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【今週の重賞】[東京スポーツ杯2歳S]クラシックを占う登竜門 ダノンザタイガーがタイトル狙う

■11月19日、東京競馬場で第27回・東京スポーツ杯2歳S(GII、芝1800m)が行われる。

もっとも注目を集めそうなのはダノンザタイガー(牡2、美浦・国枝)。セレクトセールで約3億円で落札された高額馬だ。6月の東京でデビュー戦を迎え、1番人気に支持されるもスタートで後手を踏み2着という結果だったが、前・内有利のなかで1頭だけ豪快に追い込む競馬。上がり最速の33秒5をマークし、ポテンシャルの高さを示した。次走の未勝利戦ではスタートが改善され、流れに乗って差し切り勝ち。未勝利戦では力が違っていた。これまで2戦はいずれも上がり33秒台の切れる脚を披露しており、舞台適性は高そうだ。中間は意欲的に併せ馬を消化し、1週前追い切りではCW5F65秒6-1F11秒4と、ゴール前に仕掛けられてからの鋭さには目を見張る内容。これからの馬で将来が期待されるだけあって、登竜門と言える当レースは必勝態勢だろう。2023年クラシック候補へ名乗りを挙げる一戦にしたい。

単勝オッズ1.9倍の1番人気に推された荻Sで、まさかの6着と敗戦を喫したタイセイクラージュ(牡2、栗東・矢作)は巻き返しに燃える。新馬戦は外先行から直線早めに抜け出して後続を千切る快勝ぶり。この時の勝ちタイム1分47秒0は、東京芝1800mの2歳新馬戦史上最速の時計だ。次走の萩Sでは7頭立ての6番手から進み、勝負所では外々を回る競馬。上がり2位タイで33秒9の末脚を使ったが先行勢を捕らえることができなかった。テンションが上がり出遅れたことや、折り合いに怪しい部分があり課題の残る一戦だったが、結果が出ている舞台に戻って初戦のように気持ちよく走れれば好勝負も可能。

フェイト(牡2、栗東・矢作)は藤田晋オーナー所有のリアルスティール産駒。8月の新潟でデビューを迎え、福永騎手が行きたがるのをなだめながら中団を追走。満を持して直線を迎えると、持ったままで先頭を捕え、軽く仕掛けられて後続を離してからはゴールまで馬なり。結局、2着に5馬身差をつける楽勝だった。いとこにはここまで重賞4勝のサリオス、エリザベス女王杯や有馬記念で2着したサラキア、クラシック未出走も将来有望視される現3歳世代のサリエラがおり、近親にはNHKマイルC勝ちのシュネルマイスターがいる超良血馬なだけに期待も大きい。リアルスティールの産駒は先週デイリー杯2歳Sでオールパルフェが重賞初勝利を飾っている。産駒2週連続重賞Vなるか。

ハーツコンチェルト(牡2、美浦・武井)も新馬戦の勝ちっぷりは優秀だ。出たなりでスタートを切ると、リズム重視で中団後方から追走し道中でポジションを上げる競馬。直線を向いてからも手応えに余裕を見せ、仕掛けられてからは機敏に反応して一瞬で後続を離し、馬なりで8馬身差をつけてゴールした。レースセンス抜群で折り合い面に不安なし。素直な馬で潜在能力を存分に発揮できるだけの素質がすでに備わっている。そういった面では他の有力馬よりは優っている印象で、相手強化も問題ない。

同舞台の新馬戦に勝利して挑むのはガストリック(牡2、美浦・上原)。スタートで置いていかれたが最後方からリズムよく運び、スローペースの流れの中を1頭だけまるで違う脚で突っ込んできた。開催が進み差し勢に馬場が向いていたものの、4角で大外を回って前を捕え切る勝利は脚力の違いを示した内容だった。当レースは追い込み勢の好走も度々あるだけに侮れない1頭だ。

他にも、新馬戦で上がり33秒台の末脚を披露したテンカノギジン(牡2、美浦・手塚)や、同コースの未勝利戦で6馬身差の押し切り勝ちを飾ったシルトホルン(牡2、美浦・新開)、札幌ダートを勝ち上がって芝に戻るドゥラエレーデ(牡2、栗東・池添学)などがスタンバイ。
これまでコントレイル、ダノンザキッド、イクイノックスなど後にGI馬となる世代トップクラスの活躍馬が勝ち上がってきた登竜門レース。2023年クラシックを占ううえで重要な一戦となる。

(Text:Funaki)

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