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【オークス】ハープスター ロンシャンへの単なる通過点か

5月25日、東京競馬場では3歳牝馬の頂点を決するオークス(GI、芝2400m)が行われる。桜花賞時にも増して“1強”ムードが漂うが、それを覆す存在は飛び出てくるのか、否か。

ハープスターは、チューリップ賞で格の違いを見せ付けていただけに前走桜花賞で断然人気に推された。果たして、レースでは出遅れたこともあり4角を最後方で通過、しかし大外に進路を取ると無人の荒野を往くがごとくの快脚を繰り出し17頭をゴボウ抜きにして1冠目を手中に収めている。2着レッドリヴェールとの差は僅かにクビだったが“着差以上の強さ”を言うのにこれほど適した例もないだろう。中間はまったくの順調。1週前調教ではオープン古馬ユニバーサルバンクを追走し、ステッキへは鋭く反応して抜き去る動きを見せた。鞍上が負荷をかけてOK、と判断したあたり体調面はすこぶる良さそう。唯一負かされた相手レッドリヴェールは日本ダービーへと回った。初の距離、初の東京がどうかだがこれまでの名牝たちがそうだったように高い総合力でなんなく克服しそうで、2冠への視界は極めて広い。ロンシャンへの単なる通過点となるか。

敵は身内にあり、か。名伯楽松田博師がハープスターとともに、もう1頭樫舞台へ送り出すのがサングレアルだ。前走は4カ月ぶりで、かつ初の東京遠征と決して楽な条件ではなかったが後方待機から直線でゴーサインを出されるとメンバー最速の末脚を繰り出し、2着馬をゴール前できっちりアタマ差差し切ってみせた。これも“着差以上の強さ”だったと言ってよく、器は相当大きそう。ここまで3戦したのみだがキャリア不足と言うより、伸びシロがまだ大きい、と捉えたほうがいいだろう。東京経験があるのは大きなアドバンテージ。中間は若さを見せながらもしっかりと負荷を掛けられており、前走を叩かれての上積みは見込める。半姉はオークス勝ち、ジャパンCで1位入線2回(1着&降着で2着)のブエナビスタ。父も2010年オークス馬サンテミリオンを送り出したゼンノロブロイで、血統背景で言えばハープスターをはるかにしのぐ魅力の持ち主だ。ちなみに松田博厩舎からは桜花賞5着のレーヴデトワールもスタンバイ。抽選を通過すれば3頭出しとなる。

ヌーヴォレコルトは休み明けのチューリップ賞で2着。そこでハープスターにつけられたのは2馬身半差(0秒4)だったが、桜花賞では間にレッドリヴェールが挟まっての3着と着順こそ下がったもののクビ+3/4馬身差(0秒1)とタイム差は縮めてみせた。ペースや馬場の違いはあったにせよ、2度目の対決で差を縮めたことは素直に評価していい。ハープは続けて地元関西のレース、こちらは続けての関西遠征でもあった。今回は長距離輸送のない地元で、ハープスターを迎え撃つ立場。他の桜花賞組同様、4Fの距離延長がどうかだが父ハーツクライならむしろ歓迎だろう。1週前追いでは実戦さながらのハード調教を消化し、これで一気に良くなってくるだろう。

フラワーC勝ち後、桜花賞ではなく皐月賞に挑んだバウンスシャッセ。11着に終わったが、例年にない高いレベルの一戦で0秒7差と収穫の大きな一戦だったと言える。追ってバテないタイプで距離延長はドンと来いといったところだし、牝馬同士に戻れば互角以上の走りができるはず。前走時が格別の仕上がりだっただけに、上積みは強調できないがこの中間も入念に坂路調教を消化しており、いい意味で平行線にあると見ていいだろう。

阪神JFでは1着レッドリヴェール、2着ハープスターにハナ+クビ差の3着と肉薄したフォーエバーモア。明けて臨んだクイーンCでは快勝を収め、前走桜花賞では3番人気に推された。しかし0秒6差の8着と案外な走りに。道中ゴチャつき、接触などもあって折り合いを欠いた面が大きく、敗因は明確だ。スムーズなら巻き返しの可能性は十分にある。中間の時計は平凡だが、テンションを上げないことを主眼に追われてのもので気配は悪くない。いい状態を堅持。

フラワーCで2着(同着)し、桜花賞進出に足る賞金がありながら敢えてパスしたパシフィックギャル。なにかしらの頓挫があったわけではなく、オークス重視の回避は当初の予定通りで厩舎への帰厩後の調整も至極順調に来ている。この馬の長所は素直さ、おとなしさで胴長の体型ということも併せて考えると、この距離でこそ真価を発揮しそう。

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