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競馬サロン

白井寿昭

2019/08/13 17:00

アカデミック連載『リファール』(part2)

【第4章・最大の活躍馬・ダンシングブレーヴ】

・リファールとの相違点

今回はリファールの代表産駒であるダンシングブレーヴの話をしたい。
彼ほどの名馬が日本で導入されることになった理由のすべては、奇病と言われるマリー病を発症したため。
ゆえにヨーロッパは彼を手放したのだが、ヨーロッパに残してきた産駒の中からでもコマンダーインチーフ、ホワイトマズルといった活躍馬が出ている。
競走馬としてだけでなく、種牡馬としての能力も高い馬だったと考えていいだろう。

ステイヤー然としたダンシングブレーヴ自身のパフォーマンスは、スピード豊富なリファールの影響をあまり感じさせないものだった。
特に凱旋門賞で見せた豪快な追い込み。
あれこそがダンシングブレーヴの特徴であるのなら、リファールのそれとはかけ離れた馬ということになる。
リファールは自己主張がそこまで強くなく、母系の特徴を出してくるタイプの種牡馬といった話をしたが、ダンシングブレーヴは母系にスタミナ豊富なサーゲイロードがいた。
この馬の影響が強く出ていたと考えるのが自然と私は思う。

ダンシングブレーヴが種牡馬入りした当時、彼がどのようなタイプの産駒を出してくるか?
それが私には読めなかった。
父系と母系のどちらを出してくるかが読めない種牡馬は、確かに奥が深い。
サンデーサイレンスのような適当に自己主張をしながら、繁殖の良さも引き出してくれる種牡馬は理想だ。
しかし、それも現代競馬に必要不可欠なスピードを持っていることが大前提。
それを視認できたサンデーサイレンスと違い、スタミナ色の強い走りを見せたダンシングブレーヴにはスピードの裏付けがない。
だからこそ、彼の産駒は判断が難しかった。

ダンシングブレーヴが強く出てしまった場合の不安。
単純なスピード不足によって、勝負にならない馬ばかりが出てくることも予想されたからだ。

・ダンシングブレーヴの二面性について

彼が日本に導入されたとき、私はダンシングブレーヴの血統に手を出さなかった。
キョウエイマーチやテイエムオーシャンのような、スピードに溢れた馬を出すと予測するのが困難だったことが一番の理由。
豊富なスタミナを武器とし、強靭な末脚を使うエリモシックのような馬こそが、ダンシングブレーヴ産駒の大物ではないか、と当時の私は考えていたのだ。
結果的にダンシングブレーヴにもリファールの二面性は存在し、結果を残したのもスピードに優れたタイプ。
しかし、そのすべては後付けだ。
種牡馬の方向性を掴み、それに適した路線の選択や育成をすることが成功の秘訣であるとするのなら、ダンシングブレーヴに対しての認識を私が確立した時期は、あまりにも遅かったということになる。
サンデーサイレンスがいた時代にダンシングブレーヴを重宝する必要はない。
そのような考えが背景にあったことも事実ではあるのだが…。

前述したコマンダーインチーフ、ホワイトマズルもスピードに特化した馬ではなかった。
しかし、彼らのような後継種牡馬でさえ、その産駒はリファール系の特徴である二面性を見せる。
天皇賞・春を勝ったイングランディーレのようなスタミナ系の馬もいれば、シルポートのようなマイルの逃げ馬、ビハインドザマスクのような短距離の差し馬と多彩な産駒を送ったホワイトマズルは、ダンシングブレーヴに近いタイプの種牡馬だったと言えるだろう。
これはリファールの系統を考えるとき、常日頃から頭のどこかに入れておきたい考え方だろう。

キョウエイマーチとテイエムオーシャンの2頭は、ダンシングブレーヴが輩出した桜花賞馬で、スピードを最大限に生かした先行策を武器としていたことでも共通していた。

テイエムオーシャンの血統構成は、彼女を生産した牧場の意図を汲み取りやすいものだ。
エルプスのスピードだけでは不安なので、クラシックディスタンス向きのリヴリアを入れてみる。
しかし、それでもエルプスの血が強いようなので、今度はダンシングブレーヴを迎えてみた。
あまりにも凄すぎるエルプスのスピードにスタミナ、スタミナと加算させることで、なんとか距離を持たせたいという思惑が見て取れる血統構成。
私はこのような明確な考えの元に行われる生産の仕方が大好きだ。

しかし、何度も述べているようにリファールの系統には二面性がある。
本来、スタミナを補完する役目を担うはずだったダンシングブレーヴは、母系の特徴を引き出すだけでなく、自身の中に眠るリファールのスピードまで加算して、桜花賞をあっさりと押し切るスピード馬を作り出してしまった。
ゆえにテイエムオーシャンはイメージと違う形で生まれた名牝という認識を私は持っている。
もし、このイメージを最初から持っての配合だとすれば、それは先見の明がある素晴らしい配合ということになるだろう。

キョウエイマーチの母父はブレイヴェストローマン。
テイエムオーシャンほどのスピードを持っている母系ではないが、道悪もダートも苦にしない彼女のパワーを引き出したのはリファール系の二面性。
この母系のスピードを一枚上のステージへと導くことにも成功している。
ダンシングブレーヴ自身のイメージとはかけ離れた馬だったが、それもダンシングブレーヴという種牡馬の特徴であったわけだ。

もちろん、ダンシングブレーヴにも様々な馬がいて、父のリファールがそうだったように特徴を一つで語ることができない。
私が知るダンシングブレーヴの産駒の中で、最も語らなければならない馬はキングヘイローではないだろうか。
私が管理したスペシャルウィークの同期のライバル。
彼もまた不思議な形でGIレースを制した馬だった。

【第5章・キングヘイローから得られる知識】

・偉大な父母を持つ馬

現役時代のインパクトが凄まじかったこともあり、種牡馬としての活躍はそこまででなかったようにも感じるダンシングブレーヴ。
しかし、実際はGI馬を何頭も輩出しており、目立つレベルではないものの、そのサイアーラインは現在も続いている。

その中核を担っているのがキングヘイロー。
彼は私が管理したスペシャルウィークと同世代の馬だ。
しかし、スペシャルウィークにとっての最大のライバルは、皐月賞と菊花賞を勝ったセイウンスカイであり、負けることの少なかったキングヘイローに対しては、勝負付けの済んでいる馬という気持ちがあった。

しかし、生産界の血統に対する期待、支持とは正直なものだ。
父がシェリフズスターのセイウンスカイよりも、血筋の良かったキングヘイローのほうが期待値は大きく、実際に種牡馬入り後の活躍には大きな差が出た。

父がダンシングブレーヴというだけでなく、ケンタッキーオークスを筆頭にアメリカのGIを7勝もしたグッバイヘイローを母に持つキングヘイローは超の付く血統馬。
欧州の最強馬とアメリカの最強牝馬の掛け合わせに、大興奮した血統ファンも多かったのでないだろうか。
彼の血を残していくことを生産界が求めるのは当然で、その思いが20年という月日を経た現在までも繋がっているわけだ。
血統とは「人間の意思」が働いたもの。
夢を抱けるかどうかが重要ということだ。

余談だが、グッバイヘイローが登場したセールの現場にも私は立ち会っている。
それほど大きい馬ではないが、ヘイローの子だけあってスピードがありそうだ。
そんな印象の馬だったように記憶している。
彼女ほどの名牝ともあれば、周囲の注目度も高く、この馬を買ったのが協和牧場の淺川吉男さんであったことに驚きも感じた。
すごい実績の馬が日本に来る。時代も変わったな。
そう感じた記憶も残っている。

・キングヘイローにもある二面性

ダンシングブレーヴという馬のイメージを考えたとき──。
彼に強い影響を与えているのは、母系にいるサーゲイロードという話はさせてもらった。
この馬の存在こそがダンシングブレーヴの主戦場を2400mにした理由…と私は考えているのだが、実はグッバイヘイローの母系にもサーゲイロードが入っていることをご存知だろうか?
つまり、キングヘイローはサーゲイロードの4×4というインブリードを持っていた馬であり、ゆえに彼の適性はクラシックディスタンス──と多くの識者は考えた。

私もその前後に適性があると当初は考えていたのだが、何度も述べてきたように、二面性を持っているのがリファールの系統の特徴だ。
クラシックでもそれなりに走りながら、最終的に芝1200mの高松宮記念を勝ったキングヘイローは、それを体現した馬と言えるかもしれない。
彼の辿った足跡は、その血統の特徴によって説明できるわけだ。
面白いことに、キングヘイローの数奇な競走生活は彼の産駒にフィードバックされ、ダンシングブレーヴから続く本格派のタイプ、スピードを武器にするスプリンタータイプに分かれることが多い。
前者の代表がオークス、秋華賞を勝ったカワカミプリンセス。
高松宮記念とスプリンターズSを制したローレルゲレイロは後者の代表だろう。

リファール系らしいと言えば、答えは簡単だ。
しかし、生産者の立場で考えれば、産駒のイメージを描きにくい種牡馬はどうなのだろう?
何が出るかわからない面白さを否定するつもりはないが、ビジネスとして馬産をする以上は、ある程度の予測ができたほうがいい。
ディープインパクト産駒なら、芝の中距離で切れるタイプの馬。
このようなイメージを持てることが重要で、私が馬を選ぶ際の判断基準でもある。

リファールのサイアーラインがもうひとつ爆発しきれないのは、その二面性が生産者の気持ちにストップをかけているためではないか?
そう考えると物事は非常にシンプル。
キングヘイローはリファール系の考察に適した馬であり、父のダンシングブレーヴ以上にリファールの二面性を持っていた馬とも言えるだろう。

【第6章・名牝ウインドインハーヘアの考察】

・リファールの特徴が生んだ繁殖牝馬

リファール系統の馬はそこまで自分を主張しない特徴があるためか、私の中にも強い印象が残っておらず、ゆえに積極的に知識を取り込もうという意識も持たなかった。
同じノーザンダンサー系でも、ニジンスキーとは扱いが違ったわけだ。
しかし、この系統の考察を進めれば進めるほど、血統表の中にリファール系の馬が存在することの意義の大きさを知らされた。
彼らの存在がアクセントとなり、配合相手の優秀な血を目覚めさせる。
リファール系統の血は宝箱を開けるための「大事な鍵」になりえるものだったのだ。

最も顕著な例はリファール直子のアルザオを父に持つ繁殖牝馬で、ディープインパクトの母として知られるウインドインハーヘアではないだろうか。
もちろん、ディープインパクトの成功は、父であるサンデーサイレンスの遺伝子によるところが大きい。
しかし、ウインドインハーヘアが凡庸な繁殖牝馬であったなら、ディープインパクトのような馬は登場しなかっただろう。
なぜなら、サンデーサイレンスは自身の能力を伝えるだけでなく、繁殖牝馬の持っている潜在能力を引き出す力に優れた種牡馬。
だからこそ、サンデーサイレンスは様々なタイプの産駒を生み出すことができたのだから。

ウインドインハーヘアはシーキングザゴールドとの配合で、レディブロンドという優れたスプリンターも輩出している。
この連載を楽しみにしてくれている読者の方には説明不要だろうが、レディブロンドはダービー馬レイデオロの祖母。
キングカメハメハ×シンボリクリスエスの配合で生まれたレイデオロには、サンデーサイレンスの血が一滴も入っておらず、サンデーサイレンスの能力を借りずに日本競馬の頂点に立った、現在では珍しいタイプの名馬と言えると思う。

レイデオロの話をもう少しさせてもらおう。
彼はスピード豊富なミスタープロスペクターの3×4というインブリードを中心にした血統構成の馬で、シーキングザゴールドやリファールの血がベースになっている。
にもかかわらず、スピードだけでは乗りきれない2400mの距離を克服した。
この事実を認識し、改めて注目すべき存在。
その馬こそがウインドインハーヘアの父であるアルザオではないか、と私は考えている。
母系に眠る能力を掘り起こした馬。
そんな表現が妥当だろうか。

・アルザオが果たした役目とは?

目立った現役生活を送ることなく、その血統構成のみを買われて種牡馬入りしたアルザオは、多くのステークスウイナーを送り、十数頭のGI勝ち馬も輩出しているが、血統史を変えるほどの活躍はもちろん、その時代を代表する名馬を出すこともなかった。
中級、もしくはそれより少し上くらいの種牡馬の認識で問題ないだろう。
そんな彼がウインドインハーヘアという歴史の残る名繁殖牝馬を送り出せた理由は何だったのか?
それこそが解明すべきファクターになる。

リファールは宝箱を開ける鍵になる系統という説明を冒頭にさせてもらった。
世界に通用するスピードを自身の中に宿しながら、それを全面に出し続けるわけではなく、ある時は母系のスタミナをサポートする役目にも徹する。
主役にも脇役にもなれる存在。
それがリファールという馬、リファール系の特徴であると思う。
直子のアルザオも同様の特徴を持っており、彼も強い自己主張をすることなく、母系の持っていた能力を引き出すことができる種牡馬だったのではないか。
ウインドインハーヘアの祖母にあたる名牝ハイクレアの潜在能力を見事に甦らせたのは、控えめな種牡馬であるアルザオ。
そう考えると、すべてのことが一つにまとまる気がする。

リファール系の話からは少し逸れてしまうが、ウインドインハーヘアの血統は現在の日本競馬からは切り離せないほど重要なものだ。
その祖となったハイクレアについてなど、私の考察を話すいい機会。
ゆえに次回の連載では、ハイクレア関連から話を勧めてみたいと考えている。

実はその話さえも、リファール系の面白い特徴へと繋がることになるのだが──。

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