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【ドバイワールドCデー展望】(ドバイワールドC)チュウワウィザード、昨年2着の雪辱なるか/(ドバイゴールデンシャヒーン)レッドルゼルとチェーンオブラブが世界の快速馬に挑む
日本時間3月26日の夜、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイのメイダン競馬場でドバイワールドCデーが開催される。今年は8つのレースに総勢22頭の日本馬が挑戦することとなった。そのうち、ドバイワールドC、ドバイシーマクラシック、ドバイターフ、ドバイゴールデンシャヒーンの4レースにおいてJRAによる海外馬券発売が実施される。
この記事では海外馬券発売が実施される4レースのうち、ダートのドバイワールドC、ドバイゴールデンシャヒーンに出走を予定している有力馬についてご紹介する。
■ドバイワールドC(GI、ダ2000m)/発走時刻:3月27日午前1時30分(日本時間)
断然の人気に推されそうなのが、ライフイズグッド(牡4、米・T.プレッチャー)だ。前走の米GIペガサスワールドCでは、逃げ切りで2021年BCクラシック覇者のニックスゴーを退け、3連勝を達成。世代交代を証明した。今回は初の2000mとなるが、逃げ、先行馬が強いレースでもあり、あっさり4連勝を達成する可能性は大いにある。ダート大国アメリカが誇る最強馬の走りに要注目だ。
ホットロッドチャーリー(牡4、米・D.オニール)は、前走メイダンのGIIアルマクトゥームチャレンジラウンド2を制しており、1度ドバイを経験している点はアドバンテージと言えるだろう。また、2000mのケンタッキーダービーで3着、2400mのベルモントステークスで2着と中長距離実績がある点も心強く、逆転の目は十分ある。
ミッドナイトバーボン(牡4、米・S.アスムッセン)は、前走・サウジCで3着からの参戦。去年のプリークネスSやトラヴァーズSなどで2着に入るなど、GI勝利まであと一歩のところまできている。能力は上位でここでも堅実に走ってきそう。
カントリーグラマー(牡5、米・B.バファート)は、昨年5月のハリウッドゴールドCでは直線でロイヤルシップにいったん交わされたが、差し返す勝負根性を見せ勝利。その後、サウジCでは地元のエンブレムロードに差し切られ2着に負けてしまったが、約9カ月という長期休養明けの分もあったことを考慮すると、ここはしっかり状態を上げてきているはずだ。
日本馬で唯一の出走、去年の2着馬チュウワウィザード(牡7、栗東・大久保)がリベンジを果たすべく順調に駒を進めてきた。ここまでGI/JpnI4勝の実績を誇り、大舞台で力を発揮できるタイプの同馬。去年はサウジC9着からのローテであったが、今年は川崎記念で4馬身差の快勝を果たした勢いに乗って挑めることもあり、2011年ヴィクトワールピサ以来の大金星を期待したい。
ほか、同舞台の前哨戦・アルマクトゥームチャレンジラウンド3を制してここに臨むハイポセティカル(牡5、UAE・S.ビン・ガデイヤー)、母父に芝マイルG1勝ちのあるドバウィの血を持ち、スピード勝負で台頭しそうな血統背景を持つリアルワールド(牡5、UAE・S.ビン・スルール)らも不気味な存在だ。
■ドバイゴールデンシャヒーン(GI、ダ1200m)/発走時刻:3月26日午後11時45分(日本時間)
これまでにドバイゴールデンシャヒーンを制した日本馬はゼロ。日本馬の最高着順は2019年マテラスカイと2021年レッドルゼルの2着となっているが、先日のリヤドダートスプリントではダンシングプリンスが逃げて圧勝、日本調教馬による同レース連覇の偉業を成し遂げた。また、昨年の当レースで3番人気の支持を得ていたグッドエフォートを5馬身以上突き放すその競馬内容は日本馬にとっても昨年以上に価値があるものだった。
しかしダンシングプリンスはここに出走せず、さらに有力視されていたコパノキッキングは2週前追い切り後に右前脚の種子骨骨折が判明し回避することに。
混戦模様の一戦で注目を浴びているのが、昨年のリベンジを目論むレッドルゼル(牡6、栗東・安田隆)だ。昨年は最低人気のゼンデンが1分09秒01のトラックレコードで逃げ切る展開のなか、最後方から追い込んで2着に好走。初の海外競馬だったことに加え、高速決着にいきなり対応したことが、出走馬中3位タイの113という今回のレーティングに表れているのだろう。
前走のフェブラリーSは1番人気に推されるものの6着と人気を裏切ってしまったが、JBCスプリントからの直行ローテというなかで結果的に調教が1、2本足りなかった感も。陣営としては昨年2着のリベンジに矛先が向いていたのかもしれない。
展開的にもワンダーホウェアクレイグイズ(セ5、米・B.ラッセル)、ドクターシーヴェル(牡4、米・M.グラット)、ドレインザクロック(牡4、米・S.ジョセフJr.)のUSA勢がハナを主張し、先行争いは激しくなりそう。もともとハイペースを好む馬なだけに、超ハイペースが見込まれる今回は昨年以上の結果が期待できる。
さらに日本からはチェーンオブラブ(牝5、美浦・小笠)も参戦。3歳時には桜花賞(11着)、オークス(6着)にも駒を進め、芝で実績を積んできた牝馬だったが、紫苑S以降は思うような結果が出せず3走前からダートへ転向した。初ダートのアクアラインSを外めから一気の末脚で差し切り、いきなりダート適性の高さを証明すると、続くOP特別・ジャニュアリーSでも3着と好走。
この結果を受けて、陣営は次走にリヤドダートスプリントを選択。初の海外遠征、初ダート重賞といった「初物尽くし」のなか、後方から前を行くダンシングプリンスを目標に追い込み3着と結果を残した。これまでダートは国内外含め【1.0.2.0】と底を見せておらず、どのポジションでも堅実に末脚を使えることは評価すべきだろう。
一方でスピード自慢が揃うGIということもあり、今年のドバイゴールデンシャヒーンも1分09秒台前半の高速決着が想定される。これまでのダ1200mベストタイムが1分10秒4のチェーンオブラブにとっては時計の短縮が課題となりそうだ。
対する海外勢だが、やはり注目はUSA勢の3頭。ドクターシーヴェル(牡4、米・M.グラット)は1200m戦において【4.1.0.0】と崩れておらず、2走前のBCスプリントでもハナ差の2着に好走しているように米ダートのスプリント界において大将格を担う存在だ。
前走のマリブS(ダ1400m)では勝ち馬に3秒3差をつけられる大差負けで初の馬券外に沈んだが、4角過ぎにバタッと脚が止まってしまい鞍上が追うのをやめていたことを踏まえると結果的に距離が長かったのだろう。また、レース前に熱発した影響もあったようだ。
戦歴を重ねるごとにゲートの出が悪くなっていることに一抹の不安は感じるが、どこからでも自在に脚を使えるタイプで、1分08秒4というメンバー最上位の時計を持っていることも強み。米国での最終追い切りの動きを見る限り、コンディションも心配無用。伸び盛りの明け4歳馬なだけに、巻き返す可能性は十分だ。
それに続くのがワンダーホウェアクレイグイズ(セ5、米・B.ラッセル)、ドレインザクロック(牡4、米・S.ジョセフJr.)の2頭。なかでもワンダーホウェアクレイグイズはゲートとテンに行く脚がともに速く、4角で先頭に立った近5走で4勝2着1回と優秀な成績を収めている。今回背負う57キロも前走で克服しているだけに、斤量負けの傾向がある後者よりも分がありそう。
地元勢では、前哨戦であるGIIIマハブアルシマールの勝ち馬イースターンワールド(セ5、UAE・A.ビン・ハルマシュ)が有力。半兄にはドバイワールドC連覇のサンダースノーがいる良血馬だが、2020年秋に去勢されると、2021年に現在の厩舎へ転厩しダートへ路線変更。その後しばらくはマイルを主戦場としていたが、距離短縮となった前走で大きな変わり身をみせた。昨年のドバイゴールデンシャヒーンで3着に好走したキャンヴァストらも参戦していたなかでの勝利だっただけに即通用の可能性も。
ほかに面白そうなのは、前述のGIIIマハブアルシマールで2着に好走したマンジェール(セ6、仏・C.フェイ)だろう。これまでマイル前後の芝レースを使われていたが前走で初めてダート戦を使われ、逃げて2着を確保した。コーナーでの加速が非常に速く、番手で競馬が出来れば一角崩しまでありそう。これまでこのレースで馬券に絡んだことがないフランス勢だが、前走の内容からもヒモには押さえておきたい1頭だ。
(Text:Nakai/Nishidate)
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