【ファルコンS】シュウジ文句なしの舞台

3月19日、中京競馬場でファルコンS（GIII、芝1400m）が行われる。

シュウジ（牡3、栗東・須貝）は、今期初戦となるが、この中間は9日にウッドで重賞勝ち馬アルバートドック相手に長め6Fをビッシリと追われ負荷をかけられた。後肢の蹴りが強烈で、手綱が緩むとすぐさま加速する姿は相も変わらず。とても休み明けとは思えないような雰囲気にある。類稀なるスピードを武器に3連勝で小倉2歳Sを制し、続くデイリー杯2歳S・朝日杯FSでも掲示板確保と、世代トップレベルの実力を有していることは誰の目にも明らか。また、力みがちな気性で寸詰まりの体形だけに、現状では短い距離でこそ最大限のパフォーマンスが発揮されるはずだ。中京コースは2戦2勝と、願ってもない好舞台。ここは力の違いを見せ付けておきたいところだろう。

前走クロッカスSで圧巻の走りを見せたトウショウドラフタ（牡3、美浦・萱野）も注目の存在。スタートで出負けしたものの後方で脚を溜めるや、直線ではノーステッキで内から突き抜け3馬身差の圧勝劇。周囲の度肝を抜いた。とはいえ休み明けで体が少々立派に映っただけに、ひと叩きした今回、更なるパフォーマンスが期待できる。事実、2日および9日の中間稽古では僚馬相手にウッドで併せられ、大きく先行した相手を直線で楽々と捕らえると、後は差がひらく一方。ゴール前も豪快に伸びてともにラスト1F12秒前半でフィニッシュ。目を見張る伸び脚を連発し、ここ目標にビッシリと鍛え上げられている。 3連勝も望めるだけの臨戦態勢と見ていい。

資質の高さではショウナンライズ（牡3、美浦・上原）も負けてはいない。昨秋のくるみ賞ではパドック、返し馬と終始うるさい素振りを見せていたが、レースでは好位2番手追走から楽々と先頭に立ちノーステッキで後続を完封。文句なしの強さだった。前々で競馬ができて、なおかつ持続性のある末脚を引き出せるのがこの馬の特徴で、この中間は当初予定していたクロッカスSを風邪気味で出走を自重する一頓挫はあったものの、馬体の張り、毛ヅヤともに申し分なく、落ち着きも十分。間隔があいたのがむしろプラスに出た感すら受ける。中京への輸送さえうまくクリアできれば自身の力はキッチリと発揮できるはずだ。

ブレイブスマッシュ （牡3、栗東・小笠）はここ2戦ともに中山コースで完敗を喫しているが、距離がいささか長かった印象で、またカッカしやすい気性なだけに息のつけないコーナー4つの舞台では結果が出なかったのも致し方ないのかもしれない。とはいえデビュー戦がロードクエスト相手に0秒3差2着で、初勝利時は直線軽く仕掛けた程度で5馬身差の圧勝。3走前のサウジアラビアロイヤルCは一見辛勝のように見えるが、直線抜け出すと遊び遊びの走りのまま後続の追撃を封じるなど、相当な奥の深さを感じさせる1頭だ。当然コーナー2つのコースになるのはプラスに出そうで、距離も一気に短縮される今回、一変の走りが見られたとて何ら驚けないだろう。

あとは上記トウショウドラフタやショウナンライズと接戦した過去があるルグランフリソン（牡3、栗東・中竹）。レースに使われつつ、競馬に慣れて来たようで、前に馬を置いて脚を溜められるようなレースができればここでも十分勝負になりそう。またメイショウシャチ（牡3、栗東・石橋）は前走で先週のフィリーズRを勝ったソルヴェイグを撃破。いい位置で流れに乗れて終いもしっかり反応できる強みを活かせればこのメンバー相手でも太刀打ちできるはずだ。

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