【今週の重賞（その2）】[アルゼンチン共和国杯]アルバート　主役の座は譲れない[京王杯2歳S]良血アウィルアウェイ　初タイトルへ[ファンタジーS]ダノンファンタジー　気配一気に上昇

■11月4日、東京競馬場でアルゼンチン共和国杯（GII、芝2500m）が行われる。

アルバート（牡7、美浦・堀）は、ここまでステイヤーズSを3連覇している現役屈指の長距離砲。東京コースとの相性は悪くなく昨年2月にダイヤモンドS勝ち、アルゼンチン共和国杯は過去2年参戦し2着、4着がある。昨年4着時は58.5キロを課せられており、それで56キロだった勝ち馬スワーヴリチャードに0秒7差まで迫れていた。久々の前走・京都大賞典でサトノダイヤモンドに0秒4差の3着と、上々の滑り出し。今年も58.5キロを課せられ、楽ではない戦いになるが主役の座は譲れないところだろう。中間はコースで軽快な伸びを見せており、久々を使われ一定の上積みは見込めそうだ。

ノーブルマーズ（牡5、栗東・宮本）は、スパッとは切れないものの抜群の立ち回りを活かしてジワジワ伸びる“相手なり”の競馬が持ち味。今年の春は目黒記念での2着を経て、宝塚記念では3着と大健闘を果たしている。GIでの3着がありながら目黒記念からは1キロだけ増加の56キロで、これは恵まれた印象。首位争いに加わってきていい。ただし先週は古馬500万下に見劣るなど、やや調整不足な感がある。今週どこまで動けるかに注目したい。

ウインテンダネス（牡5、栗東・杉山）は今年5月、今回と同舞台の目黒記念で重賞初制覇。その時のハンデが54キロで、今回は56キロを背負うことになるが、東京コースとは好相性を誇る。京都大賞典で積極的な競馬をこなし、使われての上積みも見込めば上位進出の可能性は十分。中間は1本のみだが、コースでしっかり追えており状態面の不安はない。

ほか、今年3月の日経賞で重賞初制覇を挙げたガンコ（牡5、栗東・松元）、今年1月の日経新春杯を勝ち目黒祈念では2着ノーブルマーズにアタマ差3着だったパフォーマプロミス（牡6、栗東・藤原英）、ここまで条件戦3連勝と勢いに乗る上がり馬ムイトオブリガード（牡4、栗東・角田）らも上位進出を目論む。

■11月3日、東京競馬場で京王杯2歳S（GII、芝1400m）が行われる。

アウィルアウェイ（牝2、栗東・高野）は、近親にリアルインパクト、ネオリアリズムらがいる良血馬。6月の阪神新馬戦では出遅れてしまったが、脚力の違いで挽回すると最後は余力をたっぷり残して快勝を収めた。ひと息入っていた前走のダリア賞では、外に出されて追われるとスパッと伸び、こちらも余力十分に勝利。出遅れや口向きの悪さを見せるなど、まだ荒削りながらこのパフォーマンスを残せるあたり、器は相当大きいと見るべき。距離は今回ぐらいがちょうど良さそうで、初タイトルの可能性濃厚だろう。先週は1000万条件馬をアオるなど、稽古の動きは申し分なし。力を出せる状態だ。

ファンタジスト（牡2、栗東・梅田）は、7月の中京新馬戦で接戦をモノにすると、続く小倉2歳Sでは前々の立ち回りから抜け出し完勝。いずれもまだ若さを覗かせていたことを考えれば、この相手関係でも争覇圏入りは十分にありそう。帰厩後やや動きに鈍さを感じさせていたが、先々週の栗東坂路追いで4F51秒5-1F11秒9（一杯）、先週は4F54秒0-1F11秒7（一杯）と一気に気配を上げてきている。ほぼ万全の状態で出られそうだ。

ほか、函館2歳Sを制したアスターペガサス（牡2、栗東・中竹）、フェニックス賞を勝っているシングルアップ（牡2、栗東・寺島）らにも注目したい。

■11月3日、京都競馬場でファンタジーS（GIII、芝1400m）が行われる。

ダノンファンタジー（牝2、栗東・中内田）は、6月の新馬戦で2馬身差の2着に敗れた。しかし、負かされた相手は次走サウジアラビアRCを圧勝するグランアレグリアで、単純に相手が悪かった感。2戦目の前走・未勝利戦は3カ月半ぶりながら、ノーステッキで2馬身差Vを果たしており素質の高さは疑いようがない。グランとの再戦を見据え、ここは負けられない一戦となりそう。久々だった前走を使われ、気配は一気に上昇。先週は騎手騎乗だったとは言え栗東CWで6F80秒8-1F11秒8という好タイムを馬なりで叩き出した。絶好調だ。

ほか、今回と同じ京都芝1400mの新馬戦でいい勝ちっぷりを見せたレッドベレーザ（牝2、栗東・石坂）、新潟芝1400mの新馬戦で楽に快勝を収めたベルスール（牝2、栗東・中竹）、GI馬レーヴディソールの半妹で札幌の新馬戦を快勝したレーヴドカナロア（牝2、栗東・斉藤崇）らも初重賞制覇を狙う。
（Text：Nishimura）

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