【今週の重賞】[函館スプリントS]セイウンコウセイ　万全の状態[ユニコーンS]リエノテソーロなど

■6月18日、函館競馬場で函館スプリントS（GIII、芝1200m）が行われる。

セイウンコウセイ（牡4、美浦・上原）は、今年1月に重賞初挑戦だったシルクロードSで2着に入ると、続く高松宮記念では2着に1馬身1/4と、スプリントGIでは圧勝と言える差を付け制覇した。勝ち上がりがダートだったようにスピードにパワーを兼備しているタイプ。高松宮記念は雨で渋った馬場がフィットした感があり、今回臨む洋芝も適性が高そうだ。Vは譲れない。3カ月ぶりになるが2週前、先週と美浦ウッドコースでしっかり負荷を掛けられ豪快な伸びを披露しており、ほぼ万全の状態にある。今週は流す程度で大丈夫だろう。

シュウジ（牡4、栗東・須貝）は、昨夏の北海道シリーズで函館スプリントSはハナ差2着、キーンランドCも2着と洋芝適性は抜群。昨年はスプリンターズSで0秒1差4着、阪神Cで優勝と力量も申し分ない。ここ2走、冴えない走りが続いているが阪急杯はイレ込み、高松宮記念は渋った馬場が不向きとそれぞれ敗因は明確だ。ひと息入っているが、滞在競馬でイレ込む不安は少なそうだし、大きく巻き返してきていい。先週は栗東坂路で好タイムをマーク。態勢は整いつつある。

エポワス（セ9、美浦・藤沢和）は、北海道での滞在競馬が得意中の得意。昨年のこのレースもメンバー2位タイの末脚を使って0秒3差の5着に食い込み、続くUHB賞では2着に入った。昨年暮れに2着、前走で勝利と間隔を取りながら、オープン特別で好走を続けており、9歳馬ながら衰えた感はない。流れひとつでV圏入りは可能だろう。早くからここへ照準を絞り、順調に気配を上げている。先週の稽古では、併せ馬で相手との差を楽に詰め久々と思わせない活気を感じさせた。さっそく力をフルに出してきそう。

キングハート（牡4、美浦・星野）は、着実に地力アップしておりオープンへの昇級初戦だった2走前で2着、そして前走の鞍馬Sでオープンでの初勝利を挙げている。北海道で走るのは初だが、平坦小回りは得意。洋芝がフィットするようなら、この相手関係でも健闘以上の走りがあって驚けない。まとまった休みなしに使われ続けているが、中間の稽古では追走先着を連発している。充実一途の感。

ブランボヌール（牝4、栗東・中竹）は、2歳時に函館2歳Sを制覇。昨年夏にはキーンランドCでシュウジらを退け勝利しており、洋芝スプリント戦は得意中の得意と言える。今期初戦だったシルクロードSでは気難しいところを出してしまったか、最後は自らやめてしまい最下位に沈んだが、立て直され得意の舞台なら一変の走りがあっていいだろう。しかし先週は一杯に追われるも伸びを欠くような場面があり、仕上がり途上といった雰囲気。今週どこまで動いてこれるかに注目したい。

このレースでは斤量有利な3歳馬が、近3年連続で馬券に絡んでいる。今年は50キロで走れるジューヌエコール（牝3、栗東・安田隆）に注目。2歳時に無傷の3連勝でデイリー杯2歳Sを制覇と素質は確か。前走の桜花賞では9着と結果が出なかったが、道中ハミを噛んでしまったように行きたがる場面があった。今回、初のスプリント戦になるが距離短縮は有利に働きそう。早めに函館入りしており、11日の日曜日にウッドで流された。軽快に動けており、ひと息入れられてのリフレッシュ効果を見込める。

■6月18日、東京競馬場でユニコーンS（GIII、ダ1600m）が行われる。

リエノテソーロ（牝3、美浦・武井）は、昨年暮れに全日本2歳優駿を3馬身差で勝ち、2歳ダート王に輝いた。今年はここまで2戦、芝に挑みアネモネSで4着、そして13番人気だったNHKマイルでは2着に入りアッと言わせたのは記憶に新しいところだ。その前走は中団外めから上がり最速の末脚を繰り出し、3着に2馬身半差を付けた堂々たる戦いぶり。力は確かで、4戦4勝のダートに戻れば負けられないところだ。GIで激走した後だが、在厩で丹念にケアされており反動どころか更に状態を上げているよう。今回初コンビとなる大野騎手が跨った1週前追いでは、稽古駆けする相手に追走先着を果たした。絶好のデキ。

アディラート（牡3、栗東・須貝）は、今年2月のヒヤシンスSで勝ち馬エピカリスに3/4馬身差の2着に入った。その後エピカリスとともにUAEダービーに臨み、そこでは最下位12着と結果が出なかったが馬場、そして1900mという距離ともに不向きで情状酌量の余地は十分。ヒヤシンスSと同じ東京1600mなら、すぐさま反撃に転じたいところだろう。海外遠征帰りで状態面が気になるところだが、5月中旬から速い時計を出し始め、2週前には自己ベストを更新する坂路時計をマーク。攻め過程は申し分ない。

サンライズソア（牡3、栗東・河内）は、昨夏芝の新馬戦でアウトライアーズ、レッドローゼスら後にオープン級で好走する面々を相手に快勝。しかしその後は新潟2歳Sで7着、デイリー杯2歳Sで9着と芝戦線で力を出せなかった。ダートを試した500万特別を勝利、そして前走オープン特別の青竜Sも勝ち、砂では目下2戦2勝。底を見せておらず、今回の相手関係でも上位争いがあっていい。

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