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【重賞完全攻略データ】マイルCS(GI)を徹底分析!
短距離型、中距離型、純粋マイラーなど、さまざまなタイプが参戦するのがマイルGI。近年はマイル戦で絶対的な存在も見当たらず、混戦化に拍車がかかり、マイルCSの馬券も非常に難解になっている。そこで過去10年のデータをヒントに、狙いどころを探っていこうと思う。
まずはステップから見ていきたい。過去10年で連対馬を出しているステップは以下の通り(成績順)。
■前走別成績
天皇賞・秋 【5.1.0.16】/勝率22.7% 連対率27.3% 複勝率27.3%
富士S 【2.2.1.44】/勝率4.1% 連対率8.2% 複勝率10.2%
スワンS 【1.4.2.34】/勝率2.4% 連対率12.2% 複勝率17.1%
京都大賞典 【1.0.0.1】/勝率50.0% 連対率50.0% 複勝率50.0%
府中牝馬S 【1.0.1.7】/勝率11.1% 連対率11.1% 複勝率22.2%
毎日王冠 【0.2.1.9】/勝率0.0% 連対率16.7% 複勝率25.0%
スプリンターズS【0.1.1.7】/勝率0.0% 連対率11.1% 複勝率22.2%
ちなみに3着までに入ったステップも簡単に記しておくと、サンチャリオットS(海外GI)【0.0.2.1】、秋華賞【0.0.1.5】、清水S(1600万)【0.0.1.0】。こうして見ても、さすがにステップレースはバリエーションに富むが、さらに距離も1200?2400mと幅が広い。とはいえ、「短距離?マイル路線」「中距離路線」というくくりで比較すると、信頼度は中距離路線の方が上。距離を短縮してきた馬の方が有利というデータが出ている。とくに出走数と成績の比較からもっとも注目すべきステップが天皇賞・秋。そこで同組で好走した馬のデータをご覧いただきたい。
■天皇賞・秋組好走馬の人気+着順
※秋天=天皇賞・秋
2005年ハットトリック /秋天11人気7着→マイルCS3人気1着
2006年ダイワメジャー /秋天4人気1着→マイルCS 1人気1着
2006年ダンスインザムード/秋天5人気6着→マイルCS 3人気2着
2007年ダイワメジャー /秋天3人気9着→マイルCS 1人気1着
2009年カンパニー /秋天5人気1着→マイルCS 1人気1着
2014年サダムパテック /秋天10人気8着→マイルCS 4人気1着
好走馬すべてにいえるのは「天皇賞・秋で人気の有無にかかわらず1ケタ着順」→「マイルCSで4人気以内に支持される」こと。つまり、このパターンにあてはまる馬は絶好の狙い目だが、もし該当馬がいなければ天皇賞・秋組は狙えないことになる。また、同じ中距離路線の毎日王冠組、府中牝馬S組についてもここで簡単に傾向を述べておくが、こちらの場合は、それぞれのレースで入着(5着)以上というのが目安だが、マイルCSでの人気は不問だ。
さて、短距離?マイル路線は中距離路線と比べて不利と先に書いた。しかし、トライアルでもある富士SとスワンSは、トータルでの信頼度こそ落ちるものの、ともに近5年で4回、3着以内馬を送り出した。出走頭数は多くても、そのうち1頭は馬券になる可能性があるので軽視は禁物である。
はじめに富士S組の好走傾向だが、ポイントになるのは人気や着順というよりも騎手だ。
■富士S組好走馬の鞍上
※(カッコ)はマイルCS着順
2009年マイネルファルケ(2着)/富士S:松岡正海→マイルCS:和田竜二
2010年ダノンヨーヨー(2着) /富士S:北村友一→マイルCS:スミヨン
2011年エイシンアポロン(1着)/富士S:田辺裕信→マイルCS:池添謙一
2013年ダノンシャーク(3着) /富士S:内田博幸→マイルCS:福永祐一
2014年ダノンシャーク(1着) /富士S:福永祐一→マイルCS:岩田康誠
以上のように好走した馬は例外なく乗り替わっている。しかもこのうち3頭は富士Sの1着馬。勝ったのに乗り替わりというパターンも決してマイナスではないのだ。一方のスワンS組は、好走傾向もさまざまで、なかなか共通点らしいものはデータから見つけづらいが、同年の重賞好走実績(スワンSを除く)がポイントになりそうだ。
■スワンS組好走馬の同年の主な重賞実績
※(カッコ)はマイルCS着順
2006年シンボリグラン(3着) /オーシャンS3着
2007年スーパーホーネット(2着)/なし
2008年ファイングレイン(3着) /高松宮記念1着
2010年エーシンフォワード(1着)/阪急杯1着、高松宮記念3着
2012年グランプリボス(2着) /安田記念2着
2013年ダイワマッジョーレ(2着)/京王杯SC1着
2014年フィエロ(2着) /マイラーズC2着
2008年以降で好走した馬は、スワンS以前に「同年の古馬混合のGII以上で連対」という実績を持っていた。要は春の実績馬がスワンSを叩いて本番、というのが好走パターンで、意外に人気薄になったりもするので妙味十分。逆にスワンSを好走したというだけの上がり馬は本番では苦しい。
ステップの次は年齢について見ていきたい。世代別の成績は、
■世代別成績
3歳馬 【0.0.2.33】/勝率0.0% 連対率0.0% 複勝率5.7%
4歳馬 【3.6.3.24】/勝率8.3% 連対率25.0% 複勝率33.3%
5歳馬 【4.4.4.42】/勝率7.4% 連対率14.8% 複勝率22.2%
6歳馬 【2.0.1.33】/勝率5.6% 連対率5.6% 複勝率8.3%
7歳以上【1.0.0.16】/勝率5.9% 連対率5.9% 複勝率5.9%
馬券の軸となるのは4、5歳馬。安定感でいえば4歳馬が上だが、どちらも3着以内が12頭と実数では互角。2014年は4歳馬が3着以内を独占(1着サダムパテック、2着グランプリボス、3着ドナウブルー)、2008年は5歳馬が3着以内を独占(1着ブルーメンブラッド、2着スーパーホーネット、3着ファイングレイン)したように、どちらかに偏ることもあるので要注意。一方、連対馬すら出せていないのが3歳馬。3着に好走したのは、GI2勝のラインクラフトと条件戦ながら3連勝の上がり馬ゴールスキーのみ。3歳馬は斤量には恵まれるものの、古馬一線級に交じっても上位に位置する格か、若駒ならではの破竹の勢いがなければ通用しない。6歳以上の高齢馬も、好走するにはGI3着以内の実績が必要。2009年のカンパニーは8歳で勝ったが、同馬はGI馬でかつ、直近3連勝の上がり馬という、格と勢いを兼ね備えた「スーパー高齢馬」だった。
最後は血統。マイルCSはペースにもよるが、良馬場なら1分31秒台後半から32秒台中盤の決着が濃厚。さらに京都の直線は平坦で軽く、切れ味のある馬に向いている。以下は種牡馬の成績(現役の産駒がいて、産駒が5回以上当レースを走ったことのある種牡馬。成績順)。
■種牡馬成績
ディープインパクト【2.1.2.13】
フジキセキ 【1.0.1.7】
ダイワメジャー 【0.1.0.4】
サクラバクシンオー【0.1.0.6】
キングカメハメハ 【0.1.0.6】
ダンスインザダーク【0.1.0.9】
アグネスタキオン 【0.0.1.7】
シングスピール 【0.0.0.5】
タニノギムレット 【0.0.0.6】
マンハッタンカフェ【0.0.0.6】
上位はほとんどSS系だが、直線が平坦で芝が軽く、瞬発力のある馬に向いたコースのため、ディープインパクト産駒やフジキセキ産駒が強い。とくにディープインパクト産駒は11年以降、毎年複数頭が参戦しており、4歳以上の初出走となった12年以降、最低1頭は必ず馬券に絡んでいる。また、ディープインパクト産駒は良馬場に限定すると【2.1.1.7】とさらに信頼度がアップ。天候次第だが、その切れ味は今年も脅威だ。
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