おしらせ
【今週の重賞】[フェブラリーS]大器・レモンポップに4歳ドライスタウトや初の外国馬・シャールズスパイトが激突
■2月19日、東京競馬場で第40回・フェブラリーS(GI、ダ1600m)が行なわれる。
当初はGIIIのハンデ戦として「フェブラリーハンデキャップ」の名称で創設。その後、1994年にGIIに格上げされ、負担重量も別定に。さらに中央と地方の交流競走が拡充される流れにおいて、1997年にJRA初となるダートのGIに昇格した。中央のダート戦では最高峰のレースで、勝ち馬にはアドマイヤドンやヴァーミリアン、コパノリッキーといった歴史的な砂の猛者の名が数多く刻まれている。ただし近年はレースが高速化しているためか、ここ3年連続でマイラータイプが優勝。ダート馬らしい底力以上に、スピードが求められるレースに変貌しつつあるようだ。
連覇中のカフェファラオはサウジ挑戦で回避、最有力候補・ギルデッドミラーが電撃引退と、ライバルが立て続けにいなくなり、レモンポップ(牡5、美浦・田中博)が大本命に推されそう。新馬とカトレアSを2歳馬離れした圧巻のパフォーマンスで連勝。だがその後、脚部不安を発症し、丸一年を棒に振る。復帰後2戦は本調子ではなかったものの、それでも2着は確保。3戦目からは怒涛の“電車道”で4連勝を達成。重賞初挑戦となった武蔵野Sはハナ差2着に泣いたとはいえ、中1週の強行軍。休養をしっかり挟んだ根岸Sでは前走先着を許したギルデッドミラーを下して、初タイトルを手中に収めた。
10戦7勝2着3回の戦績からもわかるように、まだまったく底を見せていない。1400mがベスト距離に思われているフシもあるが、本レースと同コースの武蔵野Sは2着ながらパフォーマンスは高く、カトレアSの走りを見ても東京ダート1600mは適コース。500キロをゆうに超す大型馬で初の58キロも問題ないのでは。勝利にもっとも近いのはこの馬と思われるが、不安材料も2点。ひとつは間隔が詰まった中2週のローテ。もうひとつは鞍上が初騎乗の坂井騎手に替わること。参戦表明が遅かったこととあわせて、ゴドルフィンの所有馬だけに陣営の最大目標は3月のドバイの可能性がある。取りこぼすシーンも想定したほうがいいかもしれない。
対抗馬はドライスタウト(牡4、栗東・牧浦)で決まりか。デビュー2戦目のオキザリス賞を5馬身差で大勝し注目を集める。次走・全日本2歳優駿はダントツ1番人気に応えて快勝し、GI級の勲章をゲット。続く兵庫CSも1番人気に推されたが、約5カ月ぶりの休み明けと園田の馬場が合わなかったか、大差の4着に敗れて連勝がストップした。約半年の休養を挟み、仕上がり途上ながら初の古馬戦・霜月Sを楽に突破。続くすばるSはクビ差の2着に惜敗するも、勝ったバトルクライとは2キロの斤量差があった。
重賞実績は2歳JpnI1勝のみと、そこまで威張れるものではないが、勝ったレースはすべて圧勝で、ポテンシャルはかなりのものがある。また、前出のバトルクライが次走・根岸Sで0秒2差の3着に走っており、同馬をモノサシにすればレモンポップとそこまで力差もないはず。東京ダート1600mは初めてだが、距離は全日本2歳優駿でクリアしており、芝スタートも前走で克服。同じ東京のオキザリス賞の圧勝劇を見ても、舞台設定に問題はなさそう。530キロ台の巨漢馬のわりには器用さがあり内枠も苦にせず、斤量58キロも経験済み。さらに今回戸崎騎手がレモンポップではなく本馬に乗るのは、“ライバルの背中”を知っているという点も込みで大きなプラス材料だ。父シニスターミニスターの気ムラな面が出なければ好勝負が期待できる。
今年の大きな関心事は、フェブラリーS史上初めて海外調教馬のシャールズスパイト(牡6、加・R.アトフィールド)が参戦すること。米国の芝マイルGI・メーカーズマークマイルの勝ち馬で、同じく芝マイルGIのBCマイルでは2着。芝での活躍が目立つものの、ダートマイルのGIIIでも3着の好走経験がある。BCマイルで接戦を演じた勝ち馬モダンゲームスはマイルGI4勝で、サセックスSではGI6連勝の名馬・バーイードの2着に入ったほどの実力馬。それを踏まえると能力自体は十分すぎるものがあると考えられる。
米国のダートは質が異なるため、日本のダートが合うかどうかは未知数。ただし父のスパイツタウンはプロキオンSに勝ったマテラスカイやOP2勝のピンシャンなど産駒がすでに結果を残しており、実は日本のダート適性がもっとも高い可能性もある。またオーナーのC.フィプケ氏はJRAでの馬主資格を持ち中央2勝カナテープなどの所有馬を持つ知日家で、わざわざ遠征費を払ってまで出走するのだから本気度は高い。鞍上にも日本の騎乗経験豊富な“マジックマン”モレイラ騎手を配して万全の構え。海外輸送を無事クリアし、かつ日本のダートが合えば、直線突き抜けるのはこの馬かもしれない。
メイショウハリオ(牡6、栗東・岡田)は実績最上位。少しずつ条件戦を勝ち上がり、4歳11月にみやこSで重賞初優勝。マーチSにも勝利し、平安S3着後、大井の帝王賞を制してトップホースの仲間入り。しかし昨年暮れの東京大賞典では1番人気に支持されたが、勝ち馬から0秒8も離された3着に敗れ去った。能力は一級品だが問題はスピード能力。地方の2000m戦でも後方を追走する馬が、果たしてスピードが問われる東京ダートマイルで勝負になるのか。同コースの勝ち鞍はあってもそれは準OPでのものなので、そこまで参考にはならない。ただし道悪は滅法巧いので、重以上の差し馬場になれば逆転の目も。
そのほかには、一昨年の武蔵野S優勝馬で、昨年の当レースも少差の4着に走ったソリストサンダー(牡8、栗東・高柳大)、JBCスプリントを制し、昨年は1番人気(6着)に推されたレッドルゼル(牡7、栗東・安田隆)、地方交流の牝馬重賞を複数勝ち、牡馬相手のGI級・かしわ記念にも勝利したショウナンナデシコ(牝6、栗東・須貝)、さらには地方の牝馬重賞を総ナメにしている浦和の若き女傑・スピーディキック(牝4、浦和・藤原智)などもエントリーしている。中央のGI馬不在で小粒なメンバー構成。一本被りの人気になりそうなレモンポップ中心のレースになるだろう。
(Text:Hattori)
▽【関連リンク】
■【先週の結果】“高配当スナイパー”覆面トラックマン氏「共同通信杯」で3連単1万3800円ズバリ!馬券賢者1号氏は日曜小倉メインで万馬券!
■【Weekly POG2022⇒2023】先週分の結果を公開中
■【重要】登録ができない、メールが届かない会員様へ