【今週の重賞】[ジャパンC]ダービー馬シャフリヤールが海外馬を迎え撃つ

■11月27日、東京競馬場で第42回・ジャパンC（GI、芝2400m）が開催される。

海外馬を迎え撃つ日本の総大将は昨年の日本ダービー馬シャフリヤール（牡4、栗東・藤原）だ。今シーズン初戦のドバイシーマクラシックでは昨年のBCターフ勝ち馬ユビアーを下し、見事に海外GI初勝利を飾った同馬。前走の天皇賞・秋は直線で伸び切れず5着に終わったが、陣営は当初からジャパンCを勝負の鞍として考えていた感もある。今回は200万米ドルのJRA褒賞金もかかっており、ジャパンC初勝利を目指す藤原厩舎としてはなおのこと力の入るレースになりそうだ。

ダノンベルーガ（牡3、美浦・堀）は初の古馬戦となった天皇賞・秋で3着。前述のシャフリヤールに先着を果たした。ハーツクライ産駒とあって直線の長い東京コースは大の得意。同コースの日本ダービーでは4着に敗れたが、後の菊花賞馬アスクビクターモアとクビ差であれば決して悪くない内容だった。陣営は出走についてまだ慎重な姿勢を崩していないが、出てくるようなら3歳世代の代表として結果が求められる一戦になるだろう。

目下の勢いという点でヴェラアズール（牡5、栗東・渡辺）は大注目の存在。かつては一貫してダートのレースを走ってきた同馬だが、今年3月の淡路特別で初めての芝に挑むと秘めたる才能が開花。トントン拍子に出世街道を歩み、前走の京都大賞典で重賞初勝利を飾った。伯母にオークス馬トールポピーなどがいる良血で、大舞台での底力に期待できる血統背景。父エイシンフラッシュが4度挑戦するも届かなかったジャパンCの栄冠を息子は掴み取れるか。

2020年の3冠牝馬デアリングタクト（牝5、栗東・杉山晴）はエリザベス女王杯6着からの参戦。ケガからの復帰後は白星こそないものの、宝塚記念の3着など能力の片鱗は披露している。今秋はオールカマー、エリザベス女王杯と馬場に泣かされ不完全燃焼の走りになってしまった印象。日本のチャンピオンコースたる東京芝2400mで復活を期す。新コンビとなるT.マーカンド騎手の手腕にも期待したい。

海の向こうからジャパンCへ挑む海外調教馬4頭についてもご紹介しよう。

オネスト（牡3、仏・F.シャペ）はフランスの3歳GIパリ大賞の勝ち馬。今年のパリ大賞はレベルが高かったともっぱらの評判で、2着馬シムカミルはニエル賞で日本ダービー馬ドウデュースを下して優勝、4着馬エルダーエルダロフはGI・英セントレジャーを制した。凱旋門賞は10着に終わったが、陣営としては馬場状態が向かなかったと判断しているようで、今回は良馬場を求めて日本遠征を決断した恰好だ。今年の仏3歳世代トップホースの1頭であり、ここでも当然侮れない実力馬と言える。

グランドグローリー（牝6、仏・G.ビエトリーニ）は昨年もジャパンCに参戦し外国馬最先着の5着と好走。引退を撤回して臨んだ今シーズンもプリンスオブウェールズS3着や凱旋門賞5着などビッグレースで好走を続けている。馬場を問わず走れる安定感が強みの同馬。昨年以上の結果を目指す。

シムカミル（牡3、仏・S.ワッテル）は上述の通り、パリ大賞2着馬でニエル賞の勝ち馬。ニエル賞後は早い段階で凱旋門賞のスキップを表明し、ジャパンCを大目標として調整を進めてきた。3走前のリス賞やパリ大賞では逃げて結果を残しているだけに、この馬がペースを作る可能性も。展開面で大きな影響を与えそうな1頭だ。

テュネス（牡3、独・P.シールゲン）は前走のバイエルン大賞でGI初勝利。そのバイエルン大賞は2着馬に10馬身差をつける大楽勝だった。半兄に昨年の凱旋門賞馬トルカータータッソがいる良血のうえ、キャリア6戦5勝2着1回と全く底を見せていない点は魅力的。来年以降の欧州GI戦線を引っ張っていく可能性もある素質馬で、ここでも先物買い的に注目する価値はあると見た。

ホームの日本馬が強さを見せるのか、それとも2005年のアルカセット以来となる海外調教馬の勝利となるのか。今年の東京開催を締めくくる一大決戦の行方に注目したい。

（Text:Hiraishi）

▽【関連リンク】
■「ジャパンC」「チャンピオンズC」「阪神JF」「香港国際競走」「朝日杯FS」までたっぷり楽しめる！【競馬サロン30日間無料＆カレンダー贈呈】秋GIヒートアップキャンペーン

■【先週の結果】2万馬券的中！など波乱「マイルCS」もズバリ攻略！

■【Weekly POG2022⇒2023】先週の結果を公開中！

■【重要】登録ができない、メールが届かない会員様へ