【菊花賞】リアルスティール　ラスト1冠獲りへ臨む

10月25日、京都競馬場で牡馬クラシックの最終戦・菊花賞（GI、芝3000m）が行われる。

皐月賞では2着、日本ダービーはレース中の骨折がありながら4着と健闘したのがリアルスティールだ。負傷がなく順調ならば凱旋門賞へ翔ぶ青写真もあったが、今年は国内に専念。春の2冠ドゥラメンテ不在のここでラスト1冠獲りへ臨む。前走神戸新聞杯が不覚と言えば不覚だが、“ど”スローのなかマイペースで逃げた勝ち馬をメンバー最速の脚で追い詰めた。始動戦としては上々の滑り出しだったと言っていい。指揮官・矢作師も「許容範囲の敗北」と前向きだ。中間は折り合い重視で終いを伸ばす稽古を順調に消化。リラックスして終始楽な手応えながら好タイムを叩き出せており、やや手緩い仕上げだった前走時に比べると格段にいい状態だろう。

リアルスティールの猛追を寄せ付けず、神戸新聞杯を逃げ切って快勝したのがリアファルだ。デビュー当初はダート路線で使われてきた馬だが、これで芝では無敗の2戦2勝となった。かなりタフな馬場だった2走前の中京条件戦勝ち、そして抜群の折り合いから道中スローに落とし直線で更にひと伸びした前走。スタミナには絶対的なものがありそうだ。馬なりでオープン馬をアオるなど中間には上々の動きを見せており、好調をキープ。あとは同型との兼ね合いがどうかだけだろう。

母の父はサクラバクシンオー。よって距離に限界はありそうなキタサンブラックだが、2200mのセントライト記念で逃げ切り勝ちを収めた。仕上がりも良かったが、崩れた日本ダービー時から精神面がしっかり強化されたのが良かったようだ。1週前追いは北村宏騎手を背に、ウッドでジョーアラタ（古馬500万）と併せ馬。相手を2馬身ほど追走する形から、直線で外に併せて仕掛けられると抜群の反応を示し、余力十分に鋭い伸び脚を見せて併入した。大型馬らしく、ひと叩きされた効果は絶大といった雰囲気。血の限界を越える走りを見せることができるか。

日本ダービーで2着のサトノラーゼンは、始動戦セントライト記念が7着と案外。しかし、敢えて課題の折り合いを教え込んだというフシはあり、2戦2勝と得意中の得意とする京都コースでの逆襲があってなんら驚けない。1週前は併せた相手に見劣ったが、その相手が稽古で走るオープン馬サトノアラジンなら致し方なし。あとひと追いあえばきっちり仕上がってきそうだ。

スティーグリッツは前走1000万特別の九十九里浜特別を勝利。壁がない外め追走でも折り合えていたのと、最後の追い比べで古馬に屈しなかったあたりが評価され、惑星として急浮上してきた存在だ。2カ月ぶりだった前走を叩かれ、気配は順当に上昇。1週前追いでは栗東ウッド6Fを80秒フラットというかなりの好タイムを出せており、一線級と互角にやれそうな態勢は整いつつある。

皐月賞で12着に終わったベルーフはその後ダービーを自重し、じっくり立て直し。復帰戦の小倉記念はまだ仕上がり途上に思えたが、そこで鋭い脚を繰り出し2着と力の一端を見せた。前走セントライト記念は5着だったが直線で狭くなる不利があってのもので、力は上位入線組に見劣らない。8月、9月と適度に間隔を置いて使われており疲れはなく、高いレベルで好調。

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