【今週の重賞】[高松宮記念]レッドファルクス　春秋スプリントGI制覇目前[日経賞]菊花賞馬キセキが始動[マーチS]3連勝で重賞初V狙う　ハイランドピーク[毎日杯]インディチャンプ　格上馬圧倒

■3月25日、中京競馬場で高松宮記念（GI、芝1200m）が行われる。

レッドファルクス（牡7、美浦・尾関）は、昨年秋のスプリンターズSを勝ち連覇達成。昨年このレースは3着だったが、香港遠征からの3カ月ぶりで楽な状況ではなかった。今回は今期始動戦に阪急杯を選び、58キロを背負いながら勝ち馬にタイム差なしの3着。順調さでは昨年と段違いで、春秋スプリントGI制覇は目前と言える。過去GI2つを含む重賞4勝すべての鞍上だったM.デムーロ騎手に手が戻るのも好材料だ。先週の稽古ではいささか終いの切れを欠いてしまったが、もともと調教は地味なタイプ。順調に追われていることは評価していいだろう。

レッツゴードンキ（牝6、栗東・梅田）は、昨年のスプリントGIで2着、2着。特にスプリンターズSは僅差で、あとひと押しあれば自身2度目のGI制覇は十分に可能だ。前走フェブラリーSは久しぶりのダート挑戦。海外遠征からの帰国初戦で調整の難しさはあったはずだが、大崩れせず5着に食い込んで今期まずまずの滑り出しを見せたと言っていい。先週は栗東坂路4F49秒2（一杯）と自己ベストを更新し、ひと叩きの効果はかなり大きいようだ。

セイウンコウセイ（牡5、美浦・上原）は、昨年このレースを制覇。その後振るわない走りが続いたが、前走シルクロードSでは58キロを背負いながら積極的に運んで2着に粘り込んだ。豪快な行きっぷりから、復調気配は本物と見るべきだろう。松田騎手が騎乗した先週の追い切りでは序盤から抑えきれないほどの活気を見せ、直線に向くとさらに勢いに乗り一直線の伸び脚を披露。やればいくらでも動きそう雰囲気があり、馬体もはち切れんばかり。良化著しい。

ファインニードル（牡5、栗東・高橋忠）は、器用さに欠ける分思わぬ大敗もあるが、3走前のセントウルS、そして前走のシルクロードSの快勝ぶりからここで勝ち負けできる力を持っていることは確か。前走が4カ月ぶりで、プラス18キロと余裕を残した仕上げだっただけに、大きく上積みを見込めるのもいい。実際、先週の稽古では素質馬マイハートビートを問題にしない動きを披露。時計も文句なしで、絶好調と言える。

ほか脚元不安で順調さを欠きながらもスプリント戦線で力を発揮してきたダンスディレクター（牡8、栗東・笹田）や、初来日だった昨年のスプリンターズSで5着、地元香港スプリントで3着の実績があるブリザード（セ7、香・P.イウ）ららの上位進出も十分にありそう。

■3月24日、中山競馬場で日経賞（GII、芝2500m）が行われる。

昨年の菊花賞を制したキセキ（牡4、栗東・角居）がここから始動する。極悪馬場で勝ち切った菊花賞のイメージが 強いが、良馬場で行われた神戸新聞杯では勝ち馬レイデオロ以上の上がり3F33秒9という鋭い脚を繰り出し2着に入った。馬場不問で終いの脚をしっかり使えるタイプ。昨年12月の香港ヴァーズは9着と案外だったが、皮膚病と診断を受け隔離される一頓挫が影響した部分もあっただろう。その鬱憤を晴らす走りを見せたいところだ。3月頭から坂路とコースを併用し、稽古は入念。C.ルメール騎手が跨った先週のウッドコース追いでは6F79秒1と、自己ベストをお釣り残しで更新した。さっそく力をフルに出せそうな雰囲気だ。

トーセンバジル（牡6、栗東・藤原英）は、ここまで重賞未勝利だが昨年は阪神大賞典で3着、京都大賞典で2着、そして世界の一流馬が集った香港ヴァーズで3着と長丁場での充実ぶりが著しい。ここでそろそろ初タイトルがあっていい頃だろう。しかし海外遠征の疲れが尾を引いているのか、帰厩後は格下馬に遅れるなど動きはいまひとつ。今週の攻めでどこまで変わってくるかに注目だ。

また、ここで復帰となる重賞2勝馬ゼーヴィント（牡5、美浦・木村）や、先行力を武器に中日新聞杯3着、日経新春杯2着と好走を続けるロードヴァンドール（牡5、栗東・昆）らにも上位進出の可能性がある。

■3月25日、中山競馬場でマーチS（GIII、ダ1800m）が行われる。

ハイランドピーク（牡4、美浦・土田）は、1000万条件で10馬身差、準オープンで5馬身差と中山ダート1800m戦で逃げ切っての圧勝続き。それまでも大きく崩れていなかったが、いよいよ完成の域に達した感がある。昇級戦とあってハンデをそこまで課せられることはなさそうで、3連勝での重賞Vが濃厚。中2週とあって中間の速い時計は1本のみだが、そこで気負い無く鋭い伸びを披露した。ますます快調。

その他、安定味に欠けるものの川崎記念3着、東海Sで2着など力はあるコスモカナディアン（牡5、美浦・金成）や、中山ダート千八で過去7勝という圧倒的なコース巧者センチュリオン（牡6、美浦・田村）、北海道2歳優駿を勝ちUAEダービーでは2着に入った素質馬エピカリス（牡4、美浦・萩原）、久々の中央レース参戦だが交流GI・川崎記念勝ちの実績は侮れないオールブラッシュ（牡6、栗東・村山）らの上位食い込みも十分ありそうだ。

■3月24日、阪神競馬場で毎日杯（GIII、芝1800m）が行われる。

インディチャンプ（牡3、栗東・音無）は、近親にアイルラヴァゲイン、リアルインパクト、ネオリアリズムがいる良血馬。千四の新馬戦、マイルの500万条件と連勝中だが、折り合いにまったく問題はなくギアがじわじわ上がるような走りからも今回ぐらいの距離がむしろ良さそう。3連勝で一気に重賞Vなるか。先週は準オープン馬を手応えで圧倒しており、2カ月ぶりとは思えない、いい状態にある。

同じく無傷2連勝中のギベオン（牡3、栗東・藤原英）、そしてブラストワンピース（牡3、美浦・大竹）にもチャンスは十分。2走前の葉牡丹賞でジェネラーレウーノ（京成杯勝ち）にハナ差の2着、マイネルファンロン（スプリングSで3着）には先着していたシャルドネゴールド（牡3、栗東・池江）への警戒も必要だろう。

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