【今週の重賞】[阪神JF]世界的良血ソウルスターリング　活気の良さが目立つ

■12月11日、阪神競馬場で阪神JF（GI、芝1600m）が行われる。

ソウルスターリング（牝2、美浦・藤沢和）は、母が仏オークスなどGIを6勝の女傑。そして父は14戦14勝の成績を残した“怪物”フランケルという、世界的良血馬だ。7月、札幌でのデビュー戦をなんなく勝ち上がると、3カ月ぶりだった前走アイビーSでは好位から抜群の切れ味を披露し、悠々抜け出してみせた。そこまで攻め込まれておらず、余裕を残した状態でこの内容。強い相手と揉まれていないという点は気になるが、レースセンスと瞬発力は非凡で、ここを単なる通過点にしてしまいそうな雰囲気さえ。中間は坂路とコースを併用し、入念に調整されている。1週前追いでは2頭を追い掛け、直線は内へ。相手を手応えで圧倒したまま、最後までブレることなく一直線の伸び脚を見せた。時計以上にスピード感があって、活気の良さが目立っている。上積みは大きい。

リスグラシュー（牝2、栗東・矢作）は、デビュー2戦目の未勝利戦でレコードV。前走のアルテミスSは8枠16番スタートから、壁のない外を回らされる苦しい形だったが、しっかり折り合うと直線では鋭い瞬発力を披露し勝利を収めた。まだ追われてフラつくなど荒削りな走りが目立つが、それで結果を残すあたり、素質はかなりありそう。流れひとつで勝ち負け。中間は中5週とじっくり間隔を取り、坂路で丁寧に乗り込まれている。1週前調教には戸崎騎手が騎乗し、栗東坂路で古馬準オープンを目標に併せ馬。機敏な反応から、追走先着を果たし4F51秒8-1F12秒4（強め）の好タイムをマークしている。高いレベルでの好調維持と見ていいだろう。

ジューヌエコール（牝2、栗東・安田）は新馬戦、オープン特別、そして前走のデイリー杯2歳Sとここまで無傷3連勝で来ている。道中ではそつなく立ち回れ、終いの脚もしっかり使えるあたりが持ち味。中京、阪神、京都と異なる環境でそれぞれ勝ち鞍を挙げており、GI戦でも物怖じすることはなさそうで、上位争いに加わってくるはず。中間の時計はそこまで派手ではないが、道中は折り合い抜群で終いにスパッと切れた。2カ月弱ぶりだった前走から、一定の上積みは見込んでいいだろう。

ヴゼットジョリー（牝2、栗東・中内田）は新馬戦勝ち、新潟2歳Sを制覇と夏に2連勝を果たした。新潟2歳Sで0秒5差5着だったキャスパリーグがオープン特別もみじSで2着、0秒3差4着だったアピールバイオはアルテミスSで4着。力量面には相応の評価が必要だろう。今回は3カ月半ぶりのレースになるが、11月上旬から入念に乗り込まれており、1週前には古馬500万下に追走先着を果たした。太い感じはないし、ほぼ万全に仕上がりつつある。

レーヌミノル（牝2、栗東・本田）は2戦目の小倉2歳Sを6馬身差の圧勝。ひと息入れて臨んだ京王杯2歳Sでは牡馬モンドキャンノに急襲され敗れたが、差は半馬身でレース後にすぐ息が入っていたように、初の環境で力を出し切っていなかった。さらに1F延長でどうかだが、牝馬同士なら上位争いは可能だろう。1週前追いには蛯名騎手が栗東へ駆け付け騎乗し、ウッドコースで古馬オープンと互角の走りを見せた。前走時もいい仕上がりだったが、さらに上向いている印象。

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