【重賞出走馬追い切り】[菊花賞]アルアイン、ミッキースワロー[富士S]イスラボニータなど

■10月22日に京都競馬場で開催される菊花賞（GI、芝3000m）に出走を予定している各馬の最終追い切りが行われた。

アルアインは、C.ルメール騎手が跨り栗東ウッドコースで古馬準オープンを追走する併せ馬を行った。序盤からある程度出していくペースだったが馬自身の折り合いはピタリ。直線でも脚は上がらず、手応えにお釣りを残して稽古駆けする相手に半馬身の先着を果たした。先週にハード追いを課せられ、これでグンと良くなってきた雰囲気。やや重苦しさを感じさせた前走からの上積みは大きい。

キセキは、降雨で渋ったウッドコースではなく栗東芝コースでの追い切り。M.デムーロ騎手を背に、先行する2頭を追う3頭併せを行った。直線ではいちばん外に持ち出され余力十分のまま2頭を追い詰めると、ゴール手前でギアをスッと上げ、それぞれにクビ差の最先着を果たした。前走で大きく体を減らしており中間は馬なりオンリーの調整。体調面の大幅上積みは強調しづらいが、鞍上のわずかなアクションにも鋭く反応できていたあたり闘志、気合いという面では申し分のない状態と言える。

ミッキースワローは、先週の3頭併せが実質の最終追い。輸送を控えている今週は美浦ウッドコース単走で、静に徹した稽古内容となった。菊沢師が手綱を取り、リラックスした状態で進むと直線でも馬任せのままラスト1F13秒5で駆け抜けた。馬場は重かったが走りづらそうな雰囲気はなく、万事がスムーズ。高いレベルでの好調維持だ。

サトノアーサーとサトノクロニクルの池江勢2騎は古馬500下フォイヤーヴェルクを交え栗東CWで3頭併せ。フォイヤーが先導し、福永騎手騎乗のクロニクル、川田騎手騎乗のアーサーという隊列で、序盤は折り合いを重視し進む。直線では最内に潜り込んだアーサーの手応えが抜群で、馬なりのまま最先着でのゴールインを果たしている。上積み顕著だ。クロニクルは先行遅れ入線に終わったが、外を通った分もあったし、自身はまずまずの伸びを示した。上積みを見込んでいい。

マイスタイルは、四位騎手を背に栗東CWでオープン馬マテンロウボスと併せ馬。長め7Fからの時計で追撃する形から入り、直線ではバテた相手を問題にせず8馬身の先着を果たした。ゴール前まで体を併せる形にならなかったのは誤算だろうが、しっかり気を抜かず最後まで走れていたのは好感。馬なりで7F97秒2、6F81秒2と時計は申し分なく、上昇度は大きい。

ダンビュライトは抽選対象の僚馬スティッフェリオと栗東坂路で最終スパーリング。ダンビュライトが先行、後方からのスティッフェリオがアオり気味に相手をパスして半馬身先着を果たした。時計はダンビュライトが4F53秒0-1F12秒8（一杯）、スティッフェリオが4F52秒6-1F12秒6（強め）。見劣った格好のダンビュライトだが、相手は体重の軽い松若騎手が騎乗していたし、しっかり負荷を掛けられたことは一定の評価を与えられる。スティッフェリオは上積みが相当ありそうな雰囲気だ。

友道厩舎の上がり馬2騎、トリコロールブルーとポポカテペトルは、栗東CWで2歳新馬を交えて3頭でのスパーリングを行った。新馬がトップを引き、和田騎手鞍上のポポカテペトル、戸崎騎手鞍上のトリコロールという隊列。直線では菊花賞組2頭の追い比べとなったが、トリコロールの勢いが勝っており6馬身あったポポカテペトルとの差を力強く逆転、1馬身の先着フィニッシュを果たした。トリコロールブルーは中間意欲的に迫られているものの、テンションが高くなりすぎるようなところはなく、大幅増だった体はすっきり見せている。仕上がり十分。ポポカテペトルは見劣ってしまったが、もともと稽古では動かないタイプで、2カ月ぶりを考えれば悪くない反応だった。態勢は整っている。

■10月21日に東京競馬場で開催される富士S（GIII、芝1600m）に出走を予定している各馬の最終追い切りが行われた。

イスラボニータは、美浦ウッドコースで3頭併せ。最後方から追走し1頭に先着、もう1頭には届かずの遅れ入線だったが相手はオープン馬マイネルハニーだったし、敢えて無理をさせなかったもので懸念視は不要だろう。先週のハード追いではいい動きを見せており、4カ月半ぶりを考えれば悪くない状態。

サトノアレスは、大野騎手を背に美浦ウッドで僚馬ソウルスターリング、2歳1勝馬フラットレーと3頭併せ。最後方から追ってそれぞれと併入に持ち込んでいる。ソウルは中間の初時計とあってセーブしたようだが、それでもサトノが8馬身ほどあった差を楽に詰めての併入で好調さは疑いようがない。ここまで入念に調整されており、いい状態に仕上がった。

グランシルクは、美浦ウッドで単走。自ら気合いを乗せていくように徐々にギアを上げ、ラスト1Fは馬任せながら13秒3と上々の伸びを示した。高いレベルでの好調を維持。スワンSも視野にあったようだが、前倒しでもまったく問題を感じさせない。

ペルシアンナイトは、M.デムーロ騎手を背に3歳1000万下とスパーリングを行った。終いだけ重点の内容で、序盤は折り合い重視。直線では脚色で圧倒、5馬身あった差を楽に逆転し1馬身の先着フィニッシュとなった。ダービー以来となるが、さっそく力をフルに出せそうな雰囲気だ。

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