【キーンランドC】昨年覇者ローブティサージュ　大敗前走からの大逆襲に期待

8月30日、札幌競馬場でサマースプリントシリーズの第5戦・キーンランドC（GIII、芝1200m）が行われる。

ローブティサージュは昨年の覇者。函館での新馬戦快勝、昨年の函館SSでは上がり最速の末脚でクビ差2着があり、洋芝戦は得意中の得意と言って差し支えないだろう。ゆえに前走、今年の函館SSでブービー15着に終わってしまったのが案外だが、直線で前がずらりと壁になる大きな不利。最後までまったく追ったところがなく、参考外としていい。短期放牧を挟んで函館に帰ってきており、8月23日にウッドコースで追われたのが中間の初時計。時計は平凡だが活気があり、脚捌きは軽快そのもので放牧先でも緩めず調整されたようだ。今週のひと追いでほぼ仕上がってくるはず。前走からの大逆襲に期待できそう。

1000万、準オープンと連勝で来ていたティーハーフは、勢いそのままに前走の函館SSで重賞初制覇。それも小回り函館で、最後方から豪快に伸び2着に2馬身以上の差をつける圧巻のパフォーマンスだった。朝日杯FSで上がり最速の脚を繰り出しての5着や、オープン特別葵S勝ちなど早くから素質の片鱗は見せていたが5歳の夏、いよいよ本格化を果たしたようだ。中間は短期放牧でリフレッシュを図り、函館再入厩後は順調にメニューを消化。馬なりオンリーでまだ良化の余地はありそうだが、馬体はすっきり見せている。ウッドでの1週前追いも馬なりだったが、ここで軽快に好時計をマーク。ひとまずは自分の力を出せる態勢にあるだろう。重賞連勝を果たすようなら、秋の大舞台も見えてくる。

昨年このレースで2着だったのはレッドオーヴァル。前走はレコード決着だったオープン特別・UHB賞で3着で、2走前のCBC賞惨敗から、大きくパフォーマンスを上げている。3カ月半ぶりだったCBC賞を叩かれての上昇もあっただろうが、やはり洋芝との抜群の相性がもたらした結果と見ていいだろう。流れひとつで昨年以上の結果があっていい。しかし前走の反動が案外大きかったようで札幌芝コースでの1週前追いは終いにほんの少しだけ伸ばす程度のメニューに留まった。最終追い切りでどこまで動けるかに注目。

昨年9月の準オープンを10番人気ながら逃げ切って制したルチャドルアスール。展開に恵まれての勝利であり、オープン昇級後は苦戦を強いられる…との見方もあったが、昇級初戦となった10月の福島民友Cでさっそく2着に入るなど、ここまでオープン級で6回走って2着が3回としっかり通用の走りを見せている。今回はキャリア初の重賞挑戦。相手は格段に強化、別定戦で斤量は2キロ増と楽ではない条件が並ぶが、確固たる逃げ馬はこのルチャドルアスールだけだ。洋芝で走れることは前走で証明できているし、スイスイと逃げ粘っての残り目は十分にありそう。中間の攻め気配も上々だ。

昨年の3着馬マジンプロスパーは、前走函館SSが高松宮記念以来3カ月弱ぶりのレース。良化途上で、やや仕上がりに不安があるなかでの出走だったが、0秒5差の6着に入ってみせた。8歳にして地力に衰えナシ、と見ていいだろう。中間は時計こそ平凡だが充実の稽古を消化しており上積みは大きそう。

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