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【重賞完全攻略データ】ジャパンC(GI)を徹底分析!
我が国初の国際GIで、賞金も最高額のレースだが、出走する外国馬は年々小粒になる一方。もはや国際レースというよりも、東京競馬場の芝2400mという最高の舞台で、日本馬最強を決める一戦。過去10年のデータをヒントにその狙いどころを探っていこう。
能力をフルに発揮できる東京コースだけに、やはり実力馬が有利。それは人気ごとの成績にも表れている。
■人気別成績
1人気 【3.3.2.2】/勝率30.0% 連対率60.0% 複勝率80.0%
2人気 【1.2.2.5】/勝率10.0% 連対率30.0% 複勝率50.0%
3人気 【2.1.1.6】/勝率20.0% 連対率30.0% 複勝率40.0%
4人気 【2.1.0.7】/勝率20.0% 連対率30.0% 複勝率30.0%
5人気 【1.1.0.8】/勝率10.0% 連対率20.0% 複勝率20.0%
6?9人気 【1.2.3.34】/勝率2.5% 連対率5.0% 複勝率10.0%
10人気以下 【0.0.2.76】/勝率0.0% 連対率0.0% 複勝率2.6%
6人気以下はくくりを大きくしているので、数値が低くなってしまっているとはいえ、連対率や複勝率の数値は上位人気から下位人気に行くにしたがってキレイに下降している。だが何より特筆すべきは1人気の安定感だ。1人気を裏切り着外に敗れた2頭は、2011年のデインドリーム(6着)と2014年のジェンティルドンナ(4着)の2頭。外国馬と同一GI3連覇という偉業に臨んだものの、能力に若干の陰りが見えてきた馬である。能力的にも油の乗り切った日本馬が1人気なら、軸馬として大いに信頼できるはずだ。また、デインドリームが人気を裏切ったように、外国馬はもはや最初に消す対象になってしまっている。デインドリームは3歳で凱旋門賞を勝ち、上り調子で参戦したが、本番でブエナビスタに0秒5もちぎられて負けた。しかし翌年のキングジョージをぶっつけで勝ったように、実力は紛れもなく本物だった。それでも互角の勝負すらできなかったのは日本馬のレベルアップと馬場適性の問題としか考えられない。ただ、外国馬は基本的にいらないといっても、2005年のアルカセット(1着)や2006年のウィジャボード(3着)は鞍上がともにデットーリ。彼が外国馬で参戦したときだけは、ちょっと不気味な感じもするのだが…。
次はステップを見ていこう。好走馬のステップは以下の通りだ。
■ステップ別成績
天皇賞・秋 【5.6.7.45】/勝率7.9% 連対率17.5% 複勝率28.6%
凱旋門賞 【1.2.1.10】/勝率7.1% 連対率21.4% 複勝率28.6%
菊花賞 【1.1.0.10】/勝率8.3% 連対率16.7% 複勝率16.7%
秋華賞 【1.0.1.0】/勝率50.0% 連対率50.0% 複勝率100%
AR共和国杯 【1.0.0.11】/勝率8.3% 連対率8.3% 複勝率8.3%
英チャンピオンS【1.0.0.0】/勝率100% 連対率100% 複勝率100%
エリザベス女王杯【0.1.0.5】/勝率0.0% 連対率16.7% 複勝率16.7%
BCF&Mターフ 【0.0.1.1】/勝率0.0% 連対率0.0% 複勝率50.0%
主力はやはり秋天組だが、着順の上位馬が強いというわけではなく、6着馬が【2.1.0.3】と通算2勝でトップ。一方、勝ち馬は【0.2.3.2】と未勝利。ただ、複勝率は70パーセント超だから安定感はある。秋天組を総合すると、「連対するのは6着馬までで、3着に限り10着以下からの巻き返しもある」といったところか。一方、菊花賞と秋華賞をステップにした3歳馬の好走も目立っている。菊花賞組で好走した2頭はローズキングダム(1着)とドリームパスポート(2着)で、共通点は菊花賞で連対したダービー上位(3着以内)馬。秋華賞組の好走馬はジェンティルドンナ(1着)とレッドディザイア(3着)で、どちらも秋華賞馬にして牝馬クラシック全連対の強豪牝馬だった。さらに、この2頭以外にもエリザベス女王杯をステップに3歳牝馬のデニムアンドルビーが2着しているように、53キロで走れる3歳の強豪牝馬(日本馬)はかなり脅威である。
次は東京コースの重賞実績。過去の連対馬(日本馬)に絞って見てみると、
■連対馬(日本馬)の主な東京実績
※秋天=天皇賞・秋、JC=ジャパンカップ、AR杯=アルゼンチン共和国杯
2005年ハーツクライ/ダービー2着
2006年ディープインパクト/ダービー1着
ドリームパスポート/ダービー3着
2007年アドマイヤムーン/秋天3着
ポップロック/目黒記念2連覇
2008年スクリーンヒーロー/AR杯1着
ディープスカイ/ダービー1着、NHKマイルC1着、秋天3着
2009年ウオッカ/ダービー1着、秋天1着、安田記念2連覇など
オウケンブルースリ/秋天4着、JC5着
2010年ローズキングダム/ダービー2着、東スポ杯1着
ブエナビスタ/オークス1着、秋天1着、ヴィクトリアM1着
2011年ブエナビスタ/オークス1着、秋天1着、ヴィクトリアM1着
トーセンジョーダン/秋天1着、AR杯1着
2012年ジェンティルドンナ/オークス1着
オルフェーヴル/皐月賞1着、ダービー1着
2013年ジェンティルドンナ/オークス1着、JC1着
デニムアンドルビー/オークス3着、フローラS1着
2014年エピファネイア/ダービー2着
ジャスタウェイ/秋天1着、安田記念1着
連対馬は17頭で、東京の芝中距離以上の重賞連対実績を持っていなかった馬は、オウケンブルースリ1頭だけ(入着実績はあり)。連対馬の半数以上が同コース・距離のGIであるダービー、オークスの好走馬であり、さらに天皇賞・秋や安田記念といった古馬GIの好走実績を持つ馬も多い。また、GI実績はなくても、アルゼンチン共和国杯や目黒記念といったGIIの実績があればOK。つまり、東京の芝重賞(GII以上)の実績は必要不可欠なのである。
では最後に騎手のデータも付け加えておきたい。以下は勝ち星をあげている騎手のリストである。
■過去10年の勝利ジョッキーとジャパンCの成績
岩田康誠 【3.1.1.3】
武豊 【2.0.1.6】
ルメール 【1.1.0.6】
スミヨン 【1.1.0.3】
デットーリ 【1.0.1.0】
M.デムーロ【1.0.0.5】
ムーア 【1.0.0.6】
日本人騎手で勝っているのは岩田騎手と武豊騎手のみだが、この2人だけで5勝はすばらしい成績。しかし、注目すべきは外国人ジョッキーで、勝ち星のみならず、毎年最低1人は誰かしら3着以内に入る。ジャパンCでの外国馬の攻勢はすでになくなったが、外国人ジョッキーの攻勢はずっと続いているといえるだろう。
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