【今週の重賞】[大阪杯]ブラストワンピース　首位争い必至[ダービー卿CT]プリモシーン　巻き返せる

■3月31日、阪神競馬場で大阪杯（GI、芝2000m）が行われる。

ブラストワンピース（牡4、美浦・大竹）は、デビューから無傷3連勝で毎日杯を快勝。気負って出遅れたダービーが5着、距離がこたえた菊花賞が4着とクラシック本番では悔しい思いをしたが、暮れのグランプリ有馬記念を勝ち切り、見事にGIウィナーとなった。毎日杯、新潟記念の勝ちっぷりから距離は今回ぐらいがちょうどいいだろうし、輸送と久々もまったく苦にしない。首位争い必至。帰厩後坂路とコースを併用し、徐々に動きに軽快さが戻ってきている。先週、池添騎手が騎乗したコース追いではラストにしっかり負荷を掛けられ3歳1勝馬に対し追走併入。相手の格を考えれば突き放して欲しかったところだが、ここで気合いを注入されたことでグンと良くなってきそうだ。

2017年、雨中の菊花賞を豪快に差して勝利したキセキ（牡5、栗東・角居）。しかし昨年秋はスピードの持続力をフルに活かすスタイルへシフトし、勝ちこそないものの崩れることなくハイレベルな相手に健闘を続けた。特に前半5Fを59秒9で通過しながら直線でも止まらず、レコード決着を誘発したジャパンC（2着）の走りは超一流馬の証。阪神内回り2000mはベスト条件な感があり、ここで2つめのビッグタイトルを奪取する可能性十分だ。今回ぶっつけとなるのは当初の予定通りで、調整は順調。先週のコース追いではゴール板を過ぎてもグイグイ追われるいい負荷を掛けられており気配、体調は万全の域にある。

ワグネリアン（牡4、栗東・友道）は、昨年春のダービーを快勝。秋の神戸新聞杯は余力を残した仕上がりだったものの、エタリオウ、メイショウテッコン、エポカドーロらを楽に下した。“強い4歳世代”のなかでもトップクラスの実力馬だ。しかし神戸新聞杯後、疲労の回復に手間取り半年間の休養を余儀なくされた。今回がぶっつけの復帰戦。仕上がり状態が最大の焦点となる。2月中旬から時計を出し始め、メニュー消化はまずは順調のよう。3月7日、20日は芝コースでの併せ馬という実戦感覚を取り戻す調教内容をこなし、上々の動きを見せた。まだ体に緩さはあるが、あとひと追いあれば走れる態勢は整うだろう。

ステルヴィオ（牡4、美浦・木村）は、昨年秋のマイルCS勝者。スプリングS勝ちがあり皐月賞4着、毎日王冠で2着、前走の中山記念がタイム差なしの3着とマイル以上の距離は問題なくこなしているし、高い脚力に内回り向きの操縦性を兼備しているのもいい。今回の条件でも勝ち負けを意識できる。先週はウッド6Fの自己ベストを大きく更新する豪快な動きを披露。プラス12キロだった前走を叩いた効果はかなりありそう。

ペルシアンナイト（牡5、栗東・池江）は、3歳秋にマイルCSを制覇。昨年もこのレースで2着、マイルCSで2着、香港マイルで5着など勝ち鞍こそないもののレベルの高い走りを続けている。典型的な叩き良化型で、休み明けだった前走・金鯱賞4着からの大幅前進は十分に可能だろう。昨年以上の走りを目指したい。中2週とあって中間の負荷は軽めだが、調整メニューは順調に消化できている。一連の好調維持。

ほか、昨年の皐月賞馬エポカドーロ（牡4、栗東・藤原英）、一昨年の皐月賞を制したアルアイン(牡5、栗東・池江）、前走・金鯱賞で1番人気3着だったエアウィンザー（牡5、栗東・角居）らも上位進出を狙う。

■3月30日、中山競馬場でダービー卿CT（GIII、芝1600m）が行われる。

プリモシーン（牝4、美浦・木村）はフェアリーS、関屋記念と過去マイル重賞を2勝。前走ターコイズSは1番人気を裏切ってしまったが、4角から直線にかけ、再三の不利があったもので度外視できる。ハンデ55キロは妥当な線だし、ポテンシャルを考えればここで大きく巻き返して不思議はない。先週は大きく先行させた相手を抜群の加速から抜き去る動きを見せた。3カ月半ぶりでも態勢十分。

ギベオン（牡4、栗東・藤原英）は、昨年の毎日杯でブラストワンピースの2着。続くNHKマイルCでは先行策からミスターメロディやプリモシーンらの追撃を渋太く凌ぎ、ケイアイノーテックにクビ差の2着へ入った。昨年12月には中日新聞杯で高い勝負根性を発揮し重賞2勝目をゲット。前走の金鯱賞はさすがに相手が強く6着に終わったが、今回の相手関係なら争覇圏入りを意識できる。ただし今回ハンデは中日新聞杯から1.5キロ増の57.5キロ。前走時で504キロと大型だが、楽ではない条件だ。前走である程度仕上がっていたため、中間は馬なり調整。併せ馬ではいい動きを見せており、この馬なりの好調維持だろう。

ほか、昨年のNZT覇者カツジ（牡4、栗東・池添兼）、今年1月の京都金杯で2着に入ったマイスタイル（牡5、栗東・昆）、京成杯AHなど過去重賞3勝の実績があるロードクエスト（牡6、美浦・小島茂）らも上位争いに加わってきそうだ。
（Text：Nishimura）

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