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【今週の重賞】[京成杯AH]中京記念1着・ベレヌスら充実5歳勢が主力

9月11日、中山競馬場で第67回・京成杯AH(GIII、芝1600m)が開催される。

3度目の重賞挑戦となった中京記念で逃げ切り勝ちを収めたベレヌス(牡5、栗東・杉山晴)が、重賞連勝を狙う。前走はすんなりハナを奪うと、前半1000メートル59秒9の絶妙なペースを刻み、後続に脚を使わせるレースを披露。西村淳騎手と13戦もコンビを組んできた経験が存分に反映されており、この両者の深い絆は今回も大きな武器となりそうだ。また、以前はレースを使った反動や状態面の上下が激しかったが、体質強化やトモの緩さが解消されたあたりも充実ぶりを支えている。ここを勝てば逆転でのサマーマイルシリーズ覇者となる大事な一戦。開幕週だけにこの馬の逃げ脚は強力な武器となりそうで、前走の再現は十分期待できそう。

その中京記念で1番人気に支持されるも3着に敗れたファルコニア(牡5、栗東・高野)は、8度目の重賞挑戦で初制覇を狙う。3歳時にスプリングS4着、京都新聞杯3着。4歳時に1800mの春日特別、難波Sを連勝するなどしてきた馬だが、今年5歳を迎えてからはなってからは年明けの洛陽S以降、全て1600m戦で4レース続けて3着以内に好走するなど、マイラーとしての才能が開花しつつある。距離の守備範囲こそ大きく異なるものの、全兄のトーセンカンビーナが6歳時にダイヤモンドSで3着に好走しているように晩成傾向のファミリー出身。5歳にして待望のタイトル獲得なるか。

共同通信杯以来の重賞制覇を狙うダーリントンホール(牡5、美浦・木村)も上位人気に支持されそうだ。夏の函館で新馬を勝ち上がると、4戦目の共同通信杯を勝利。皐月賞でも6着に健闘するなど、早い時期から頭角を現した。しかしその後、ダービーで13着、年明けの中山金杯でも17着と一転してフタ桁着順が続く厳しい状況に。以降、ノド手術明けにマイル戦線に舞台を移すも、富士S5着、マイルCS7着と足踏みが続いていたが、3走前の洛陽Sで2着に入り復調の兆しを見せた。5歳だがキャリアは12戦と浅くまだ伸びシロがあり、近2走もダービー卿CT3着、エプソムC3着と重賞で堅実な走り。ここを勝って秋のGI戦線を賑わす存在となれるか注目だ。

ミスニューヨーク(牝5、栗東・杉山晴)は、中京記念での4着から巻き返しを期す。4走前のターコイズSでは、スタートで出遅れながらも、最後方追走で脚を溜め、直線では大外に持ち出されると、豪快な末脚を発揮し重賞初勝利。2走前のヴィクトリアマイルでは10着と崩れてしまったが、中山牝馬Sで3着と好走したようにGIIIのメンバーなら格上の1頭。ここまで脚を溜める競馬で高いパフォーマンスを発揮してきたので、開幕週の馬場がどうかだが、展開が向けば勝ち負けまでありそうだ。

この他にも、今年の中山牝馬Sを15番人気で勝利しアッと言わせたクリノプレミアム(牝5、美浦・伊藤伸)、前走の中京記念で7着も、全4勝を挙げる得意のマイルで巻き返したいシャーレイポピー(牝4、栗東・石坂)、関屋記念で2着に健闘のシュリ(牡6、栗東・池江)、3走前の京都記念で2着と好走したタガノディアマンテ(牡6、栗東・鮫島)など、サマーマイルシリーズの最終戦に個性豊かなメンバーが揃った。

(Text:Nakai)

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