“日本近代競馬の結晶”ディープインパクト急逝

現役時代にクラシック3冠やジャパンCなどGIを7勝し、種牡馬としてもジェンティルドンナらの活躍馬を送り出したディープインパクトが急逝した。同馬を繋養している社台スタリオンステーションが本日7月30日に発表したもの。

社台スタリオンステーションの発表によれば、治療中だった頸部手術を7月28日に行い術後の経過も安定していたが、29日の午前中に突然起立不能となり、30日早朝にレントゲン検査を行ったところ頸椎に骨折が見つかり、回復の見込みが立たないことから安楽死の処置が取られたとのこと。17歳だった。

同馬は2004年12月にデビューし無敗のまま翌2005年の皐月賞、日本ダービー、菊花賞の牡馬クラシック3冠を制覇。史上2頭目の無敗3冠馬となり、菊花賞制覇時にはテレビ実況の馬場鉄志アナウンサーが「これが日本近代競馬の結晶だ」というフレーズで、偉業達成を称えた。同年の有馬記念でキャリア初の敗北を喫したが、翌2006年春に天皇賞・春と宝塚記念を制し国内最強の座を確固たるものにすると、同年秋にはフランスの凱旋門賞に挑戦（3位入線後、禁止薬物検出で失格扱い）した。同年中の引退を表明し臨んだジャパンC、有馬記念を連勝。競馬界を超越した、社会現象レベルのインパクトを残しターフを去った。

種牡馬としては初年度産駒だったマルセリーナが桜花賞制覇。以降ディープブリランテが日本ダービー制覇、ジェンティルドンナが牝馬3冠やジャパンCを制覇、キズナが日本ダービー制覇、サトノダイヤモンドが菊花賞、有馬記念を制すなど現役時代と遜色ない圧倒的な成績を残してきた。今年2019年は当初順調に交配を開始するも首、腰の痛みのため3月末に種付けを中止。年内は治療に専念し来期以降の種付け再開に備えていたが、まさかの悲報となった。

▽【ディープインパクト】
父サンデーサイレンス
母ウインドインハーヘア
母父Alzao
通算14戦12勝（うち海外1戦0勝）

《重賞勝鞍》
2006年　有馬記念(GI）
2006年　ジャパンC（GI）
2006年　宝塚記念（GI）
2006年　天皇賞・春（GI）
2005年　菊花賞（GI）
2005年　日本ダービー（GI）
2005年　皐月賞（GI）
2006年　阪神大賞典（GII）
2005年　神戸新聞杯（GII）
2005年　弥生賞（GII）
（Text:Nisihimura）

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