【今週の重賞】[安田記念]スワーヴリチャード　初マイルでも主役[鳴尾記念]トリオンフ　反撃に期待

■6月3日、東京競馬場で安田記念（GI、芝1600m）が行われる。

スワーヴリチャード（牡4、栗東・庄野）は、手前の関係で“右回りが苦手”とされてきたが、前走の大阪杯で積極的な競馬から押し切り、初のGI勝ちを収めた。右回りコースでのビッグタイトル獲得は高い能力と充実度の証で、今回自身初のマイル戦になるが左回り東京が舞台なら、あっさり克服しそう。堂々の主役として臨むこととなる。中間は坂路とコースを併用し、入念に乗り込まれている。先週の併せ馬では追走先着を果たし好調維持をアピール。これが実質の最終追いで、今週は確認程度で大丈夫だろう。

ペルシアンナイト（牡4、栗東・池江）は、2000年のアグネスデジタル以来17年ぶりの3歳馬によるマイルCS制覇を成し遂げた。今期はここまで2戦走り中山記念で5着、前走の大阪杯では3/4馬身差の2着。中山記念は流れに乗り切れずいかにも休み明けが響いた感があったが、叩かれた大阪杯できっちり上昇を果たした。その前走では序盤行きたがる素振りを見せたように、やはりベストはマイル。この条件なら逆転劇を見せる可能性は十分ありそうだ。先週は川田騎手を背に3頭併せで最先着。池江師は「まだ体つきに余裕があるし、息の入りもいまひとつ」と、辛口のジャッジだったがここでしっかり負荷を掛けられたことにより良化をしてきそうな雰囲気はある。

サングレーザー（牡4、栗東・浅見）は、昨秋のスワンSで重賞初勝利。続くマイルCSで0秒1差の3着に入った。今期始動戦のマイラーズCはGII勝ちがある分、他馬より重い57キロを背負っての出走だったが後方から一気に脚を爆発させ、レコードV。冬の休養で更に地力を増した感があり、目下の充実度なら初の東京コースもなんなくこなしそう。首位争いは必至だ。中間は坂路の自己ベストを更新するなど、攻め気配も申し分ない。

リアルスティール（牡6、栗東・矢作）は、共同通信杯と毎日王冠を勝っており天皇賞・秋では2着、4着と東京コースは大の得意。ドバイターフで世界を制した底力も魅力だ。悲願の国内GI制覇を狙う。2016年、ドバイ遠征からの帰国初戦だった安田記念では大敗を喫したが、ロゴタイプが逃げ切ったスローペースが災いしたもので、調整面での問題は感じられなかった。今回も同様の臨戦過程で、攻めは順調。力を出せる状態に仕上がりつつある。

ほか、京王杯SCを制したムーンクエイク（セ5、美浦・藤沢和）、スプリンターズSを2勝しており昨年このレースでは3着だったレッドファルクス（牡7、美浦・尾関）、ヴィクトリアマイルで2着だったリスグラシュー（牝4、栗東・矢作）、香港マイルとチャンピオンズマイルでそれぞれ2着に入った実績があるウエスタンエクスプレス（セ6、香・J.サイズ）らも上位進出を狙う。

■6月2日、阪神競馬場で鳴尾記念（GIII、芝2000m）が行われる。

トリオンフ（セ4、栗東・須貝）は、今年2月の小倉大賞典で重賞を初制覇。早めに動いて抜け出し、直線では独走という強い内容で能力の高さをアピールした。その後大阪杯で8着、新潟大賞典で4着だが、前者は出遅れがあった上に相手も強かったし後者はハンデ57キロと見込まれ、スローからのいわゆる“ヨーイドン”にも対応できなかった。今回は別定56キロ。阪神内回り戦で脚質的にも前走より走りやすそうで、反撃に期待していい。まとまった休みなく走っているが中間は準オープン馬との併せ馬を消化するなど、好調を維持できているようだ。

トリコロールブルー（牡4、栗東・友道）は、目下準オープン、オープン特別を連勝し勢いに乗る。特に前走の大阪城Sはグァンチャーレ、プラチナムバレットといった骨っぽい面々を下しての勝利とあって重賞でも通用の雰囲気が漂う。3カ月ぶりになるが、これまでの休み明け初戦ではすべて勝利を飾っており、リフレッシュしたほうが走るタイプのよう。懸念視は不要だろう。

ほか、徹底先行という脚質で開幕初日の馬場は有利に働きそうな重賞3勝馬マルターズアポジー（牡6、美浦・堀井）、昨夏芝2000mの重賞を2勝したタツゴウゲキ（牡6、栗東・鮫島）、一昨年のこのレース（レコード勝ち）など重賞4勝の実績を誇るサトノノブレス（牡8、栗東・池江）などにも勝機は十分ありそう。

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