おしらせ
【先週のお別れ】タップザット、ネオウィズダムなど
[12月3日抹消]
タップザット(牡3、栗東・池江)
通算成績
7戦2勝(うち地方1戦0勝、海外1戦0勝)
受胎した母がアメリカから繁殖牝馬として輸入された、いわゆる持ち込み馬だ。ナスルーラの流れを汲む父Tapitは体質の弱さから自身こそGIを1勝のみに留まったが、種牡馬としては初年度からGI5勝馬スターダムバウンドを送り出すなど大活躍。2014年には北米リーディングサイアーを獲得している。日本ではフェブラリーSを勝ったテスタマッタが代表的な産駒と言えるだろう。
2013年のセレクトセール1歳馬セッションで、JRAの馬主資格を持つオーストラリアの石油王ポール・ジェフリー・ファッジ氏に8000万円で落札(名義はWaratah Thoroughbreds)されたタップザットは池江厩舎に入厩。昨年8月、札幌でデビュー戦を迎えた。マル外の大物との呼び声高かったオホーツクに1番人気は譲ったが、レースでは楽に抜け出しそのオホーツクに2馬身半差の完勝で初陣を飾っている。続く500万特別のプラタナス賞では2着馬に半馬身差まで迫られたが、左回り東京コースに戸惑ったか直線半ばまで逆手前で走っていたもの。「普通の馬ならとても勝てなかった」と、レース後鞍上福永騎手が振り返ったように、むしろ器の大きさを証明する走りで、よって続く交流GI・全日本2歳優駿では1番人気の支持を得た。実戦では好位で競馬を進めたが、川崎も左回り。コーナーワークにスムーズさを欠いた分、勝ち馬ディアドムスとの追い比べに屈し半馬身差の2着に終わっている。
明けて今年2月のヒヤシンスSでは、ドバイ行きを控えての緩い仕上げとスタートの後手もあり、ゴールデンバローズに1秒3差の6着とキャリア初の大敗。そして迎えたUAEダービーでは、鞍上J.モレイラ騎手が果敢に出していきレースの先導役を務める。先頭で直線に入り、そこから粘りたいところだったが南アフリカの怪物ムブタヒージの抜け出しにまったく抵抗できず、同馬から2秒0差の5着だった。帰国初戦のユニコーンSはゲートで後手を踏み、行きっぷりもいまひとつで13着。海外遠征後で、調整の難しさもあっただろう。立て直され、今年9月には初の芝戦となる準オープン・西宮Sに出走したが馬場はフィットせず、見せ場なしの最下位14着。その後、馬主ファッジ氏の地元オーストラリアへの移籍が発表され、12月3日付でJRAの登録抹消となっている。GI級での2着はあるものの、JRA時代は力を出し切ったとは言えないレースが続いた。新天地・豪州で、改めて本領発揮の走りを見せてくれるかに期待だ。
[12月3日抹消]
ネオウィズダム(牡5、栗東・矢作)
通算成績
19戦5勝
母ゴレラはフランス産の牝馬で、仏で3勝、米で4勝をマーク。ビヴァリーディーS(アーリントンパーク、GI、芝9.5F)など、合計で4つの重賞で勝利を挙げている。本馬はその母の3番仔にあたり、サンデーサラブレッドクラブにおいて1口150万円、総額6000万円で募集された。
初陣は2012年8月の札幌戦(芝1800m)。内田騎手を背に臨んだが、逃げたソウルファイターの逃げ切りを許し2着に惜敗する。しかし、その初戦では素質の片鱗を見せており、2戦目となった9月の未勝利戦では単勝1.6倍の支持に応えて快勝。なんなくJRAでの初白星を挙げた。4戦目の500万特別で2勝目をマークしオープン入りを果たすと、2歳冬にはGI・朝日杯FSに出走。道中は折り合いを欠きながらも勝ち馬ロゴタイプからコンマ8秒差と、一定の脚力は堅持していた。だが、あり余る前進気勢が出世を阻み、掛かりっぱなしだった次走のシンザン記念では12着に大敗。気性の成長を促すため、3歳春は全休となった。
1000万クラスへの降級を経て3歳8月にターフへ戻ってくると、復帰2戦こそ敗れたが、3戦目となった国立特別、そして準オープンの浜松Sと連勝。京都金杯、ダービー卿CT、京成杯AHと重賞3連戦では見せ場なく敗れたものの、5歳5月のフリーウェイSでは1番人気に応えて勝利を飾るなど、条件クラスでは格の違いを見せていた。しかし今秋、屈腱炎の発症が判明。8月30日キーンランドC(11着)がラストランとなってしまった。
なお、11月30日?12月6日までの登録抹消は他45頭。
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