【日本ダービー】イスラボニータ　得意の府中で2冠目獲りなるか

6月1日、東京競馬場では競馬の祭典、日本ダービー（GI、芝2400m）が行われる。1強ムードだったオークスからうって変わって、群雄割拠でどの馬にもチャンスがありそう。皐月賞組と新規参入組との戦力比較、見極めが馬券的中のカギとなりそう。

初の中山が懸念視されたぶん、2番人気で皐月賞本番を迎えたイスラボニータ。しかし攻めで軽快な動きを見せていたのと同様、実際のレースでも右回りをなんなくこなし早めの抜け出しからまず1冠目を手中に収めてみせた。東京スポーツ2歳S勝ち、そして共同通信杯勝ちがある府中なら中山よりレースがしやすいはずだし、同世代の牡馬にはまだ先着を許していない。2冠目を獲る資格は十二分。1週前追い切りは3頭併せだったが、手応えたっぷりのまま抜き去りにかかる時の切れ味は格別なもので、前走時以上の状態にありそう。距離に限界があると言われるフジキセキ産駒だが、このデキなら。

ワンアンドオンリーは前走皐月賞で1枠1番。密集馬群を避け、後方から大外を廻って押し上げていったようにロスの大きな競馬で0秒3差の4着だった。上がり3Fはイスラボニータを0秒3しのぐメンバー最速の34秒3だっただけに、直線の長い東京なら逆転が十分にありそう。父は先週のオークスで勝利したヌーヴォレコルトと同じハーツクライで、血の勢いも無視できないところだ。中間は栗東坂路で入念に乗り込まれて追走先着を連発。前走時が絶頂のデキと思われたが、変わりなく極めて高いレベルで好調を維持できている。

好メンバーの弥生賞を勝利し、皐月賞では1番人気に推されたのがトゥザワールドだ。道中3番手の好位追走という正攻法から押し切りを図ったが、イスラボニータの切れ味に屈して2着。しかし先行しての崩れなさは証明できた一戦で、母がトゥザヴィクトリー（オークス2着、エリザベス女王杯勝ち）なら距離延長は歓迎のクチだろう。今週末からCコース使用で、前が止まらない馬場となりそうなのも好材料になる。栗東ウッドでの1週前追いでは、兄トゥザグローリーに対して追走先着。川田騎手が騎乗し、しっかり負荷をかけてのもので前走時から上昇していると見て良さそう。イスラボニータへ雪辱なるか。川田騎手にとってはオークス惜敗の憂さを晴らすチャンスでもある。

非皐月賞組のなかでも特に異色のチャレンジャーが牝馬レッドリヴェールだ。阪神JFでは断然人気のハープスターを封じ、再度ハープスターと相見えた前走桜花賞では先着を許したが、安定感ある末脚と抜群の勝負根性で僅差での2着を確保した。皐月賞組と違い、一気に4Fの距離延長となるがタフな馬場だった札幌2歳Sで牡馬を制して勝利しているように、底力勝負となるのは歓迎。斤量差も加味すれば、牡馬勢と互角の争いがあってもまったく驚けないし、陣営も“参戦することに意義あり”でとどまる構えではないだろう。中間は古馬オープンを圧倒。前走が久々だっただけに、デキに関しては上積みを見込んで良さそうだ。

格上挑戦だった青葉賞で見事な差し切り勝ちを収め、ダービー切符を手にしたのがショウナンラグーン。不動のパートナー吉田豊騎手が一戦ごとに末脚の使いどころを教え込んできた印象があり、それが前走で結実したようだ。決して追い込み馬向きの流れでなかっただけに、10番人気での勝利と言えど一概にフロック視するのは禁物だろう。中間は美浦ウッドで長めから攻められる調整が中心。レース間隔が詰まっており上積みこそ強調しづらいが、追われて重苦しさはなくいい状態を維持できているだろう。

京都コースオンリーだったとは言え無敗の3連勝で来ており、皐月賞では3番人気に推されたトーセンスターダム。しかし間隔があいており、仕上がりは途上、プラス不得手な荒れた中山馬場では11着に終わるのも止む無しだったか。もとより“ダービー向き”と陣営が評していた馬。前走の大敗は度外視できる。栗東ウッドでの1週前追いでは武豊騎手が手綱を握り、格下馬を追走。ゴーサインにややもたつく面もあったが、ギアが入ってからは豪快な伸びを見せた。トビの大きさはいかにも大箱向きを思わせるし、ここでしっかり追ったことでグンと良化を果たしそうな雰囲気だ。

皐月賞では大外枠。鞍上はかえって腹をくくれたか、果敢な逃げ戦法が奏功して3着に入ったのがウインフルブルーム。府中でまったくの再現は望むべくもないが、ハナを切れなくても渋太いタイプ。立ち回りのセンスは強調でき、余程の乱ペースとならなければ2400mでも見せ場以上は作ってくれるのではないか。中間はテンションを上げないよう静に徹した調整が続いているが、落ち着きがあるのは好印象。

東京2300mの条件戦勝ち後、連勝で京都新聞杯を制しダービー行き最終便に乗り込んだハギノハイブリッド。中2週続きで東京→京都→東京という強行軍になるが、1週前追いでは終いに負荷を掛けられしっかり伸びたように目立った疲れは感じられない。大トビでいかにも東京向きなタイプ。伏兵以上の扱いが必要かも。

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