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【今週の重賞】[オールカマー]3冠牝馬デアリングタクト GIタイトル奪還に向けここから始動

■9月25日、中山競馬場で第68回・オールカマー(GII、芝2200m)が行われる。

デアリングタクト(牝5、栗東・杉山晴)は2020年秋に無敗で秋華賞を勝ち牝馬3冠を達成。しかし2021年に2戦走った後に繋靱帯炎による1年以上の長期休養を余儀なくされてしまった。2走前のヴィクトリアマイルがおよそ1年1カ月ぶりの復帰戦となり、そこでは0秒5差の6着に健闘。そして前走の宝塚記念ではゲートをアオり気味に出てしまった影響で10番手付近からの競馬となったが、4角から徐々に進出して直線は外から末脚を伸ばしディープボンドとの3着争いに競り勝った。1年以上の休養明け2戦目だったグランプリレースで早速馬券圏内に好走してみせるあたりは、さすが3冠馬といったところ。今回は意外にも自身初の中山遠征となるが、京都の内回り(2000m)で行われた秋華賞の走りをみても問題にはしなさそうだ。ここで完全復活を遂げ、秋のGIへ繋げたいところ。

テーオーロイヤル(牡4、栗東・岡田)は1勝クラス-2勝クラス-3勝クラスをノンストップで勝ち上がり、2走前のダイヤモンドSでもその勢いは止まることなく、4連勝で初の重賞タイトルを手にした。そして前走の天皇賞・春では終始勝ち馬の直後のポジションに位置取る形で直線を迎えたものの、最後は脚が上がりディープボンドに差されて3着という結果に終わっている。勝ち馬とは力の差が出てしまったが、しかし初のGI舞台だったことに加え、まだ成長途上の4歳馬という点を踏まえると、その前走は高評価すべきだろう。前走後は疲れが出ていたということで回復度合いがカギとなりそうだが、前走を経験したことで馬がひと皮剥けるようであればこのメンバーでも勝ち負けになるだろう。

ヴェルトライゼンデ(牡5、栗東・池江)は昨年1月のアメリカJCC後に屈腱炎を発症し戦線離脱。前走の鳴尾記念が約1年4カ月ぶりの実戦だったが、ジェラルディーナ、サンレイポケットらを抑え、復帰戦でいきなり勝利を挙げた。ホープフルSで2着、日本ダービーで3着と早期から活躍していた馬だが、全兄で菊花賞を制したワールドプレミアが5歳になってから天皇賞・春で2度目のGIタイトルを手にしているように、同馬も5歳になって本格化してくるはずだろう。長期休養明けだった前走を考えれば、中15週の今回のほうがいい状態で走れるだろうし、重賞連勝に向けて待ったなしといったところか。

昨年の2着馬ウインキートス(牝5、美浦・宗像)も注目の1頭。前走の目黒記念は大外枠から好スタートを切り、果敢にハナへ。1000m通過が1分02秒5と絶妙なペースで気分よく逃げれたことが功を奏し、直線半ばまで追い出しを我慢する余裕も見せながら勝ち馬のボッケリーニとの叩き合いとなった。結果的に競り負けて3着という結果だったが、自分の競馬ができれば強さを発揮できることを示せた一戦と言えた。舞台は中山に戻るが、中山芝2200mでは【1.2.0.0】と連対を外したことがない絶好の舞台。今年も上位に食い込む可能性は十分にある。

ほかにも、前走の日本海S(3勝クラス)を勝利したロバートソンキー(牡5、美浦・林)、昨年12月のチャレンジCを制したのち右後肢の骨折が判明し、今回が復帰戦となるソーヴァリアント(牡4、美浦・大竹)に加え、今回約2年半ぶりにターフに戻ってくる2020年の京成杯勝ち馬クリスタルブラック(牡5、美浦・高橋文)など、重賞やOP特別で結果を出している馬も多数参戦。秋のGIへ向けた前哨戦から目が離せない。

(Text:Nishidate)

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