【今週の重賞】[共同通信杯]スワーヴリチャード　ほぼ万全の態勢　[京都記念]マカヒキ始動　[クイーンC]レーヌミノルの実績信頼

■2月12日、東京競馬場で共同通信杯（GIII、芝1800m）が行われる。

スワーヴリチャード（牡3、栗東・庄野）は、昨年11月の東京スポーツ杯2歳Sで2着。まともに出遅れながら直線では豪快な脚を使っていったんは先頭に躍り出たところを、ワンテンポ仕掛けを遅らせた勝ち馬にクビ差だけ差し込まれたもので、勝ちに等しい内容だった。同じ東京千八で、賞金上積みを目論む。3カ月ぶりになるが、昨年暮れから順調に乗り込まれており、緩んだ雰囲気は皆無。ウッドコースでの1週前追いは7Fからの時計で、古馬オープンに追走先着を果たしている。ほぼ万全の態勢。

ムーヴザワールド（牡3、栗東・石坂）は、東スポ杯でスワーヴリチャードにハナ差の3着。デビュー2戦目で、反応には鈍さを感じさせながらも上位2頭とほとんど差のない競馬をしたあたり、器は相当大きそう。先週のきさらぎ賞にも登録はあったが乗り込みを優先し、好走経験ある東京千八のこちらへ矛先。追われての反応は休む前に比べ見違えるほど鋭くなっており、大型馬ではあるがいきなり力を出してきそう。

タイセイスターリー（牡3、栗東・矢作）は、デビュー2戦目のデイリー杯2歳Sでモタれまくってしまい8着に終わったが、前走シンザン記念では進境見せて2着へ前進。それでもまだ抜け出してソラを使うなど若さを覗かせてのもので、ポテンシャルは相当高そうだ。ミッキーアイルの半弟という血統背景だが、父はマンハッタンカフェで千八も対応できるはず。中間は坂井騎手が付きっ切りで稽古に跨っており（レースはC.ルメール騎手）、楽に好タイムをマーク。前走時もいい仕上がりだったが、さらに上昇か。

エトルディーニュ（牡3、美浦・小桧山）は東京千八の500万特別セントポーリア賞で2着。勝ち切れないもどかしさは同居するものの、そつない先行策から札幌2歳Sで4着、アイビーSでは2歳女王ソウルスターリングに0秒5差3着とまさに“相手なり”の走りができる馬で、形の上では格上挑戦になるが上位争いに加わってきておかしくない。まとまった休みなく走っているが、体重を大きく減らしていないように体調の変動は少ない馬のよう。今回、中1週でも問題なく力は発揮するだろう。

■2月12日、京都競馬場で京都記念（GII、芝2200m）が行われる。

昨年の日本ダービー馬マカヒキ（牡4、栗東・友道）が、このレースから始動する。春は国内専念。大阪杯GI昇格後の初代王座戴冠を見据えており、まずはここでいい滑り出しを決めたいところだ。1月7日に栗東トレセンへ帰り、翌週からスムーズに速い時計を出し続けている。仏遠征の疲れはしっかり癒えているようだ。ウッドコースでの1週前追いは3頭併せで鋭い反応から、あっさり最先着。負けられない一戦へ、いい状態で臨めそう。

サトノクラウン（牡5、美浦・堀）は3歳時に弥生賞を快勝し、日本ダービーではドゥラメンテに0秒3の3着。4歳シーズンの昨年は2月に京都記念を制し、暮れには香港ヴァーズを勝ってGIウィナーとなっている。典型的な気分屋で成績にはムラがあるが、地力は間違いなく古馬トップクラス。香港遠征帰りだが、ここへ向けての調整は昨年以上に順調だ。心肺機能は十分に出来上がっており、1週前は終いの切れに磨きを掛けることに専念する内容をこなせた。デキに関しては文句なし。

ミッキーロケット（牡4、栗東・音無）は、昨秋の神戸新聞杯でサトノダイヤモンドにクビ差の2着。前走の日経新春杯では2キロ軽かった2着馬との追い比べをねじ伏せるように制し、重賞初勝利を果たした。古馬チャンピオンディスタンス路線、主役候補の1頭と考えていいだろう。1週前追いでは楽に好タイムを出せており、3カ月ぶりを叩かれての上積みはかなりありそうだ。

スマートレイアー（牝7、栗東・大久保）は1400m時代の阪神牝馬Sを勝ち、昨年は東京新聞杯に阪神牝馬Sとマイル重賞を2勝。今回の距離はいささか長い感もあるが、2015年にはエリザベス女王杯で0秒1差の5着に入っており、底力の高さで通用の可能性十分だ。海外遠征帰りだが、1月中旬から入念過ぎるほどに乗り込まれており目立った疲れは感じられない。いきなり力をフルに出してきそうな雰囲気。

■2月11日、東京競馬場でクイーンC（GIII、芝1600m）が行われる。

レーヌミノル（牝3、栗東・本田）は小倉2歳S勝ちがあり、京王杯2歳Sで2着、阪神JFで3着。実績で頭ひとつ抜けている。京王杯で東京遠征経験があるのも強み。仕上げはやや急ピッチな嫌いはあるものの、先週の追い切りでは栗東坂路4F52秒0-1F11秒8（一杯）という好タイムを出している。恥ずかしい競馬にはならないだろう。

フローレスマジック（牝3、美浦・木村）は、東京マイルのアルテミスSで2着。そこで半馬身先着された勝ち馬リスグラシューが続く阪神JFで2着に入っており、フローレスマジックの力も相応に評価していい。3カ月半ぶりにしては帰厩後の攻め本数がいささか寂しい感はあるが、先週古馬1000下を追って強い負荷を掛けられており気配は悪くない。今週しっかり動いてくるようなら力を出してきそうだ。

アエロリット（牝3、美浦・菊沢）は前走、3カ月ぶりだったフェアリーSで2着と好走した。そつなく先行できるセンスが光り、相手なりに走れるタイプ。東京は新馬戦で勝ち上がった舞台でもあるし、今回も上位食い込みの可能性は十分ありそう。これまで休み休みで走ってきたが、中4週と間隔を詰めて使えるのは状態良好の証だろう。

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