おしらせ
【今週の重賞】[有馬記念]最強女王アーモンドアイ 初の中山でも[阪神C]マイスタイル さらに気配上昇
■12月22日、中山競馬場で2019年の掉尾を飾るグランプリ・有馬記念(GI、芝2500m)が行われる。
アーモンドアイ(牝4、美浦・国枝)は、昨年GI4勝を挙げて年度代表馬の座を掴んだ。今年はドバイターフ快勝、大きく出遅れた安田記念で僅差3着、そして史上空前レベルの好メンバーだった天皇賞・秋で有無を言わさぬ圧勝。文句なしの現役最強馬だ。当初年内最終戦に据えていた香港Cを熱発で回避したが、海外への輸送を考慮して大事を取ったもの。すぐに回復したようで、陣営が出走を決めた以上、体調面に不安なしと考えていいだろう。右内回りの秋華賞でそつのない走りができていたし、前走では馬込みから最内を突いて鋭く伸びた。“トリッキー”とされる中山2500m戦もなんなくこなせるはずだ。ダントツのファン投票1位に支持された最強女王が堂々の主役として、歴代最多に並ぶGI7勝目を獲りに行く。先週は不動の主戦C.ルメール騎手が跨りウッドコースで併せ馬。3F37秒0-1F11秒8(馬なり)という時計以上の迫力を感じさせ、楽に追走先着を果たした。気配は前走時を大きく上回っており、一頓挫あったとは思えない好状態にある。
ワールドプレミア(牡3、栗東・友道)は、精神的に荒削りな面がありながら京都2歳Sで3着、若葉Sで2着と早くから力量の高さをアピールしていた。その後骨折のため半年間休養。春のクラシックは棒に振ったが、秋復帰初戦の神戸新聞杯を3着と滑り出すと、前走・菊花賞では好位でしっかり折り合う進境ぶりを見せ、接戦をモノにした。昨年のフィエールマンにこそ及ばないものの、キャリア6戦での菊制覇は異例で器の大きさはかなりのものと言えるし、その菊花賞がプラス12キロだっただけに伸びシロも大きく見込める。古馬一線級が相手の大一番でも、結果を残して不思議はない。先週は7Fからの併せ馬という意欲的な攻めを消化できており、稽古内容も充実ぶりを物語っている。
スワーヴリチャード(牡5、栗東・庄野)は、前走のジャパンCでGI2勝目。相手関係が例年より楽だった感はあるが、国内最高賞金額のレースを勝ち切ったのは大きな勲章だ。中間の坂路ハード追いと初めて装着したチークピーシズの効果が大きかったようで、それまでの詰めの甘さを払拭できた感。“手前の関係で左回りで強い”とされる馬だが、昨年の大阪杯Vに今年の宝塚記念3着、そして一昨年の有馬記念でも僅差4着があり、気にしなくていいレベルだろう。GI連勝を狙える。中間は4F50秒1と前走時にマークした坂路自己ベストを更新。前走の反動はなく、勝って更に上昇といった雰囲気さえ。
リスグラシュー(牝5、栗東・矢作)は、昨年秋のエリザベス女王杯で待望のGI初制覇を果たした。以降国内外で崩れず走り続け、今年6月の宝塚記念では完全に勝ちパターンに持ち込んでいたキセキをねじ伏せ勝利。秋は豪州のコックスプレートに臨み、後方からのひとまくりで快勝を収めた。充実の一年。今年のGI2勝はダミアン・レーン騎手の好騎乗も光ったが、そのレーン騎手が“特例”で今回鞍上を務めるのは心強い限りだ。中山は初となるが、前走で見せた機動力から考えれば問題なく対応できそう。春秋グランプリ制覇で華々しく引退、という可能性は十分。先週は坂路で終いにしっかり負荷を掛けられ、豪快な伸びを示した。海外遠征の疲れを感じさせず、順調に来ている。
ほか、秋初戦の天皇賞が0秒9差6着と案外も皐月賞快勝の中山なら巻き返し見込めるサートゥルナーリア(牡3、栗東・角居)、今春の天皇賞を制したフィエールマン(牡4、美浦・手塚)、一昨年の菊花賞馬で今春は大阪杯2着、宝塚記念2着とハイレベルな走りを続けたキセキ(牡5、栗東・角居)、皐月賞2着→ダービー3着→菊花賞3着と今年のクラシックで安定して力を発揮したヴェロックス(牡3、栗東・中内田)らも上位進出を狙う。
■12月21日、阪神競馬場で阪神C(GII、芝1400m)が行われる。
マイスタイル(牡5、栗東・昆)は一気にトップスピードに乗り、それを持続させるのが持ち味。3歳時に弥生賞2着、日本ダービーで4着、今年の函館記念勝ちなどの実績があるが、この秋本格的にマイル以下に取り組みスワンSで3着、そしてGI・マイルCSでも“自分の形”から4着に粘り込んでみせた。本来のベスト距離はこのぐらいということだろう。直線急坂のコースでもそうは止まらないし、好勝負に期待できる。先週は坂路4F50秒8という自己ベストタイムを馬なりで叩き出しており、GI好走後だがさらに気配を上げてきているようだ。
グランアレグリア(牝3、美浦・藤沢和)は、牡馬相手の朝日杯FSで3着。そして桜花賞はぶっつけだったが、好位から早めに抜け出す正攻法でレースレコード更新の快勝を収めた。力量はズバ抜けているし、コース相性も文句なしだ。本来秋初戦に据えていたスプリンターズSを爪の不安で回避する一頓挫があり、今回が7カ月半ぶりの復帰戦。順調さでは見劣るが、高い地力であっさり克服しても不思議はない。乗り込みそのものは順調に来ており、先週は美浦坂路4F51秒6という出色の時計を楽に出せた。ほぼ万全。
ほか、京都巧者なイメージもあるが攻め気配絶好のグァンチャーレ(牡7、栗東・北出)、これが引退レースとなる桜花賞馬レッツゴードンキ(牝7、栗東・梅田)、アーリントンC勝ちにセントウルS3着と阪神適性あるイベリス(牝3、栗東・角田)にも上位食い込みの可能性十分。
(Text:Nishimura)
▽【関連リンク】
■【Weekly POG2019⇒2020】先週の結果を公開中!
■【重要】登録ができない、メールが届かない会員様へ