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【皐月賞】有力馬1週前追い切りレポート

まさかの敗戦から即巻き返しての重賞制覇。初の中山がどうかだが、ワールドエースの力量は文句無しで世代トップだ。

15日、中山競馬場で2012年牡馬クラシックの初戦となる第72回皐月賞(GI、芝2000m)が開催される。このレースへ出走を予定している有力馬たちの、1週前追い切りの模様をレポート! ワールドエース デビュー2戦目の若駒Sこそ5頭立ての落とし穴とも言うべき“超スロー”の展開に泣いて2着に甘んじたがきさらぎ賞、若葉Sと近2走では完勝。2000m戦の持ち時計は見劣るが、1分47秒フラットでヒストリカル(後に毎日杯勝ち)以下を封じた1800m戦のきさらぎ賞が優秀なだけに、世代トップの力量馬という評価で間違っていないだろう。出遅れを最後の猛チャージで挽回した前走の反動はほどんどなく、ここへ向けての調整は順調そのものだ。5日は福永騎手を背に栗東坂路でカフナ(4歳1000万下)を0秒4追走。暴風雨の影響が残り時計がかかった馬場のなか4F54秒7-1F13秒4(一杯)をマークしての0秒1先着なら文句無しの内容だろう。高いレベルで安定。ゲート練習でもしっかり我慢ができており、1冠獲りへ抜かりのない態勢にある。「馬場が馬場なので時計は54秒台だったが、調整は順調。中山までの輸送を考えるともう少し体がフックラとして欲しいが、ディープもそんな感じだったからね。カイバはしっかり食べているし、あまり神経質に考えず、走る体つきだと解釈したい。ここ2走はゲート内で少しうるさい仕草を見せているのでなんとか五分に出て欲しいね。当然、希望は良馬場」と、池江調教師。 グランデッツァ 昨夏の札幌2歳チャンプだ。久々に加え直前の調整も順調さを欠いた昨年末のラジオNIKKEI杯は3着に沈んだが、立て直されて臨んだ前走スプリングSでは外めを回されながら重い馬場のなかラストは鋭く切れて快勝。それも「跳びが綺麗で、本来道悪は得意ではないはず」と平田師が評するタイプであり、その価値は高い。ひと息入ったところを使われ、気配は型どおりに上昇している。5日は栗東ウッドで3頭併せとなったが、2秒近く先行していた相手2頭を楽々追い詰め、大外を伸びるとそれぞれに3馬身、6馬身をつける大差先着を果たした。時計も6F83秒1-1F13秒1(馬なり)と、この日の馬場を考えれば秀逸なもの。「思っていた通りの追い切りができた。中3週だからそんなにやりたくなかったけど、お腹がポコッとしてきたから長めで。でもそれだけ前走のダメージがなかったということだね。この中間は前走のように馬体減の心配もなく、いい調整ができています。もう中間はゲート練習も必要ないでしょう。それだけ大人になっていますよ」と、管理する平田師は体調面に関して胸を張る。 ゴールドシップ 札幌2歳Sでグランデッツァの2着。続くラジオNIKKEI杯で2着と惜しい競馬が続いていたが前走共同通信杯では逃げたディープブリランテをあっさり差し切り初重賞制覇を成し遂げた。流れに乗れる自在性が持ち味なだけに、立ち回りの巧さが要求される中山コースでのビッグタイトル獲りがあって驚けない。前走後は短期放牧に出されたが、2月下旬の帰厩後からここまで15本の追い切りをこなしており、緩んだ雰囲気は皆無だ。4日は栗東に駆けつけた内田騎手を背に芝コースで僚馬ジャスタウェイを追走。1秒5近くを追ったため、ゴール前での手応えこそ見劣ったがしっかり食らいつき同入に持ち込んでいる。渋ったコンディションのなかお釣りを残して6F74秒7-1F11秒8(強め)と、タイムそのものも上々。「前走後は短期放牧。1週間程度だったけど、リフレッシュされたのか精神面でどっしりと大人になった感じがします。本馬場での併せ馬もいい動きでしたね。順調に来ているのは何より。中山コースは初めてですが、まったく気にしていません。どんなコース、どんな展開にも対応できる器用な馬です」と、須貝師はセンスの良さを強調していた。 ディープブリランテ デビュー2戦目の東京スポーツ杯2歳Sが後続に3馬身差をつける圧巻の勝利。しかし明けて3歳となってからの2戦は共同通信杯で2着、スプリングSで2着と歯がゆさの残る走りを続けている。ただ、大きく折り合いを欠きながら連を外さないあたりは実力の証。精神面に進境があれば、GIのここでも勝ち負けに加われる。5日は栗東坂路で3歳1勝馬を前に置き併せ馬。序盤はしっかり我慢ができており、仕掛けられての反応は抜群。重い馬場のなかラスト1F12秒8の切れ味を披露し、1馬身の先着を果たした。折り合い面に一定の進歩はあった様子だ。「今週、そして来週(レース当週)はジョッキー本人(岩田騎手)の希望で追い切りに跨ってもらう。ちょっとしたコンタクトのズレを修正してもらうつもり。最初の1ハロンをいかにスムーズに運ぶか。能力はあるからポイントはそこだけだね」と、渋田助手。 コスモオオゾラ 緩い馬場がフィットした印象は否めないが、それでも2着に1馬身以上差をつけての弥生賞勝ちは鮮やかだった。再度時計がかかる展開となれば、チャンスは巡ってくる。前走後は短期放牧に出されていたが、しっかり乗り込まれていたようで美浦に帰ってきてからさっそくキビキビした動きを披露できている。5日は柴田大騎手が騎乗し、坂路でハードに追われた。活気にあふれた走りが印象的で、追われてからもしっかりとした伸び脚を披露。陣営のミス(GI出走予定馬用のゼッケンにICチップを付け替えるのを忘れたとのこと)により時計はエラーとなってしまったが、スピードと切れは上々だった。引き続き好調をキープしている。 マイネルロブスト 朝日杯FSで2着、好タイム決着だった京成杯で2着と中山コースとの相性の良さを誇ってきただけに前走スプリングS7着が案外な感じだが「トビが大きく頭を下げて走るタイプ。普通の馬以上に道悪がこたえた。今日は参考外」と、レース後武豊騎手が語ったように力負けの一戦ではなかった。好コンディションでのレースが叶えば巻き返しの可能性は十分。前走では力を出し切っておらず、ダメージは少なかった様子で中間は抜群の攻め気配を見せている。4日は蓑島騎手が騎乗(本番は武豊騎手)し、美浦ウッドで単走。内めのコースを通ったとはいえ5F65秒9-1F12秒2(一杯)という好タイムをマークし、併せた相手を1秒以上置き去りにした。もともと稽古駆けするタイプなのを差し引いても、追われてからの力強さは特筆もの。肌ツヤも良く、絶好のデキだろう。 アダムスピーク 新馬戦、そして“出世レース”とされるラジオNIKKEI杯と2歳時は無傷の2連勝。今期初戦・弥生賞では8着と期待を裏切る走りを見せてしまったが、行くところ行くところで壁になり、他馬と接触するアクシデントもあってのもの。「不完全燃焼でかわいそうな競馬。まったくエンジンをかける間もなく包まれて終わってしまった。ただ、中山の2000mを経験できたのだから、次につながってくれるはずです」と、石坂師は収穫を強調しており、下を向く雰囲気は微塵も感じられない。4日は栗東坂路で僚馬ジェンティルドンナとスパーリングを敢行。リードを保てずあっさり白旗の0秒5差遅れ入線に終わったが、相手が叩き出したのは当日坂路1番時計で、その週末には桜花賞を制している。「最後は伸び切れなかったけど、相手が相手だし、馬場が悪かったので無理はさせなかった。こちらは1週前だからこれで十分だし、ここまでは順調」と、石坂師。 ★最後は手綱を緩めたほどの楽勝でした。 【きさらぎ賞】ワールドエースが世代のエースへ ★ディープブリランテ、本番で逆襲なるか 矢作厩舎公式ブログはコチラ ★データ、全馬追い切り短評を掲載 【皐月賞】攻略は「UMAJIN.net」の「レース情報」コーナーにお任せ!
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