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【香港カップ】パンサラッサを筆頭に豪華5頭の日本馬が香港制圧へ

12月11日、香港・シャティン競馬場で香港カップ(GI、芝2000m)が開催される。発走時刻は日本時間の17時40分。

昨年のラヴズオンリーユーをはじめ、この10年で日本調教馬が5勝を挙げる相性の良いレース。今年も強力なメンバーが参戦することになった。

大将格はパンサラッサ(牡5、栗東・矢作)。昨秋、逃げ戦法に開眼すると一気にその素質が開花。中山記念をステップに挑戦したドバイターフでは欧州の強豪ロードノースとデッドヒートを演じ優勝(※1着同着)。初のGIタイトルを中東の地で手に入れた。前走の天皇賞・秋では前半1000mの通過が57秒4という超ハイラップでレースを引っ張ると、最後はイクイノックスの豪脚に屈しはしたものの2着に連対し底力を見せつけた。ここもとるべき戦法はひとつ。後続に影をも踏ませない逃走劇を期待したい。

ジオグリフ(牡3、美浦・木村)は今年の皐月賞馬。皐月賞、札幌2歳Sと重賞を制した舞台はいずれもコーナー4つの中距離戦。シャティン競馬場の2000mも同様のレイアウトでこの馬に合った条件だろう。皐月賞では後の天皇賞馬イクイノックスを寄せ付けない走りを見せた同馬。ここでも注目の存在だ。

ジャックドール(牡4、栗東・藤岡)は今年金鯱賞、札幌記念とGIIを2勝。実力は誰もが認めるところではあるが、GIになると大阪杯5着、天皇賞・秋4着とあと一歩の成績が続いている。足りないピースを埋めるべく、今回陣営がこの馬の鞍上に招聘したのは名手・武豊。“レジェンド”がこの栗毛の快速馬をどのように導くのか。目が離せない。

レイパパレ(牝5、栗東・高野)は昨年の大阪杯でコントレイル、グランアレグリアを下しGI初勝利。その後は白星こそないものの、今年の大阪杯で2着するなど中距離路線で堅実に駆けている。毎日王冠4着後はエリザベス女王杯をパスして香港一本で勝負することをチョイス。陣営の思い切った決断は吉と出るか凶と出るか。

ダノンザキッド(牡4、栗東・安田隆)は先日のマイルCSで8番人気ながら2着と好走。人気こそ控えめではあったが、さすがの実力を証明した。加速の際、ギアチェンジに時間がかかるタイプなので、ある程度ペースが流れる方が向いている印象。パンサラッサが引っ張る流れはこの馬にもハマりそうな予感も。

迎え撃つ地元香港馬からはロマンチックウォリアー(セ4、香・C.シャム)を取り上げたい。ここ2年ほど層の薄い印象のあった香港中・長距離路線に彗星のごとく現れたニュースターだ。今年4月のクイーンエリザベスII世CでGI初勝利を挙げると、前哨戦のジョッキークラブカップでも終始外々を回す安全運転にもかかわらず、最後は悠々と抜け出して完勝。力の違いをアピールした。相手は強いがここでも十分に通用するポテンシャルの持ち主。地の利を活かして日本馬を返り討ちにできるか。

■2022年 ジョッキークラブカップ


唯一の欧州勢オーダーオブオーストラリア(牡5、愛・A.オブライエン)は2年前のBCマイル勝ち馬。しばらくマイル路線を中心に使われていた同馬にとって、今回は3歳時以来の中距離戦となる。距離が最大の懸念材料にはなるが、こなしてしまえば一発があっても驚けない。

■2020年 BCマイル


(Text:Hiraishi)

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