【今週の重賞】[阪神C]末脚強烈ワントゥワン　初タイトルだ

■12月22日、阪神競馬場で阪神C（GII、芝1400m）が行われる。

ワントゥワン（牝5、栗東・藤岡）は、芝マイル重賞でここまで3戦連続2着。歯がゆさは同居するが、持ち味の強烈な末脚を武器に崩れず走ってきた。今回の千四、阪神内回りコースがどうかだが条件戦時代はこの距離を得意にしていたし、中山マイルの京成杯AHで力を出せており、コース形態を苦にすることもなさそう。GI勝ち馬相手だが、初タイトル奪取の可能性は十分。中間は坂路自己ベストを更新し、仕上がりも申し分ない。

今年のNHKマイルCを制したケイアイノーテック（牡3、栗東・平田）は、この秋から古馬と戦い毎日王冠で5着、マイルCSで11着。毎日王冠は距離が長く相手も強かったし、前走マイルCSは大外から前めのポジションを取りに行く戦法が裏目に出たか。いずれも情状酌量の余地はあり3戦して2勝、朝日杯では2着にタイム差なしの4着だった得意の阪神コース戦なら巻き返しがあっていい。中間は併せた相手を問題にしない絶好の動きを披露。好気配だ。

ムーンクエイク（セ5、美浦・藤沢和）は、オープン昇級2戦目だった今年の京王杯SCをレコードタイムで勝利。その後2回走って結果は出ていないが札幌、中山が舞台のスプリント戦で序盤に急かされる流れがまったく向かなかったよう。今回も内回りだがコーナーまでの直線は長いので走りやすさは格段に違うし、距離延長は当然歓迎。巻き返せる。3カ月ぶりにしては中間の負荷は物足りないが、先週C.ルメール騎手が騎乗した併せ馬で気合い注入。これでグンと良くなるはずだ。

サトノアレス（牡4、美浦・藤沢和）は、2016年に朝日杯を制覇。4歳シーズンとなった今年前半は東京新聞杯2着、京王杯SCで2着、安田記念で4着と勝ち切れないものの安定して力を出した。体調整わず、復帰はここまでずれ込んだが底力上位なだけにいきなり勝ち負けがあって不思議はないだろう。10月下旬から速い時計を出し始め、ここまで入念過ぎるほどに追われている。態勢十分。

ほか、今春のヴィクトリアM覇者で阪神得意なジュールポレール（牝5、栗東・西園）、近走こそ不振もスプリンターズS連覇など実績最上位のレッドファルクス（牡7、美浦・尾関）、一昨年の覇者シュウジ（牡5、栗東・須貝）らにもチャンスがありそうで、混戦模様となっている。
（Text：Nishimura）

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