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競馬サロン

白井寿昭

2019/08/20 17:00

アカデミック連載『ダンジグ』(part2)

【第4章・ダンジグと日本競馬】

・日本におけるダンジグ産駒

ダンジグの血統は瞬く間に世界中へと広まった。
それは日本も同じだが、我々の国がダンジグの血を取り込もうと動き出したのは1980年代の後半。
ダンジグ産駒が日本の競馬を走っていたのは、ダンジグにとって後期の産駒になる90年代だった。
導入するまでに時間を要した理由は、前回の連載で述べたとおりである。

フランスとイギリスのGIを勝ったアグネスワールド。
彼は母父にシアトルスルーを持つダンジグ産駒で、ノーザンダンサーの2×4というインブリードを持った馬だった。
これが豊富なスピードを持っていた理由かもしれない。

1994年に最優秀3歳牝馬(現在の2歳女王)のタイトルを獲得したヤマニンパラダイス。
彼女も好景気に沸いた日本経済の恩恵を受けて登場した1頭と私は記憶している。
浅見秀一厩舎の管理馬だった彼女は母父にアリダーがいるダンジグ産駒。
キーンランドセールで80万ドルの値を付けた高額馬だった。
ちなみに私はその現場を目撃した一人。
凄い馬が日本に入ってくる。
そんなことを思ったのと同時に、現在の日本の景気は異常かもしれない。
そんな感想も持った。

前回の連載でも話をしたが、1980年代後半から90年代にかけての主役はバブル景気に沸いていた日本だった。
この異常な好景気の影響で、多くの名馬や血統馬が海を渡り、日本でスタッドインしている。
サンデーサイレンスもそうだろうし、ラムタラやダンシングブレーヴも同様。
他にも多くの素晴らしい馬が日本へとやって来た。

それだけではない。
取り逃した血を求めた日本の生産界は彼らの後継種牡馬、彼の血を持った繁殖牝馬を買い漁った。
私が求めたニジンスキーの繁殖、すなわちダンシングキイの導入もこのあたりの時期。
ニジンスキー肌だけでなく、ヌレイエフ肌にダンジグ肌と多くのノーザンダンサー系の繁殖牝馬が、海を渡って日本にやって来た。
そして、彼女たちの多くはサンデーサイレンスの配合で、多くの名馬を産み落としていくことになる。

血統を見るときは母系から…と言うが、バブル景気が来るまでの日本は、ベースとなる繁殖牝馬の質が海外のそれに比べて相当に低かった。
それを押し上げたという意味でも、バブル景気に感謝するところは大いにあると思う。

・ダンジグの後継種牡馬たち

ダンジグ産駒で最も著名な馬、重要な後継種牡馬といえば、即答で「デインヒル」となるだろう。
しかし、現在の血統地図において、デインヒルという馬は、あまりにも重要な存在となってしまった。
特にオーストラリアではそうだ。
ゆえにダンジグの系統から独立し、自身の系統を確立しているデインヒルに関しては、ダンジグの後継種牡馬とそれらについての私の見解を述べたあと、改めて後述するつもりでいる。

最初に取り上げる馬はグリーンデザート。
1983年生まれの彼もすでに死亡し、今後の発展は後継種牡馬たちに委ねられているわけだが、すでにデインヒルに匹敵するほどの隆盛を誇り、新たにグリーンデザート系として系統を作りそうな勢いがある。

ダンジグから受け継いだスピードが、グリーンデザートの活躍を後押ししているのは確かだが、現役時代の彼はジュライCという6ハロンのGIを勝っている程度の馬。
しかし、そんな彼が種牡馬となって大活躍することになった。
ノーザンダンサー系の馬はこの手のタイプが少なくなく、それが誇るようなキャリアでなくてもスタッドインさせる理由のひとつであるように思う。

グリーンデザートの特徴はスピード。
読者の方の認識もおそらくはそのようなものだろうし、私も同様な認識を持っている。
しかし、実際に私が見たグリーンデザートの印象。
これがダンジグとは少し違っていた。
それについての話から、次回はスタートしたい。

【第5章・グリーンデザートの魅力】

・ダンジグとグリーンデザートの違い

実際に見たグリーンデザートの馬体は、ダンジグに感じたそれと少し違っていた。

長距離体型とまでは言わない。
しかし、ダンジグよりも明らかに胴が伸びた体型に、私は「このような馬体の馬がスピード馬を出すのか。興味深いな」と思った。
そう感じてしまったのだ。

グリーンデザートにはスピードがある。
これは否定できない部分だ。
しかし、彼の母系に改めて目を転じてほしい。
グリーンデザートの母父はサーアイヴァーであり、その先にはネヴァーベンド。
距離を克服して不思議のない馬たちの名が、そこに並んでいることに気付くだろう。

何度も言うが、グリーンデザートの最大の武器はスピードだ。
これがあるからこそ活躍できる。

彼の代表産駒の多くはスプリント路線で名を残している。
日本で活躍した馬の名を出すなら、高松宮記念を制したシンコウフォレスト。
半弟に英ダービー馬ニューアプローチがいる同馬でさえも、活躍するフィールドはスプリント戦に限られた。
ダンジグ→グリーンデザートの影響が強く出ていたためだ。

・ケープクロスに感じるイメージの違い

しかし、グリーンデザートを父に持つ種牡馬。
例えば、シーザスターズの父となったケープクロスについて考えてみたい。

現役時代はロッキンジSという8ハロンのGI勝ちが目立つ程度。
ロッキンジSの勝ち馬にはフランケルの名もあるが、そこまで重要視される1戦でなく、叩き台のように使われることまであるレースだ。
そのくらいの実績しか残せなかったケープクロスが、種牡馬として素晴らしい名馬を送り出していくのだから、これも血統の面白さ、素晴らしさと言えるだろうか。

英ダービーに凱旋門賞を勝ったゴールデンホーン。
英オークスを筆頭にGIを7勝したウィジャボード。
どちらもクラシックディスタンスで活躍した馬であったことは、実に興味深い事実と言えるだろう。

考えてもみてほしい。
グリーンデザート×アホヌーラというケープクロスの血統構成は、簡単に言えばスピードとスピードの掛け合わせ。
前述したシンコウフォレストと同じ配合でもある。
なぜ、このような種牡馬から2400mをこなす馬が出るのか?
それはグリーンデザートの母系に理由があるのではないか、と私は考えている。

繰り返し述べてきたことを今回も言いたい。

ノーザンダンサー系が発展した大きな理由は二つある。
ノーザンダンダー系の持っているスピードが、極めて高いレベルにあったこと。
自身の特徴だけを押し出すのではなく、掛け合わせる相手の特徴も上手に引き出したこと。
この二つの相乗効果により、ワンパターンな血統にならかったことが大きかった。

ニジンスキーとリファールは違う。
リファールとダンジグも違う。
これから取り上げる予定のストームキャットとサドラーズウェルズは、対極と呼べるほどに違う。
それがノーザンダンサー系の素晴らしさであり、ゆえに長い時間をかけて掘り下げているわけだ。

ダンジグ系の根本はスピードだ。
しかし、ダンジグ系とひと括りにされる彼らの特徴も、実は微妙に違っている。
そこには血統にとって非常に重要な母系の存在があるのだ。

【第6章・グリーンデザートの多様性】

・凱旋門賞馬を生み出す理由とは

ダンジグ系の中でも重要な存在となっているグリーンデザート。
彼に対しての考察は非常に興味深いものだ。

グリーンデザートの産駒は、ダンジグのそれと同じようにスプリント戦で強さを見せる。
スピードに偏ったレースぶりは、ときに「淡白」と表現されることもあるほどだ。
では、グリーンデザートの後継種牡馬たちはどうだろうか?

もちろん、彼らの根底には偉大な種牡馬ダンジグのスピードがある。
しかし、ケープクロスから出現したシーザスターズにゴールデンホーンといった凱旋門賞の勝ち馬たちはスピードタイプの種牡馬ではなく、対極のスタミナタイプとして認識されている。
これも非常に興味深いところだ。

前回、私はケープロスのような種牡馬が出現した背景についての考えを示した。
それはグリーンデザートの母系にあるのではないか、と。

グリーンデザートの産駒はダンジグのそれと同じように、短い距離を得意とする馬が多い。
しかし、私が見たグリーンデザートはダンジグよりも胴の伸びた体型をした。
そして、このような体型になった理由として、私はグリーンデザートの母系にいるサーアイヴァー、ネヴァーベンドといった長い距離をこなす馬の名をあげた。
隔世遺伝が目に見える形として、そこに表れていたのだ。
そのような考え方をすることにより、グリーンデザート系に対する多くの疑問への答えを見つけられるのではないだろうか。

・可能性の塊

グリーンデザートの産駒が走っていた当時、私は彼の産駒が距離をこなすと思っていなかった。
むしろ、スピードタイプのグリーンデザートに何を掛け合わせるか?
スピードにスピード?
それとも、配合の基本であるスピードにスタミナのほうが合うだろうか?
それだけを考え、それ以外のことは意識しなかった。
おそらくは誰もがそうだっただろう。
もしかしたら、現在もそうかもしれない。

ケープクロスが出ても、彼がシーザスターズのような馬を出しても、その考えを変えない、変える必要がないと考えている。
ダンジグ産駒のグリーンデザートに対する偏見にも似た先入観を、多くの人間が持っているからだ。

しかし、改めて思う。
グリーンデザートを初めて見たときに感じた私の印象。
あれこそが正解ではなかったのか、と。
「まるっきりの短距離馬ではないな」。
そんな気がした。
あの印象を優先させても良かったのではないか、と思うこともあるのだ。

グリーンデザートの名を血統表に見れば、誰もがスピードをイメージするだろう。
実際、グリーンデザートの重要な後継種牡馬となっているインヴィンシブルスピリット。
すでに彼の後継種牡馬を世界中の生産者が探し始めている。

それはインヴィンシブルスピリットが優秀なスプリンターとしての影響力を持っているからであり、2017?18シーズンのオーストラリア・サイアーランキングで2位になっているアイアムインヴィンシブルは、典型的なダンジグ系のスプリント種牡馬として活躍もしている。

しかし、例えば、インヴィンシブルスピリットが輩出した初めてのGI勝ち馬ローマン。
彼は自身がダービーを勝ったフランスの地で、オークス馬を輩出した。
名マイラーとして名を馳せたキングマンは、インヴィンシブルスプリットのイメージよりも少し長めの距離で結果を出している。
彼の産駒は日本にも入ってきているが、それはダンジグやグリーンデザートの産駒よりもこなせる距離の幅が広いと購入者が感じているためではないだろうか。

活躍するフィールドは多岐に渡る──。
イメージと異なる多様性こそがグリーンデザートの可能性の大きさであり、発展していく一番の理由でないか、と私は考えている。
そして、そのすべてはグリーンデザートの馬体、血統で説明できることだったというわけだ。

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