 ショウナンタケル（牡、栗東・北出）の北出師は「前走後は少しソエ気味だったので、間隔を開けてプール併用の調整。大型馬だけど、前走は細かったぐらい。前回よりプラス体重で、ちょうどいい体つきだよ。まだ瞬発力がないだけに、前走のような外回りコースでは切れる馬にやられてしまう。内回りコースならもっとやれるはずだよ」と話してくれた。 ミルドリーム（牡、栗東・角居）の清山助手は「前走は少頭数のヨーイドンの競馬で分が悪かったね。まだ追い切りでも幼い面を出しているし、前走でも真剣に走っていたのは最後だけと、鞍上が言っていた。それでも差のない競馬をしているのは、能力の高さだよ。今回も騎手は替わるけど、追い切りでまたがってもらい感触をつかんでもらった。いいかたちでクラシックへ臨みたいね」とコメント。 メイショウカドマツ（牡、栗東・藤岡健）の藤岡健師は「前走は出遅れてテンに脚を使ったし、向正面でペースを落とし過ぎて、直線に向いてヨーイドンの競馬になってしまった。瞬発力勝負では厳しかったね。中1週でも、年明けに勝った時と同じで、順調に来ています。とにかくスタートを決め、自分のペースで後続に脚を使わせるかたちに持ち込みたいね」と話していた。 ラフィングインメイ（牡、栗東・武）の西田助手は「弱いところのあった馬だが、ここに来て着実に本格化してきたね。牡馬の割に華奢で牝馬みたいだったけど、1歩づつ階段を昇ってきてくれている。もう少しドッシリして欲しいけど、少しずつパワーアップしているのは確か。今週の動きも良かったしね。前走は早目の競馬で押し切ったけど、前に壁をつくって脚をためれば、ここでもひと脚は使えるはず。もちろん芝もこなすし、何着とはいわないけど、見せ場はつくってくれるんじゃないかな」とコメント。 ローゼンケーニッヒ（牡、栗東・橋口）について橋口師は「前走後はソエが出たのでレース間隔が開きました。態勢は整いましたが、まだカイ食いが細いし、本当にパンとするのはもう少し先でしょう。1頭強い馬が出てくるし、今回はこの馬の素質に期待といったところですね。今の力のいる阪神の馬場も合わない気がします。しかも雨も心配だね」と慎重なコメントだった。 500万戦からは日曜中山6R。スプリングSの登録もあったが、自己条件にまわったオコレマルーナ（牡、美浦・堀）の最終追い切りは美浦南ウッドで69秒1-53秒9-40秒0-12秒6を馬なりでマーク。体全体を使った迫力十分のフットワークで、直線向いても勢いたっぷりで、持ったまま一直線に弾けた。上積みも見込め、このクラスなら楽しみがありそうだ。 今週でこの世代の新馬戦は最後となるが、その中からは土曜阪神6Rが注目だろうか。母がエリザベス女王杯勝ち馬フサイチパンドラというスペルヴィア（牝、栗東・橋田）はセレクトセールで8190万円の値をつけた高額馬で、オーナーは「大魔神」こと佐々木主浩氏と話題も豊富だ。陣営からは「ここ2週の追い切りの動きが良かった。いい雰囲気を持っているし、初戦から期待できそう」とコメント。また、同じレースでデビューするサクラメガチャンプ（牡、栗東・友道）もサクラメガワンダーの半弟という良血。友道師からは「兄は栗毛でこの馬は鹿毛だし、あまり兄とは似ていない。大型馬なので、使いつつ良くなればというところだね」と話が聞けた。 ★スプリングSの出走表・指数Xはこちらから ★フラワーCの出走表・指数Xはこちらから ★ファルコンSの出走表・指数Xはこちらから

Tweet

シェア