おしらせ
【凱旋門賞】悲願達成へ4頭の日本調教馬が挑む 立ちはだかる外国馬も多士済済の顔ぶれ
10月2日、フランス・パリロンシャン競馬場で凱旋門賞(GI、芝2400m)が開催される。今年で101回目を数える伝統のGI。日本のホースマンそして競馬ファンにとって「凱旋門賞」というワードは特別な響きを持つ。悲願達成に向け今年は4頭の日本調教馬が挑戦する。
大将格はGI3勝のタイトルホルダー(牡4、美浦・栗田)。昨年の菊花賞で2着に5馬身差をつける圧巻の逃げ切り勝ちを演じると、今年に入ってからは日経賞→天皇賞・春→宝塚記念と3連勝。特に宝塚記念ではパンサラッサの演出したハイペースを悠々と2番手で追走し、最後は余裕の手応えで2馬身抜け出し快勝。タイムは2分9秒7のコースレコードを記録した。
無尽蔵にも思えるスタミナが武器のタイトルホルダー。欧州血統主体の配合からも馬場適性も見込めそうだ。相手は強いがチャンスは十分にあるだろう。
■2022年 宝塚記念
今年の日本ダービーを制したドウデュース(牡3、栗東・友道)も凱旋門賞へ挑戦。日本ダービー馬が3歳秋の凱旋門賞に参戦するのは2016年のマカヒキ以来のこととなる。
前哨戦のニエル賞では4着に敗れてしまったものの、「本番に向けいい試走ができた」とは陣営のコメント。着順こそ振るわなかったが手応えのある一戦だったようだ。
日頃から「武豊騎手で凱旋門賞制覇を」と公言してはばからない松島オーナーの所有馬で、もちろん鞍上は武豊騎手。夢の舞台で陣営の思いは結実するか。
■2022年 日本ダービー
2年連続の参戦となるのがディープボンド(牡5、栗東・大久保)。昨年はフォワ賞を快勝し勢いに乗っての挑戦だったが、極度に悪化した馬場で力を発揮し切れず14着敗戦。消化不良のレースに終わった。
有馬記念2着、天皇賞・春2着と悲願のGIタイトルには未だ手が届いていないものの、その実力が日本でトップクラスなのは誰もが認めるところ。父キズナも届かなかった凱旋門の頂に息子は手をかけることができるのか。この大一番で鞍上を任された川田騎手の手綱捌きとあわせて注目だ。
■2021年 フォワ賞
7歳にして国際派俳優としての地位を築いたのがステイフーリッシュ(牡7、栗東・矢作)。昨年末の香港遠征を皮切りに、サウジアラビア、ドバイ、フランスと世界各地を転戦。中東2戦では重賞連勝を飾り、世界の競馬ファンにその名をアピールした。
前哨戦に選んだドーヴィル大賞は勝ち馬との斤量差に泣き2着敗戦。しかしながら現地初戦であったことを考慮すれば決して悪い内容ではなかったはずだ。現地のブックメーカーでは日本調教馬の4番手扱いを受けているようだが、前評判を覆してアッと言わせるのがステイゴールドの血。豊富な経験を活かして大駆けを狙う。
■2022年 ドバイゴールドC
迎え撃つ外国調教馬も多士済済の顔ぶれ。参戦が噂された10戦無敗のバーイードこそ回避してしまったが、それを補って余りある豪華なメンバーが集結した。
現地で筆頭評価を受けているのがルクセンブルク(牡3、愛・A.オブライエン)だ。
2歳時から“バリードイル”(A.オブライエン厩舎の調教施設)のスター候補生として期待を集めていた同馬。2歳時にはベレスフォードS(GII)→フューチュリティトロフィー(GI)と重賞を連勝。今年初戦の英2000ギニーは3着に敗れたが、「距離が延びて良いタイプ」と英ダービーの前売り1番人気に推されていた。
しかしながら筋肉系のトラブルで大一番を回避せざるを得ず、ようやく復帰したのが今年8月のGIII。これを制すと、続けて挑んだ愛チャンピオンSでオネストやヴァデニ、ミシュリフといった実績馬を下し、一躍凱旋門賞の有力候補として名乗りを挙げた。
紆余曲折を経て辿り着いた凱旋門賞の舞台。春の大一番に挑戦できなかった悔しさをここで晴らしたい。
■2022年 愛チャンピオンS
アルピニスタ(牝5、英・M.プレスコット)はGI5連勝中と勢いに乗る5歳牝馬。英国調教馬ながら昨年はドイツを主戦場とし、ベルリン大賞、オイロパ賞、バイエルン大賞とドイツの主要GIを総なめに。今年に入ってからもフランスのサンクルー大賞、英国のヨークシャーオークスとGIを連勝している。
昨年の凱旋門賞を制したトルカータータッソにベルリン大賞で先着しており、その脚力に疑いの余地はない。1937年のコリーダ以来、史上2例目となる5歳牝馬による凱旋門賞制覇を目指す。
■2022年 ヨークシャーオークス
ヴァデニ(牡3、仏・JC.ルジェ)は仏ダービーとエクリプスSを制した今年のフランス3歳馬のトップホース。アガ・カーン殿下の所有馬で、C.スミヨン騎手、JC.ルジェ調教師というお馴染みの組み合わせだ。
前走の愛チャンピオンSでは直線で進路に苦しみ、最後はインに突っ込んで前を交わそうとするも3着まで。うまく前を捌けていれば……という内容だった。
当初は芝10F路線の大一番・英チャンピオンS参戦を示唆していたものの、ここにきて急遽凱旋門賞への参戦を表明。この陣営の判断は吉と出るか凶と出るか。
■2022年 エクリプスS
忘れてはならないのがトルカータータッソ(牡5、独・M.ヴァイス)、昨年の凱旋門賞チャンピオンだ。
その昨年は単勝110.5倍(※日本国内でのオッズ)という低評価ながら、タルナワ、ハリケーンレーンといった評判馬を下して勝利。その後もキングジョージ6世&クイーンエリザベスS2着など芝12F路線で結果を残している。
主戦のL.ピーチュレク騎手は契約の関係で同馬に騎乗することができない(※オーナーと専属契約を結ぶメンドシーノに騎乗予定)ものの、代わりに鞍上に迎えるのは前走に引き続き“世界の名手”L.デットーリ騎手。大舞台が似合う達人の華麗なステッキワークにも期待したい。
■2021年 凱旋門賞
オネスト(牡3、仏・F.シャペ)は仏ダービーでヴァデニの前に5着と敗れたものの、続くパリ大賞でGI初制覇。パリ大賞は凱旋門賞と同じくパリロンシャン競馬場の芝2400mで行われるレースであり、コース適性を既に示しているのは心強い材料だ。
またこのパリ大賞で2着だったシムカミルは、その後凱旋門賞の前哨戦であるニエル賞でドウデュースなどを下し優勝。4着のエルダーエルダロフも日本の菊花賞にあたるGI・英セントレジャーを制した。
下した相手が主要レースで活躍している事実から、オネストの評価もグングンと上昇中。自身も9月の愛チャンピオンSで、勝ったルクセンブルクから0秒1差、仏ダービーで敗れたヴァデニには先着する2着と好走。休み明けを1回使って、凱旋門賞に向けて仕上がりは順調のようだ。地元フランスでファンの期待に応えるVなるか。
■2022年 パリ大賞
このほかにも昨年のドバイシーマクラシックでクロノジェネシスやラヴズオンリーユーを下したミシュリフ(牡5、英・J&T.ゴスデン)、今年の“キングジョージ”で1番人気に支持された(結果は5着)愛ダービー馬ウエストオーバー(牡3、英・R.ベケット)、ドイツにおける前哨戦・バーデン大賞でトルカータータッソを下したメンドシーノ(牡4、独・S.シュタインベルク)など有力馬は十指に余る。
日本調教馬の悲願がついに成就するのか、それとも地元・欧州調教馬が意地を見せるのか。日本のみならず世界の競馬ファンが注目する大一番は、日本時間の10月2日23時05分に発走予定。凱旋門賞の歴史に日本調教馬が新たな歴史を刻むことを期待したい。
(Text:Hiraishi)
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