「テオブロミン」検出問題　原因は“カカオ豆副産物粉塵”の混入　除外馬には3着相当の交付金

JRAは競走馬の飼料添加物「グリーンカル」から禁止薬物「テオブロミン」が検出された件につき、調査結果と改善策を発表した。

検出の要因として販売元である日本農産工業は「グリーンカル」の原材料である牧草粉砕品の製造ラインと同じ建屋内にある別の製造ラインで、カカオ豆副産物が粉砕されており、この粉塵が混入した結果と特定。

今回の件に至った発生要因としては、日本農産工業内でのカカオ粉塵混入とあわせ小売店JRAファシリティーズおよび検査機関である競走馬理化学研究所が、JRAの定める「飼料添加物等の薬物検査実施要領」に適合しない製品の流通を未然に防ぐ体制を十分に整えていなかったこととし、またJRAにおいても「農産工の薬物検査受検の状況」「競理研への薬物検査申請状況」「JRAF他小売店におけるロット番号の確認状況」について、正確な情報を有する体制が十分にとれていなかった、と結論付けている。

改善策として、JRAは「競走馬理化学研究所と薬物検査申請情報を常時共有」「小売店の店舗、倉庫等への立入り検査を通じて、提出リストと製品との照合」などに努めるとし、JRAファシリティーズらに対しては「二重チェック体制の構築」「飼料添加物等の薬物検査実施要領の遵守」などを要請するとした。

また、今回の件につき競走除外処分を受けた競走馬の関係者には、出走する予定だったレースの3着賞金に相当する交付金をJRAが支払うことも発表されている。
（Text:Nishimura）

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