【マイルCS】イスラボニータ　いい状態で臨めそう

11月22日、京都競馬場ではマイルCS（GI、芝1600m）が行われる。

昨年の皐月賞馬イスラボニータ（牡4、美浦・栗田博）は、本来ならば春の安田記念へ出走する予定だったが、順調さを欠き回避。立て直されたこの秋は休み明けの毎日王冠で3着、不利な外め16番枠のスタートだった天皇賞・秋で3着と性能の高さに揺ぎが無いところをアピールしてみせた。改めてマイルへ矛先を向ける今回、2つ目のビッグタイトル獲得なるか。中2週での関西遠征は決して楽な臨戦過程ではないが、11月13日に美浦ウッドで5F71秒台の時計を出したように、前走時より強めの調教を積んでいる。動きは実にスムーズで、落ち着きも十分。秋2戦で好走した疲れは感じられず、いい状態でレースに臨めそうだ。あとは京都の高速馬場、上がりの速い決着に対応できるかがカギ。

1000万条件戦を皮切りに、4連勝で今年の安田記念を制したのがモーリス（牡4、美浦・堀）だ。本格化著しく、安田記念では課題だった出遅れ癖も見せなかった。マイル路線の中心となるべき1頭だろう。順調に来れば今回、断然の主役だったはずだが秋の始動戦に予定していた毎日王冠を背中の張りで回避し、結局ぶっつけとなる誤算が生じてしまった。中間はケアを施されながらの調整で、攻めは馬なりオンリー。しっかり負荷を掛けることができていないあたり、やはり一抹の懸念は拭えない。張りに関してはある程度解消したようで動きに素軽さは戻っているが、今週どこまで動けるかに注目したいところだ。

桜花賞馬レッツゴードンキ（牝3、栗東・梅田）は前走秋華賞で17着。豊かなスピードと“暴走”が紙一重で、脆いときは前走のような大敗もあるが、自分のペースで行ければとにかく渋太い。実際マイルのGIを勝っているように、気性的にはこれぐらいの距離がベストだろうし今週から京都芝はCコースで先行馬にとっては有利な状況。古馬との対戦はこれが初となるが、一発の可能性を十分に秘めているだろう。2週前追いで栗東坂路4F52秒5、1週前追いでは同じく51秒4と、中間は馬なりで好時計を連発。GIを走ったダメージは少なく、高いレベルでの好調維持と見ていいだろう。

NHKマイルCで2着だったアルビアーノ（牝3、美浦・木村）は、この秋初戦の京成杯AHが7着と案外な走りだった。しかし早めに先頭へ押し出される不利があったもので、情状酌量の余地は十分。続く前走スワンSでは中団から脚を伸ばし、古馬を相手に勝利とさっそく逆襲してみせた。初となる関西遠征、そして構える競馬で結果を残した点も収穫は大で、更に相手が強くなるここでも勝ち負け可能だろう。前走後は栗東滞在で調整。すぐに環境に対応できたようで、坂路で速い時計を2本マークするなど順調そのものだ。

昨年このレースでハナ差の2着だったのがフィエロ（牡6、栗東・藤原英）だ。前走、前哨戦のスワンSは2着という結果だったが5カ月ぶりで仕上がりもひと息だったことを考えれば上々の内容。中間の速い時計は栗東坂路での1本のみだが、4F53秒8-1F12秒6（馬なり）という数字以上に切れのある動きを見せ、上積みの大きさをアピールしている。京都芝ではここまで【1.4.2.0】と崩れておらず、2週連続の“GI勝ちで重賞初制覇”というシーンがあっても。

サトノアラジン（牡4、栗東・池江）は、過去重賞で7回走り【0.2.2.3】で掲示板外は菊花賞での6着のみ。勝ち味に遅い感はあるにせよ、中距離戦ならば巧みな立ち回りと鋭い切れから確実に上位へ食い込んでくる。この馬も“GI勝ちで重賞初制覇”の可能性十分。中間の時計は平凡だが、折り合いに専念した調整過程でのもの。動きは素軽さにあふれており、前走時から一定の上積みはありそうだ。

昨年8番人気という低評価を覆し、このレースを制したのはダノンシャーク（牡7、栗東・大久保）だ。この秋の始動戦毎日王冠は4着に終わったが、エイシンヒカリが逃げ切るスローの流れを外から追い込んだもの。それで0秒3差なら力はしっかりキープできていると見ていいだろう。前走がある程度の仕上げだっただけに反動が懸念されるところだったが、この中間しっかり負荷を掛けることができており攻め気配は抜群と言える。上積みは大きく見込め、流れひとつで連覇も。

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