UMAJIN.net

おしらせ

【朝日杯FS】牝馬ベルカントら異色の挑戦者集う

2歳馬の王者決定戦、朝日杯FS(GI、芝1600m)が12月15日、中山競馬場で行われる。東スポ杯を制したイスラボニータ、京王杯を制したカラダレジェンドはエントリーしておらず、重賞ウィナーが5頭参戦した阪神JFに対しこちらはファンタジーSを勝利した牝馬ベルカントのみ、とやや小粒なメンバーとなったが、その分馬券的妙味はたっぷりな一戦と言えるだろう。

東スポ杯はイスラボニータがレコードタイムで制したが、クビ差の2着で同タイムだったプレイアンドリアルもレコードを更新する走りだったことになる。当時ホッカイドウ競馬所属で、それが中央のレース初挑戦だったことを考えれば、改めてとんでもない芸当であり、オーナー岡田繁幸氏が「コスモバルク(皐月賞2着など)以上」と評するのも頷けるところだ。距離短縮は父デュランダルから歓迎だろうし、スッと前にいける脚質から中山替わりも前進材料のはず。中間は“岡田軍団”の本拠地と言えるビッグレッドファーム鉾田でじっくり乗り込まれ、移籍先の川崎・河津厩舎へ入厩してからの追い切りでも抜群の動きを見せ、調整は順調に来ている。「地方所属のまま中央で成績を残すことによって、地方のホースマンに夢を」が岡田総帥のこだわり。その道の先輩、コスモバルクがなし得なかった中央GI制覇なるか。

ファンタジーSの勝者ベルカントが牝馬ながらに挑んでくる。脚質が徹底先行型なだけに阪神外回りの阪神JFよりこちらに勝機あり、というのが陣営サイドの説明。しかし、鞍上武豊騎手がここまで唯一制してない中央GIが朝日杯FSであること、そして比較的小粒なメンバー構成で与し易しと読んだ、というのも言外にはあるだろう。4日は栗東坂路で古馬1000万下との併せ馬を敢行したが、4F50秒7-1F12秒8(一杯)という好時計で1馬身先着と、デキは絶好だろう。これが実質の本追い切りで輸送を控えた今週の追い切りは流す程度になりそうだ。牝馬が優勝となれば33年ぶりの快挙となる。

地方所属、牝馬と異色の有力馬が乗り込んでくるが“中央所属の牡馬”も黙って見ているわけにはいかない。アトムは前走デイリー杯2歳Sで牝馬ホウライアキコの後塵を拝したが、開幕週で前が止まらない馬場を利することができた勝ち馬にアドバンテージがあったと考えれば、デビュー2戦目でクビ差なら良く戦ったと言っていい。ひと息入ったが帰厩後オープン馬、準オープン馬を相手に2週続けて互角以上の動きを見せており順調に仕上がっている。

前走の500万特別からまつ賞で2勝目を挙げたのがショウナンアチーヴだ。その前走はスローペースのなか直線ではインから馬群を割って抜け出す味のある競馬で、1馬身3/4差という着差以上に強さを感じさせる内容だった。母は2004年の阪神JF勝ち馬で、血統的魅力も十分。美浦坂路での1週前追いでは後藤騎手を背に4F51秒6-13秒1(強め)をマークして先行先着しており、デキ落ちはなく高いレベルで安定していると見ていいだろう。

ウインフルブルームは休み明けの500万特別千両賞を楽に逃げ切って2勝目をマーク。行きたがる気性がGIでどうかだが、2走前の野路菊Sではレコード駆けの勝ち馬サンダラスにクビ差2着があり、能力は高い。中1週になるが6日に栗東坂路で15-15を消化できており、順調そう。

前走オキザリス賞では後続を1秒以上“置き去り”にして圧勝。大物感を漂わせているのがアジアアクスプレスだ。これでデビュー以来ダートで2戦2勝。父ヘニーヒューズもダートでの活躍馬だが、産駒にはヘニーハウンド(ファルコンS勝ち)がおり、まったく芝がダメということもなさそう。川崎の全日本2歳優駿が本来の希望ながら補欠2番手では……と止む無くこちらに参戦してきた、という経緯はあるものの、芝がフィットするようなら一発があってもおかしくない。

抽選対象となる1勝馬ではミッキーアイルに注目。新馬戦ではアトムに半馬身差の2着に敗れたが、続く未勝利戦でレコードタイムを更新し快勝している。それも、マイルCSをも上回る開催一番時計だっただけにその能力は底知れない。

【関連リンク】
アトム 非凡な素質示す「使うごとに動きが良くなっている」(スポニチ)

おしらせ一覧

PAGE TOP