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海外競馬

ピックアップレース情報提供 World RaceNews.com【WRN】

2018年06月09日(土)

ベルモントS(GI)ダ12F

  • 【レース格】★★★★★
  • 【総賞金】150万ドル
  • 【開催競馬場】ベルモントパーク
  • 【勝馬】ジャスティファイ
  • 【騎手】M.スミス
  • 【トレーナー】B.バファート
見解

【結果詳報】
現地時間9日(日本時間20日朝)、アメリカのベルモントパーク競馬場で行われた米牡馬クラシック3冠競走の最終戦、ダート12FのGI・ベルモントSは、マイク・スミス騎手騎乗の1番人気ジャスティファイ(Justify)が逃げ切って優勝。2015年のアメリカンファラオ以来、史上13頭目となる米3冠を無敗で達成した。

今年2月のデビュー戦から5連勝で2冠を達成したジャスティファイの3冠が懸かった今年のベルモントS。勝てば1977年のシアトルスルーに続く無敗での快挙達成になることから、非常に大きな注目を集めた。人気はそのジャスティファイが単勝1.8倍で1番人気。2番人気はケンタッキーダービー7着からの参戦になるホフバーグ(Hofburg)で、以下ヴィーノロッソ(Vino Rosso)、ブラヴァーゾ(Bravazo)という人気順となった。

レースは、これがアメリカ移籍初戦となったグロンコウスキー(Gronkowski)が、スタートでダッシュがつかず後方からの競馬に。対して、残る9頭は揃ったスタートを切り、最内枠からゲートを出たジャスティファイがハナを伺うが、僚馬リストーリングホープ(Restoring Hope)がこれをかわして先頭に立ってしまう。しかし、1コーナーに差しかかるとリストーリングホープは内を開けてジャスティファイに進路を譲り、再びジャスティファイが前へ。2番手以下は、1頭離れた最後方を進むグロンコウスキー以外の各馬が一団になっており、リストーリングホープとブラヴァーゾがジャスティファイの直後につけた。

向こう正面に入っても先行集団の隊列は変わらず、依然としてジャスティファイが1馬身ほどのリードを保って逃げる。その間、後方ではグロンコウスキーが前を走るフリードロップビリー(Free Drop Billy)との間隔を詰めて行き、3コーナーの入口で同馬をかわすとそのまま前の集団に迫って行った。その後、3コーナーに入ったところで徐々にペースが上がり始め、先頭争いでは後退してゆくリストーリングホープに代わってヴィーノロッソが2番手に浮上し、逃げるジャスティファイを追う。さらに、外を回ってスパートを開始したホフバーグやロスなく内ラチ沿いを回ってきたグロンコウスキーが一気に前に迫るが、ジャスティファイの手綱はほとんど動いておらず、3頭を従えて4コーナーをカーブした。

最後の直線では、逃げ込みを図るジャスティファイが2馬身近くまでリードを広げるが、単独の2番手に上がったグロンコウスキーもこれに懸命に喰らいつく。ゴールが近づくにつれて、2頭の差は少しずつ縮まっていったものの、グロンコウスキーは並びかけるまでの脚はなく、勝負はここまで。結局、最後まで踏ん張ったジャスティファイが大歓声の中、先頭でゴール板を駆け抜けた。

2着のグロンコウスキーは、初ダートの一戦で大健闘を見せたが1馬身3/4差及ばず。そこから1馬身3/4差離れた3着争いは際どくなったが、最後にホフバーグがヴィーノロッソをクビ差捉えて先着した。

勝ったジャスティファイは、父Scat Daddy、母Stage Magic(母の父Ghostzapper)という血統の3歳牡馬。デビューは今年の2月18日と遅かったが、デビュー3戦目のサンタアニタダービーで初GI制覇を果たすと、続くケンタッキーダービーでは3歳デビュー馬として136年ぶりに優勝、前走のプリークネスSも制して3冠に王手をかけていた。

【展望】
現地時間6月9日、アメリカ合衆国のベルモントパーク競馬場では米牡馬クラシック3冠競走の最終戦、3歳馬によるダート12FのGI・ベルモントSが行われる。

米3冠の中で最も古い歴史を持つベルモントS。レースが創設されたのは1867年のことで、その名は創設に携わったオーガスト・ベルモントSr.に由来する。同氏は1850年代に民主党全国委員会の議長を務めたほか、外交官などとしても活躍したが、その一方でスポーツ好きだったことからオーナーブリーダーとして競馬にも関わった。創設時のベルモントSは、ジェロームパーク競馬場の13F戦として行われたが、1874年に距離を12Fへ短縮した。その後も、10Fへの短縮や13Fへの再延長といった変更がなされてきたが、1926年以降は12Fでの開催が定着しており、現在ではアメリカで行われているダートGIの中で最も距離が長い競走になっている。こうした距離に加えて、ベルモントSは過酷な日程下で行われる米3冠を締め括るレースであることから“The Test of the Champion(チャンピオンの試練)”と呼ばれている。なお、現在のベルモントSは、ベルモントパーク競馬場が舞台になっているが、同競馬場でレースが行われるようになったのは競馬場が開場した1905年のことである。

米3冠の最終戦ということで、過去の勝ち馬には2015年のアメリカンファラオなど歴代の3冠馬12頭が含まれるほか、マンノウォーやネイティヴダンサー、エーピーインディといった名馬が名を連ねる。日本競馬と関わりのある馬では、種牡馬として輸入されたサンダーガルチやサマーバード、エンパイアメーカーなどがこのレースを制している。また、日本関連の馬では、ラニが2016年のこのレースに日本調教馬として初めて出走して3着に好走したほか、同馬のオーナーである前田幸治氏がアメリカで所有していたサンデーブレイクが、2002年のベルモントSで3着に入っている。そのほかでは、2008年にカジノドライヴ、2017年にエピカリスが米遠征を試みたものの、それぞれ直前になって出走を取り消すということがあった。

次に、舞台となるベルモントパーク競馬場についてだが、同競馬場があるのはニューヨーク州の郊外、ジョン・F・ケネディ国際空港から北東に約15kmのところ。前述の通り、開場は1905年だが、施設の老朽化によって1963年に一度閉鎖されている(1968年に再開場)。

コースは、メイントラックとなる1周2400mのダートコースの内側に1周2100mと1周1900mの芝コースがあり、直線の長さは芝、ダートともに約330m。北米では随一の大きさを誇る競馬場で、1周1600mのトレーニングトラックや1800頭以上が収容可能な厩舎地区などが隣接している。ダート12F戦のスタート地点は、ゴール板の手前に設けられ、各馬はそこからコースを1周する。1コーナーまでの距離が比較的あるため、枠順による有利不利はほとんどない。

さて、ここからは出走馬の紹介に移りたい。今年のベルモントSは10頭によって争われる見込みだが、注目は何といっても史上13頭目の3冠が懸かるジャスティファイ(Justify)だ。

今年2月のデビュー戦から5連勝で2冠を達成したジャスティファイ。前走のプリークネスS(ピムリコ、GI、ダ9.5F)では最大のライバルと見られていたケンタッキーダービーの2着馬グッドマジックが積極的なレースを見せたため、序盤からマッチレースを演じる形になったが、これを直線入口で振り切ると最後は後続の追い込みを半馬身退けて勝利した。2戦続けて不良馬場での競馬になったことから疲労が心配されたものの、幸い大きな問題はないようで、レース後はケンタッキーダービーが行われたチャーチルダウンズ競馬場で調整が続けられてきた。ここまでの調整過程を踏まえるとコンディション自体は問題ないと見て良さそうだ。しかしながら、今回は未知の12F戦。ジャスティファイの父であるスキャットダディは9Fまでしか勝利経験がなく、産駒も短距離での活躍が目立つ上、母も現役時代はマイル前後の距離で走っていたことを考えると距離に対する不安は少なからずある。能力が抜けているため、力の違いで克服してしまう可能性もあるが、過去に多くの2冠馬が3冠達成を阻まれてきた歴史を思うと、まさかのシーンがあっても不思議ではない。勝てば2015年のアメリカンファラオ以来3冠誕生、しかも無敗での快挙達成なら1977年のシアトルスルー以来となるが、果たしてどうなるだろうか。

一方、ジャスティファイの3冠阻止を目指す馬たちだが、その筆頭になりそうなのはプリークネスSでジャスティファイを追い詰めた2頭、ブラヴァーゾ(Bravazo)とテンフォールド(Tenfold)か。

ブラヴァーゾは、3冠初戦のケンタッキーダービーでは6着に敗れたが、前走では直線で鋭く追い込んで半馬身差の2着に食い込んだ。当時はジャスティファイとグッドマジックが速い流れでレースを引っ張っており、展開が向いたという部分もあるが、今回もジャスティファイへのマークが集中することが予想されるだけに、再び展開の恩恵を受ける可能性がある。

対するテンフォールドは、デビュー2連勝で挑んだGI・アーカンソーダービーで5着に敗れたが、それ以来の出走だったプリークネスSではブラヴァーゾとともに直線で追い込み、2着からクビ差の3着に健闘した。結果的に外を回って先に動いた分だけ先着を許したが、着差は僅か。3冠全てに出走することになるブラヴァーゾと比べると疲労も少ないと思われるだけに、この差は逆転可能なはず。あとはジャスティファイとの力差がどうか、といったところか。

また、ケンタッキーダービーの7着馬でプリークネスSをパスしたホフバーグ(Hofburg)も侮れない。こちらは昨年のタップリットなど過去3頭のベルモントS優勝馬を送り出しているタピットの産駒で、母の父タッチゴールドもこのレースの勝ち馬である。血統的には最もこの舞台に適していると言えるだろう。1勝馬ではあるが、GI・フロリダダービー2着の実績があり、ケンタッキーダービーでは4角13番手から追い込んだ。こうした一連の内容を見ると無視はできない。

上記の馬たち以外でケンタッキーダービー、もしくはプリークネスSから参戦するのはヴィーノロッソ(Vino Rosso)、ノーブルインディ(Noble Indy)、フリードロップビリー(Free Drop Billy)の3頭で、いずれもケンタッキーダービーからの参戦になる。3頭の中では当時9着のヴィーノロッソが有力だが、前述した馬たちに遅れをとっているのも事実。それであれば、初の不良馬場が仇になった可能性があるノーブルインディの巻き返しに注意したい。

3頭いる別路線組では、GIII・ピーターパンS(ベルモントパーク、ダ9F)を勝ってきたブレンデッドシチズン(Blended Citizen)が有力だが、近年のピーターパンS優勝馬は2014年のトーナリストを除いて苦戦が続いている。ブレンデッドシチズン自身、2走前のGII・ブルーグラスSではグッドマジックやフリードロップビリーに先着を許して5着に敗れており、力不足の感が否めない。

イギリスからケンタッキーダービー参戦を目指したものの感染症のために回避し、直後にアメリカへ移籍したグロンコウスキー(Gronkowski)、ジャスティファイと同じボブ・バファート厩舎のリストーリングホープ(Restoring Hope)もここでは苦戦を強いられそうだ。

※記載している出走予定馬については6月8日(午前11時)時点でのものであり、今後、出走取消等により出走しない場合もありますので予めご了承ください。

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