2023/05/09 UMAJiN.net/データ部「重賞攻略データ」
【京王杯SC(GII)攻略データコラム】外寄りの枠と斤量減の好走目立つ
京王杯SC(GII) 4歳上 別定 東京芝1400m
※2013年以降、過去10年分のレースデータを基に分析する。
■人気
・1番人気/【4.0.0.6】
勝率40.0% 複勝率40.0%
・2番人気/【2.3.3.2】
勝率20.0% 複勝率80.0%
・3番人気/【1.0.1.8】
勝率10.0% 複勝率20.0%
・4-6番人気/【2.3.3.22】
勝率6.7% 複勝率26.7%
・7-9番人気/【0.2.3.25】
勝率0.0% 複勝率16.7%
・10番人気以下/【1.2.0.62】
勝率1.5% 複勝率4.6%
1番人気は最多の4勝を挙げる一方、2、3着はゼロ。負けた馬はすべて掲示板にすら載れなかったので、まさに“ピンパー”傾向にある。もっとも近2年連続で勝利しており、信頼度は上昇中。また、人気が割れるレースのせいか、単勝回収率は155%と大幅なプラス収支を残している。
1番人気以上に注目は2番人気。過去10年で2勝止まりながら、複勝率は80.0%と安定感はピカイチ。これだけの好走率を誇るのだから、当然回収率も優秀で、複勝は149%と、上位人気とは思えない高率を示している。人気からの狙い目はここになる。
それ以降は特に目立った傾向はなく、各人気から満遍なく好走馬は出ている。ただしフタ桁人気は11番人気までで、それより下の人気で馬券に絡んだ馬はいない。
■年齢
・4歳/【4.0.5.33】
勝率9.5% 複勝率21.4%
・5歳/【3.4.3.39】
勝率6.1% 複勝率20.4%
・6歳/【1.3.2.31】
勝率2.7% 複勝率16.2%
・7歳/【1.2.0.13】
勝率6.3% 複勝率18.8%
・8歳/【1.1.0.9】
勝率9.1% 複勝率18.2%
年齢別成績を見ると、4歳馬が最多の4勝を挙げ、勝率9.5%もトップ。ただし複勝率は各年齢大きな差は生じていない。
別定のGII戦、しかも短距離戦であれば、一般的にはスピードに秀でる若い馬の成績がよくなるもの。しかし京王杯SCは大きく偏った傾向は出ていない。
これは本レースの特徴である可能性がある。年齢については気にする必要はなさそうだ。
■枠順
・1枠/【0.0.2.14】
勝率0.0% 複勝率12.5%
・2枠/【0.1.2.13】
勝率0.0% 複勝率18.8%
・3枠/【1.0.3.13】
勝率5.9% 複勝率23.5%
・4枠/【0.2.1.16】
勝率0.0% 複勝率15.8%
・5枠/【4.0.0.16】
勝率20.0% 複勝率20.0%
・6枠/【1.2.1.16】
勝率5.0% 複勝率20.0%
・7枠/【2.2.1.16】
勝率8.7% 複勝率21.7%
・8枠/【2.3.0.19】
勝率8.3% 複勝率20.8%
・1-4枠/【1.3.8.56】
勝率1.5% 複勝率17.6%
・5-8枠/【9.7.2.69】
勝率10.3% 複勝率20.7%
枠順には見逃せない傾向がある。短距離戦にもかかわらず、内寄りの1-4枠の成績が芳しくなく、1枠は一頭も連対馬を出せていない。一方、外めの枠が優秀で、5-8枠からは勝ち馬が9頭、2着馬も7頭輩出している。昨年も1着は8枠、3着は7枠の馬。連対ベースでは明らかに「内枠劣勢、外枠優勢」になっているのだ。
また、この傾向は人気サイドに顕著。1-3番人気30頭の枠別成績を調べると、1-4枠は【0.1.4.7】と1着がゼロであるのに対し、5-8枠は【7.2.0.9】と優勝馬を独占していたのだ。
東京芝1400mのレース自体は枠の有利不利はあまり認められないので、この傾向は本レース特有のものなのだろう。内寄りの枠に入った馬、特に人気馬については割り引いて考えたほうがよさそうだ。
■斤量増減
・増減なし/【3.6.4.62】
勝率4.0% 複勝率17.3%
・斤量増/【1.1.2.26】
勝率3.3% 複勝率13.3%
・斤量減/【6.3.4.37】
勝率12.0% 複勝率26.0%
斤量の増減について調べると、前走から斤量が減る馬の成績がよく、回収率も単勝は126%とベタ買いで儲かる数字を記録していた。これは前走GIレースやハンデ戦などで重い斤量を課せられた馬が、斤量が軽くなって好走するケースが多々あるからだ。
一方、前走と斤量が変わらないと、好走率は平均値を下回り、さらに前走から斤量が増えてしまうと馬券絡みが急減する。こちらはGI勝ちのある馬が重斤量で凡走するパターンと、前走ハンデ戦で軽ハンデだった馬が斤量増で苦しむパターンにわかれている様子。
これらの傾向はハンデ戦の多い前走GIII組に顕著に表れる。前走GIII戦から斤量減で出走した馬は【2.2.2.5】勝率18.2%、複勝率54.5%と、2頭に1頭以上は馬券になる計算となり、回収率も複勝は174%を記録している。
☆前走から斤量減⇒アヴェラーレ、ウインマーベル、タイムトゥヘヴン、ダディーズビビッド、トゥラヴェスーラ、プルパレイ、ベレヌス、ミッキーブリランテ、モントライゼ、レイモンドバローズ
☆前走GIII戦で今回斤量減⇒タイムトゥヘヴン、ベレヌス、ミッキーブリランテ
■脚質
・逃げ/【1.0.1.8】
勝率10.0% 複勝率20.0%
・先行/【2.3.3.25】
勝率6.1% 複勝率24.2%
・差し/【5.4.3.51】
勝率7.9% 複勝率19.0%
・追込/【2.3.3.41】
勝率4.1% 複勝率16.3%
脚質別成績は、勝率は逃げ、複勝率は先行がそれぞれ1位と、率的には逃げ先行が優勢。もっとも、そこまで大きな差はないうえ、実数は差し追い込みが7勝2着7回3着6回と、大半を占めている。
差し追い込みが決まるのであれば、決め手がモノを言うレースかと思いきや、上がり3F順位1-3位の成績は【4.5.3.23】勝率11.4%、複勝率34.3%と、そこまででもない。
直線の長い東京コースゆえに差しが届くとはいえ、スピード勝負の短距離戦でもあるので、ある程度の機動力や立ち回りの巧さも求められるのだろう。
前走上がり1-3位を見ても、【2.3.4.35】勝率4.5%、20.5%と、今走の上がり上位以上に成績が悪化する。後方一気の不器用なタイプは、たとえ鋭い末脚があったとしても、あまり高い評価はしないほうが賢明だ。
■前走レース
・高松宮記念/【6.2.2.19】
勝率20.7% 複勝率34.5%
・ダービー卿CT/【2.2.3.22】
勝率6.9% 複勝率24.1%
・東京新聞杯/【1.3.1.1】
勝率16.7% 複勝率83.3%
・京都金杯/【0.0.0.2】
勝率0.0% 複勝率0.0%
・オーシャンS/【0.0.0.4】
勝率0.0% 複勝率0.0%
・前走海外/【0.0.0.3】
勝率0.0% 複勝率0.0%
前走重賞組が【9.10.9.80】と、3着内馬のほとんどを占めている。
なかでも中心は高松宮記念組。GIレースゆえか、そこでの着順は不問で、2020、2021年は2年連続でフタ桁着順に負けていた馬が巻き返し勝利を果たしている。
一方でサンプル数は少ないものの、掲示板に載った馬の成績が優秀なのも事実。高松宮記念5着以内馬は【2.1.0.2】勝率40.0%、複勝率60.0%。2021年2着のトゥラヴェスーラは10番人気での激走だった。
次いで好走馬が多いのは、ダービー卿CT組。同組の取捨は「前走の着差」。勝ち馬及び勝ち馬から0秒2差以内だと【2.1.3.4】勝率20.0%、複勝率60.0%となり、複勝回収率は164%と高水準をマーク。逆に0秒3差以上負けた馬は【0.1.0.16】と、1頭しか馬券になっていない。
今年のダービー卿CT組で最先着6着のミッキーブリランテは勝ち馬から0秒4差。残念ながら上記の条件をクリアできておらず、データ的には軽視の対象となる。
東京新聞杯組は高い好走率を誇るものの、出走数が少なく、今年も出走予定馬はいない。
そのほかに活躍が目立つ組は少なく、また、準OP組は【0.0.0.12】と壊滅状態である。
もっとも、今年は高松宮記念組が4頭で、東京新聞杯組はゼロ。また前述のようにダービー卿CT組で好走条件にマッチする馬はいない。好走データに該当する馬が少ないのであれば、そのほかの組や条件に合致しない馬にもチャンスがあるはずだ。
☆前走高松宮記念⇒ウインマーベル、ダディーズビビッド、トゥラヴェスーラ、ピクシーナイト
☆前走高松宮記念で5着以内⇒トゥラヴェスーラ
(Text:Hattori)
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