【今週の重賞】[中京記念]プリモシーン　決め手強烈[函館2歳S]良血レッドヴェイパー　世代初重賞V狙う

■7月21日、中京競馬場で中京記念（GIII、芝1600m）が行われる。

プリモシーン（牝4、美浦・木村）は、強烈な決め手を武器にここまで重賞2勝。今期初戦のダービー卿CTではクビ差の2着、続くヴィクトリアマイルでは上がり最速の末脚からこちらも勝ち馬にクビ差の2着に入っている。今回の相手関係なら大威張りできる実力馬だ。ハンデはある程度課せられそうだが、前走時498キロと比較的馬格はあるのでそこまで割り引かなくてもいいだろう。2カ月強ぶりで、牧場から栗東へ直接入厩済み。本数がいささか心もとないが、抜群の動きを披露しており牧場でしっかり鍛錬されていたようだ。あとひと追いあれば大丈夫。

カテドラル（牡3、栗東・池添学）は、アーリントンCでクビ差2着、前走のNHKマイルが0秒1差3着。2歳秋に千八の野路菊Sを逃げ切って勝ったものの、現状はマイル戦で脚を溜めるスタイルがいいよう。GI好走後ではあるが3歳馬とあってそこまでのハンデにはならないはず。重賞初Vのチャンス十分だ。中間はコースと坂路を併用し意欲的に追われている。先週のコース追いで好時計をマークし、仕上がりは万全。

ほか、巻き返しを期す重賞3勝馬ロードクエスト（牡6、美浦・小島）、本領発揮が待たれる素質馬ジャンダルム（牡4、栗東・池江）、昨年の3着馬リライアブルエース(牡6、栗東・矢作）らも上位進出へ虎視眈々だ。

■7月21日、函館競馬場でJRAではこの世代初となる重賞・函館2歳S（GIII、芝1200m）が行われる。

レッドヴェイパー（牝2、栗東・安田隆）は、名門ハッピートレイルズ一族の出で近親にはシンコウラブリイ、キングストレイル、コディーノらそうそうたる名が並ぶ。デビュー戦は“薬物騒動”のアオりでズレ込んだが、仕切り直しの初戦ではその影響をまったく感じさせずに抜け出し、好タイム快勝。2着ケープコッドとはハナ差だったものの、目標にされる不利があったし、そのケープコッドは続く7月6日の未勝利戦で5馬身差Vを収める強者だった。レッドヴェイパーは世代初のステークスウィナーにふさわしい大器だろう。中間の速い時計は14日の1本のみだが、スムーズに駆けており好調を維持。

タイセイビジョン（牡2、栗東・西村）は、6月2日阪神芝1400m戦でデビューウイン。直線ではノーステッキで後続を突き放しており、この馬の完成度も相当なレベルと言える。ひと息入ったが栗東での調整を経て、14日に函館ウッドで3勝クラス相手の併せ馬を消化。輸送は問題なくクリアできたようで、走れる態勢にある。タートルボウル産駒で力を要する洋芝もフィットしそう。

ほか、抽選対象だがレッドヴェイパーに肉薄したケープコッド（牝2、美浦・高柳瑞）、いずれも圧勝の2連勝でまだ底を見せていない門別所属のアザワク（牝2、北海道・角川秀）、センスある走りから3馬身差Vを果たしたパフェムリ(牝2、栗東・岡田）らにもチャンス十分。
（Text:Nishimura）

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