【今週の重賞】[京都記念]クロノジェネシス　久々は苦にしない[共同通信杯]マイラプソディ　高い完成度[クイーンC]大器ルナシオンに注目

■2月16日、京都競馬場で京都記念（GII、芝2200m）が行われる。

クロノジェネシス（牝4、栗東・斉藤崇）は桜花賞3着、オークス3着と昨春クラシックではあと一歩の走り。秋華賞はオークス以来のぶっつけだったがプラス20キロでも太く見せない逞しくなった肉体を武器に、2着カレンブーケドールを2馬身突き放しラスト1冠を手中に収めている。エリザベス女王杯は5着に終わったが、前半5F通過で秋華賞とは4秒近く違うスローな流れに戸惑った面があったか。それでも大崩れしなかったのは収穫だ。今回そこまで強力な牡馬はおらず、久々を苦にしないのは昨秋の走りで証明。首位争いは必至と言える。ここからの始動を念頭に稽古は順調。先週は北村友騎手騎乗で、先行馬をアオりにアオった。気合い乗り抜群で、ほぼ万全のデキだ。

カレンブーケドール（牝4、美浦・国枝）はオークスで勝ち馬にクビ差の2着で、3着クロノジェネシスには2馬身半先着。秋華賞ではクロノに先着を許したがこれは相手が内回り向きの一瞬の脚に長けていた分で、力負けした感はなかった。続くジャパンCで強豪古馬牡馬相手に差のない2着に入り、あらためて能力をアピール。秋華賞で後塵を拝したクロノとまたあいまみえることになるが、斤量で1キロ有利だし今回は京都外回りコース。逆転の可能性は十分だ。ここまで坂路とコースを併用し、入念に追われている。先週のコース追いではややズブさを見せたが、ここでしっかり負荷を掛けられたことでグンと良くなって きそうな雰囲気だ。

ほか、京都新聞杯勝ちがあるステイフーリッシュ（牡5、栗東・矢作）、昨年の京都大賞典を制したドレッドノータス（セ7、栗東・矢作）、京都2歳S勝ち、皐月賞5着などの実績があるクラージュゲリエ（牡4、栗東・池江）らも上位進出を狙う。

■2月16日、東京競馬場で共同通信杯（GIII、芝1800m）が行われる。

マイラプソディ（牡3、栗東・友道）は新馬戦、オープン特別、京都2歳Sと無傷の3連勝で来ている。軽快な出脚から流れに乗れるセンスと確実な終いの脚を高いレベルで兼備。完成度はかなり高く、初の関東遠征戦でも勝ち負けを意識できる。3カ月ぶりだが、放牧からの帰厩後は以前より楽に好タイムを出せるように。肉体の強化ぶり著しい。先週は武豊騎手を背に未勝利馬相手ではあったが、楽に追走併入を果たした。いい仕上がりだろう。

ほか、札幌2歳Sで3着があるダーリントンホール（牡3、美浦・木村）、荒削りな内容ながら新馬戦を勝ち切り能力をアピールした良血馬フィリオアレグロ（牡3、美浦・堀）、久々だった前走・京成杯で4着に入ったビターエンダー（牡3、美浦・相沢）、仏GI・サンチャリオットSを3連覇、来日してマイルCSで2回3着に入るなどの活躍を見せた女傑サプレザの仔サトノインプレッサ（牡3、栗東・矢作）らにも注目だ。

■2月15日、東京競馬場でクイーンC（GIII、芝1600m）が行われる。

ルナシオン（牝3、美浦・藤沢和）はGI2勝馬スワーヴリチャードの半妹という良血馬。昨年10月の新馬戦は序盤行きたがり、仕掛けられての反応はいまひとつ、と荒っぽいレース内容だったがいざ外に出されると圧巻の伸びを披露して勝ち切った。器は相当なものがありそう。4カ月ぶりかつ重賞初挑戦のここが試金石と言えるが、初戦を使われてのレース慣れを考えればあっさりクリアして不思議はない。初戦は千八戦だが、マイルの流れのほうが走りやすそうでもある。先週のコース追いではオープン馬ハウメアに追走先着と久々を感じさせない動きを見せており、態勢はほぼ十分だ。

ほか、新馬戦→1勝クラス特別と無傷2連勝中の良血馬ホウオウピースフル(牝3、美浦・大竹）、札幌芝二千の未勝利戦をレコード勝ちし京都2歳Sでは2着に入ったミヤマザクラ（牝3、栗東・藤原英）、ファンタジーSでレシステンシアの2着に入ったマジックキャッスル（牝3、美浦・国枝）らにも注目だ。

（Text:Nishimura）

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