【今週の重賞】[朝日杯FS]タワーオブロンドン　最上級の瞬発力[ターコイズS]ラビットラン　総合力高い

■12月17日、阪神競馬場で朝日杯FS（GI、芝1600m）が行われる。

タワーオブロンドン（牡2、美浦・藤沢和）は、前走の京王杯2歳Sを快勝し、重賞初制覇を果たした。前半スローでレース上がりが速くなったその前走だが、それを中団から一気の末脚で差し切っており、瞬発力は世代最上級と言える。スローのなかで行きたがるような場面もなく1F延長となるマイル戦はなんなくこなしそう。阪神での勝利経験も強みで、首位争い濃厚。順調に調整されており、先週はウッドで豪快に伸びた。まとまった休みなく走っているが、適度に間隔は取られており、目立った疲れはなさそう。

ダノンプレミアム（牡2、栗東・中内田）は、6月25日の新馬戦を勝利。前走のサウジアラビアロイヤルCは3カ月半ぶり、初の東上戦と楽ではない一戦だったにも関わらず、2番手からの正攻法で抜け出し重賞勝ちを収めている。淀みない流れを追いながらも、終いの脚をしっかり残した上でのレコード勝ちという内容で素質は相当。GIでも当然勝ち負けになる。中間は放牧に出され、帰厩の調整は順調そのもの。先週は3頭併せで最先着を果たしており、すでに万全の仕上がりか。

ダノンスマッシュ（牡2、栗東・安田隆）は、新馬戦惜敗のあと未勝利戦、もみじSと連勝。前走のもみじSでは随所に若さを見せながら、ノーステッキで勝利しており相手強化の一戦でも見劣らない走りがありそうだ。2カ月ぶりになるが、中間は早めに入厩させここへ備えて丹念な調整が続いている。やや慌しかった前走から、大きく上積んで臨めそう。

ステルヴィオ（牡2、美浦・木村）は、レコード決着となったサウジアラビアロイヤルCで後方から猛然と追い上げ0秒3差の2着。この馬の性能も相当なものがありそうだ。道悪のコスモス賞を渋太く勝ち切っており、対応力も評価できる。初の関西遠征がどうかだが、問題なくクリアするようなら上位争いがあっていい。

ダブルシャープ（牡2、栗東・渡辺）は、道営所属時代にクローバー賞でタワーオブロンドンを撃破。その後札幌2歳Sで3着、サウジアラビアロイヤルCでは不利がありながら6着に踏みとどまれており脚力は世代上位と言える。これが中央転入初戦となるが、中間に負荷の掛かる稽古を消化。陣営としてしっかり手の内に入れているようだ。

■12月16日、中山競馬場でターコイズS（GIII、芝1600m）が行われる。

ラビットラン（牝3、栗東・角居）は、芝初挑戦だった7月の500万特別を後方から豪快に追い込んで制すと、9月のローズSも上がり最速の末脚で快勝した。秋華賞は距離と重馬場を考慮し道中8番手の競馬に出たが、押し上げて4着を確保し、追い込み一辺倒ではない総合力の高さもアピール。“トリッキー”とされる中山マイル戦でも、主役は譲れないところだろう。中間はコースと坂路を併用し、乗り込み順調。力を出せる状態に仕上がりつつある。

リエノテソーロ（牝3、美浦・武井）は、昨年暮れに全日本2歳優駿を勝ち、今春は芝のNHKマイルCで2着。実績は申し分ない。ここ3戦が仕上がり順調、レース運びスムーズながら凡走に終わっており、いささか不可解だが牝馬同士で走れる今回、浮上の可能性は十分だ。2カ月間厩舎でじっくりケアされており、先週は2歳馬を圧倒。仕上がりに関しては文句なし。

ミスパンテール（牝3、栗東・昆）は、デビュー2戦目のチューリップ賞でリスグラシュー、ミリッサといったあたりに先着の2着。その後の重賞戦線では振るわなかったが、前走京都マイルの準オープン戦で快勝を収めてみせた。やはりマイルでこその馬で、ハンデ53キロでこの相手関係なら上位食い込みを狙える。

その他、過去重賞で2着が2回あり、この秋も堅実に走っているフロンテアクイーン（牝4、美浦・国枝）や、2走前の準オープンでトップハンデを背負いながら快勝したワンブレスアウェイ（牝4、美浦・古賀慎）らも上位争いに加わってきそう。

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