おしらせ
【今週の重賞】[東海S]ハギノアレグリアスが管理厩舎とともに初タイトルを目指す
■1月22日、中京競馬場で第40回・東海S(GII、ダ1800m)が行なわれる。
かつては「ウインターS」の名称で開催されていた、当時数が少なかった希少なダート重賞。その後はレース名をはじめ設定距離や日程が再三変更され、2013年に現行の条件に落ち着いた。その2013年の勝ち馬グレープブランデーが次走でフェブラリーSを制したように、現在は同GIのステップレースという位置づけであり、1着馬には同レースの優先出走権が与えられる。ただし東海SからフェブラリーSを優勝したのは2019年のインティが最後で、近3年は1着はおろか2、3着にも入れていない。
重賞ウイナーを差し置いて1番人気に推されるのはハギノアレグリアス(牡6、栗東・四位)か。叔父にダービー馬・タニノギムレットがいる良血で、その縁もあって松田国厩舎からデビュー。ダート替わりの2戦目を勝ち上がり、その後条件戦を3連勝しOP入りを果たすも、屈腱炎に襲われて長期休養に。その間に松田国厩舎が定年解散し、四位厩舎へ転厩。復帰初戦のアハルテケSは超ひさびさが敬遠されて人気はなかったものの4着に善戦。ひと息入れた太秦Sは1番人気に応えて快勝し、重賞初挑戦となったみやこSも2着好走。乱ペースで差し追い込みが台頭するなか、先行勢で唯一上位に入った走りは、負けて強しという内容だった。3着のオメガパフュームをモノサシに考えれば能力はすでに重賞級。また中京ダートは2戦2勝と相性もいい。四位厩舎はいまだ重賞未勝利で、ここで人馬とも初のタイトル獲得となるか。
クリノドラゴン(牡5、栗東・大橋)は目下の充実度が目覚ましい。父がアルゼンチン共和国杯など重賞2勝のアスカクリチャンで、母がクリノクレオパトラという栗本オーナーの“ハウス配合”。本馬もデビュー時所属の湯窪厩舎が定年解散し、大橋厩舎へ。その転厩初戦に初勝利を挙げた。それからコツコツと条件戦を勝ち上がり昨年晩夏にOP入り。すると重賞初挑戦のシリウスSとJBCクラシックで連続4着と、レースレベルが上がっても大健闘。JpnIで善戦しても浦和記念は中央馬5頭出走で4番人気と伏兵扱いだったが、結果は2馬身半差の圧勝。重賞勝ち馬の仲間入りを果たした。鋭い末脚やマクリが武器だが、常に後方一手のため展開がハマるかどうかがカギ。中京では2勝を挙げているものの、この脚質だと1800mは若干距離不足に感じられる。
勢いという点では、プロミストウォリア(牡6、栗東・野中)が一番かもしれない。ダートの活躍馬を多数送り出すマジェスティックウォリアー産駒。母系には目立つ馬はいないものの、コンスタントに勝ち上がり馬を出す一族だ。3歳春に既走馬相手にダートでデビュー勝ちを果たすのだが、その後3度もの骨折に見舞われて出世が大幅に遅れる。ところが昨年10月、1年2カ月ぶりとなる復帰戦を5馬身差で圧勝すると、次戦も楽勝。続く摩耶Sも6馬身差で逃げ切って、瞬く間にOP入りを果たした。豊かなスピードがセールスポイントで、ハナでも番手でも力を発揮できる点は評価が高い。まだまったく底を見せておらず不気味な存在だが、3連勝のタイム自体は平均レベル。ここは一線級との初めての対戦で、まさに試金石となる。
地味な存在ながら、ゲンパチルシファー(牡7、栗東・佐々木)は着実に力をつけてきている。父はトゥザグローリー。古くはシンコウラヴリイ、もう少し近い世代だとチェッキーノやコディーノなどがいる優秀な母系の出身だ。デビューから時間がかかりながらも条件戦を勝ち上がり、一昨年10月に白川郷Sを制してOP入り。その後、OPで好走はするも1着は獲れなかったが、小倉で行なわれた昨年のプロキオンSを4番人気で勝利し、重賞タイトルを手に入れた。戦歴を見ると昇級後すぐに好走することが多く、これはポテンシャルが高い証。守備範囲も広く1700mから2100mまで同等のパフォーマンスを発揮できる。準OP入り後は一度も1番人気に推されたことがなく、人気になりにくいタイプだが、侮ると痛い目に遭うかもしれない。
そのほかには、当レースを一昨年優勝、昨年は2着好走し、名うての中京巧者として知られるオーヴェルニュ(牡7、栗東・西村)、芝からダートに矛先を転じて初のタイトル獲得を目指すアイアンバローズ(牡6、栗東・上村)、ベテルギウスSでOP初勝利を収めたサンライズウルス(牡5、栗東・安田翔)、そして地方から参戦するダートグレード競走5勝の快足自慢・サルサディオーネ(牝9、大井・堀千)などが出走予定。遅れてきた大物あり、勢いに乗る馬あり、地味な実力馬あり、地方からの刺客ありと、個性豊かな面々が集結して、ひじょうに面白い戦いになりそうだ。
(Text:Hattori)
(1月17日15時30分 編集部追記 サルサディオーネは17日に出走回避が発表されました)
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