おしらせ
【皐月賞】スピード&パワー兼備 トゥザワールド
4月20日、中山競馬場では皐月賞(GI、芝2000m)が行われる。“1強”だった桜花賞から一転、有力候補が目白押しの大混戦模様となった牡馬クラシック第一弾。どの馬にもチャンスはありそうだ。
新馬戦こそバンドワゴンの後塵を拝したが、それ以降弥生賞まで4連勝のトゥザワールド。京都の平坦馬場でレコード勝ちがある一方、初経験だったタフな中山馬場を克服しての弥生賞勝ちと、スピードとパワーを兼備している点が大きなアドバンテージになる。短期放牧明けからの調整は順調そのもの。1週前追い切りでは川田騎手が跨って栗東ウッドで僚馬2頭を追う3頭併せを敢行し、脚色で圧倒したまま最先着を果たした。前走時より動きの良さは際立っておりほぼ万全な状態に仕上がっている。
ミルコ・デムーロ騎手の好エスコートもあってスプリングSを快勝したロサギガンティア。前走も後手を踏んだようにスタートが安定しない点はいささか気がかりだが、操縦性の高さと優れた瞬発力でそれを十分補っている素質馬だ。前走時に9分どおり仕上がっており、中間は静に徹した調整が続いているが1週前追いではしなやかなフォームで駆け抜けており、馬体の張り・ツヤも文句なし。極めて高いレベルでの好調を維持できている。
ここまで5戦して重賞2つを含む4勝を挙げているイスラボニータ。唯一喫した敗戦がハープスターに3馬身千切られたデビュー2戦目の新潟2歳Sだが、ハープスターがその後見せたパフォーマンスから考えればむしろ箔がついたぐらいに思ってもいいのかもしれない。ここまで新潟、東京でしか走っておらず中山未経験という点がどうかだが、極端に後ろから行く脚質でもなく、よほど馬場がフィットしないというケースでもなければ能力は存分に発揮できるはず。調教でのコース追いでは右周りをスムーズにこなしており、この点についても心配しなくて良さそうだ。間隔をあけてしっかり成長を促し、時計を出し始めてからの乗り込みも入念。ひと回り大きくなった体で絶好の動きを見せている。久々の不安はまったくない。
きさらぎ賞で逃げたバンドワゴンをゴール前きっちり差し切り、無敗の3連勝。父ディープインパクト以来となる無敗の皐月賞馬を目指すのがトーセンスターダムだ。3連勝はすべて京都コースでのもので、長距離輸送にタフな中山の馬場と、克服すべきハードルは並んでいるが3戦ともに僅差を制したという勝負根性は特筆できるもの。名手・武豊騎手の手綱も加味して考えれば、上位進出の可能性は十分だろう。放牧からの帰厩当初はやや動きが重かったが、2週前、1週前と実戦並みの稽古を消化し、だいぶピリッとしてきた。脚質的には皐月賞よりダービー向きという感もあるが、素質の高さだけでここを“行きがけの駄賃”替わりにかっさらっていくシーンまで考えておきたい。
弥生賞では先に抜け出したトゥザワールドめがけてゴール前猛襲。ハナ差及ばなかったもの、メンバー最速の35秒5の末脚を繰り出せたワンアンドオンリーの能力は相当高いと考えていいだろう。2歳時にはラジオNIKKEI賞を制しており、右回りの2000mはベスト条件なだけに相手強化のここでも勝ち負け可能と見たい。1週前追いは栗東坂路で3馬身先を行った古馬オープンを追走し、クビ差先着を果たしている。時計も4F51秒1-1F12秒8(一杯)と抜群のもの。前走を使われたことで、気配はグンと上昇しているようだ。
アジアエクスプレスはダートで2連勝後、初めて挑んだ芝のレースがGI・朝日杯FSだったが抜群の瞬発力で制するという偉業をなした。1F延長となった今期初戦のスプリングSは、勝負どころでややエンジンのかかりが遅れたものの、闘志に着火してからは力強く伸び2着。今回はさらに1F延長となるが、やれそうなメドは立ったと見ていいだろう。1週前追いでは格下馬2頭をアオってあっさり最先着を果たしており、こちらも大きく上積みを見込める。
アデイインザライフはデビュー2戦目で挑んだ京成杯で3着、続く前走弥生賞でも3着。前走でスムーズに流れに乗れたように、一戦ごとの進境は大きく、キャリアの少なさを補って余りある伸びシロを感じさせる。中間の攻めでは2週続けて馬なりで追走先着。今週ビシッとやれば万全の仕上がりとなりそうだ。
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トゥザワールド風格満点(日刊スポーツ)