2023/05/23 UMAJiN.net/データ部「重賞攻略データ」
【葵S(GIII)攻略データコラム】京都の葵Sは内枠有利
葵S(GIII) 3歳 別定 京都芝1200m
※データについては本文中に特に記載のない限り、OP特別時代、格付けなし重賞時代を含めた過去10回分を対象として分析している。
■人気
1人気【4.1.0.5】
勝率40.0%、連対率50.0%、複勝率50.0%
2人気【1.1.2.6】
勝率10.0%、連対率20.0%、複勝率40.0%
3人気【0.1.0.9】
勝率0.0%、連対率10.0%、複勝率10.0%
4人気【1.1.1.7】
勝率10.0%、連対率20.0%、複勝率30.0%
5人気【0.1.1.8】
勝率0.0%、連対率10.0%、複勝率20.0%
6-9人気【3.3.2.32】
勝率7.5%、連対率15.0%、複勝率20.0%
10人気以下【1.3.3.55】
勝率1.6%、連対率6.5%、複勝率11.3%
1番人気の複勝率は50%止まり。ただ重賞昇格後は【3.0.0.2】で勝率60%なので数字としては悪くない。このあたりは重賞格がついたことで有力馬が参戦してくるようになったという事情もありそうだ。
しかしながら2-5番人気はあまり信用できない傾向に変わりはない。特に3番人気は一昨年のヨカヨカ以外馬券に絡んでいないので要注意。
反対に下位人気からでも馬券になるので人気薄にも注意を払いたいレースと言える。その証拠に過去10年の葵Sで出走全頭の単複を買っていた場合の回収率は単勝117%、複勝116%と異様に高い。「この馬はさすがにないだろう」はこのレースに限って言えば不要の考え方だ。
■性別
牡馬・セン馬【4.4.5.66】
勝率5.1%、連対率10.1%、複勝率16.5%
単勝回収率41%、複勝回収率121%
牝馬【6.7.4.53】
勝率8.6%、連対率18.6%、複勝率24.3%
単勝回収率209%、複勝回収率114%
牡馬より牝馬の方が好成績を収めている。2キロの斤量差が活きてきやすいのだろう。ちなみに過去10年で牝馬が馬券に絡まなかったのは13年のみとなっている。
■枠番
※京都開催だった13-20年を対象とした。
1枠【1.2.1.9】
勝率7.7%、連対率23.1%、複勝率30.8%
2枠【3.2.0.8】
勝率23.1%、連対率38.5%、複勝率38.5%
3枠【3.0.3.8】
勝率21.4%、連対率21.4%、複勝率42.9%
4枠【0.0.1.13】
勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率7.1%
5枠【0.2.0.14】
勝率0.0%、連対率12.5%、複勝率12.5%
6枠【1.1.2.12】
勝率6.3%、連対率12.5%、複勝率25.0%
7枠【0.2.0.14】
勝率0.0%、連対率12.5%、複勝率12.5%
8枠【0.0.0.16】
勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率0.0%
1-3枠の内枠が優勢で、ほとんどの勝ち馬が内枠から出ている。
4枠より外から勝ったのは20年のビアンフェだがこの馬は当日1番人気。4枠より外に入った馬の単勝回収率は4%、複勝回収率は40%。1-3枠のそれが単勝220%、複勝272%なのとは大違いだ。
迷ったら内枠の馬から選ぶ発想は持っておきたい。
■位置取り
※京都開催だった13-20年を対象とした。
逃げ【3.2.0.3】
勝率37.5%、連対率62.5%、複勝率62.5%
先行【2.3.2.20】
勝率7.4%、連対率18.5%、複勝率25.9%
中団【2.3.4.40】
勝率4.1%、連対率10.2%、複勝率18.4%
後方【1.1.1.31】
勝率2.9%、連対率5.9%、複勝率8.8%
逃げ馬は高い勝率、連対率を誇る。18年に9番人気でこのレースを制したゴールドクイーンなども出ており、人気薄でも逃げ馬にはケアが必要になりそうだ。
後方勢には単純に追走できない馬も含まれるため、どうしても率は低くなりがちだが、それでも複勝率で8.8%というのは狙いにくい。
馬券になった3頭のうち2頭は人気サイド。もう1頭はOP特別勝ちの実績がありながら10番人気と人気の盲点になっていた馬。後方から馬券になろうかと思ったら、それなりに人気している馬もしくはOPクラスでの実績は欲しいところだ。
■上がり3F順位
※京都開催だった13-20年を対象とした。
1位【3.2.0.5】
勝率30.0%、連対率50.0%、複勝率50.0%
2位【1.2.2.4】
勝率11.1%、連対率33.3%、複勝率55.6%
3位【0.0.0.7】
勝率、連対率、複勝率いずれも0%
4-5位【2.1.2.15】
勝率10.0%、連対率15.0%、複勝率25.0%
6位以下【2.4.3.63】
勝率2.8%、連対率8.3%、複勝率12.5%
「位置取り」の項目で逃げ馬が強いというデータを紹介したので「ならば上がりの脚は気にしなくてもいいか」と思ってしまいそうになるのだが、上がり3Fの脚は使える方が強いというのが何ともややこしい。上がり1-2位を記録した馬の複勝率は52.6%なので、上がりの脚を使えそうな馬を狙う作戦も十分に成立するだろう。
連系の馬券を購入する際は「逃げ馬」と「上がりが速い馬」という一貫性のなさそうな組み合わせをあえて買うのがポイントになるのかもしれない。
■馬体重
※京都開催だった13-20年を対象とした。
439キロ以下【1.3.1.17】
勝率4.5%、連対率18.2%、複勝率22.7%
440-459キロ【3.1.1.22】
勝率11.1%、連対率14.8%、複勝率18.5%
460-479キロ【0.2.2.27】
勝率0.0%、連対率6.5%、複勝率12.9%
480-499キロ【1.1.2.21】
勝率4.0%、連対率8.0%、複勝率16.0%
500キロ以上【3.2.1.7】
勝率23.1%、連対率38.5%、複勝率46.2%
500キロ以上の馬格がある馬が優勢。ちなみに540キロ以上だと【2.0.0.0】なのでデカ馬万歳な傾向と言える。
あとはいずれも横一線といったところ。20年は398キロのレジェーロが2着になったように小さい=即切りということにもならない。あくまでデカい馬の評価を上げるのに留めておきたい。
■データからのピックアップ
・ビッグシーザー(牡3、栗東・西園正)
500キロ超の馬体重に加え、逃げても良し、控えても上がりをまとめられるというキャラクターを特筆したい。馬群を捌く競馬も経験済みなので、内枠が強い京都の葵Sでもしっかり走ってくれるはずだ。
・トラベログ(牝3、美浦・岩戸)
このレースで強い牝馬からは前走のフィリーズレビューで前半600mの通過が33秒2という乱ペースを2番手で進めて失速したこの馬に注目。思い切ってハナに立つ競馬ができれば残り目も。出走できるようなら、そして内枠を引くようならチェックしておきたい1頭だ。
(Text:inoue)
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