2023/02/21 UMAJiN.net/データ部「重賞攻略データ」
【中山記念(GII)攻略データコラム】前走GI組強し。種牡馬系統にも注目
中山記念(GII) 4歳上 別定 中山芝1800m
※近10年分のレースデータを基に分析する。
■人気
・1番人気/【3.0.0.7】
勝率30.0% 複勝率30.0%
・2番人気/【4.2.2.2】
勝率40.0% 複勝率80.0%
・3番人気/【2.1.2.5】
勝率20.0% 複勝率50.0%
・4番人気/【0.3.1.6】
勝率0.0% 複勝率40.0%
・5番人気/【1.2.0.7】
勝率10.0% 複勝率30.0%
・6番人気/【0.1.2.7】
勝率0.0% 複勝率30.0%
・7番人気/【0.0.2.8】
勝率0.0% 複勝率20.0%
・8番人気/【0.1.1.8】
勝率0.0% 複勝率20.0%
・9番人気以下/【0.0.0.43】
勝率0.0% 複勝率0.0%
まず過去10年、9番人気以下が馬券に絡んだことは一度もない。さらに10年遡っても3着内に入れたのは3頭のみ。人気で足切りをするなら、9番人気以下がひとつのラインとなる。
1番人気は1着が3回あるものの、2、3着はなく、いわゆる“ピンパー”傾向。3年前、2年前と近年連勝しているとはいえ、少々心もとない。
一方、2番人気は最多の4勝を挙げ、好走率は80.0%と安定度も高い。昨年優勝のパンサラッサも2番人気だった。3番人気も2勝、複勝率50.0%と、人気を考慮すれば上々の成績。どちらも単複回収率はプラス収支を計上しているし、軸に取るならここが最適か。
4番人気から8番人気は、1着こそ5番人気の1回(2019年ウインブライト)のみだが、2、3着には走っている。相手やヒモに来れば、配当を押し上げてくれるはずだ。
まとめると、アタマは1番人気から3番人気で、オススメは2番人気。相手やヒモは8番人気以内、ということになる。
■年齢
・4歳/【4.3.5.14】
勝率15.4% 複勝率46.2%
・5歳/【5.4.0.22】
勝率16.1% 複勝率29.0%
・6歳/【1.3.2.25】
勝率3.2% 複勝率19.4%
・7歳/【0.0.2.16】
勝率0.0% 複勝率11.1%
・8歳以上/【0.0.1.16】
勝率0.0% 複勝率5.9%
勝率ベースでは4歳馬と5歳馬は拮抗しているものの、複勝率では4歳馬が46.2%と他を圧倒。さらにこれを5番人気以内に限定すると【4.2.5.7】、勝率22.2%、複勝率61.1%、複勝回収率110%と、より精度が高まってくる。複軸に狙うなら、ここだ。
勝ち数は5歳馬が5勝でトップ。こちらも好走馬はすべて5番人気以内で、その成績は【5.4.0.11】勝率25.0%、複勝率45.0%と好走率がアップ。単勝回収率は118%と、儲かる数字にもなっている。
4、5歳で9勝を占めており、すべて5番人気以内。1着軸はこの条件から選びたい。
あとは年齢が上がるにしたがって好走率は下がっていき、8歳以上では連対はナシ。総じて若い馬に有利なレースである。
☆4歳馬⇒ショウナンマグマ、スタニングローズ、ドーブネ、ラーグルフ、リューベック
☆5歳馬⇒イルーシヴパンサー、シュネルマイスター、ソーヴァリアント、ダノンザキッド
■性別
・牡・セン/【9.7.9.85】
勝率8.2% 複勝率22.7%
・牝/【1.3.1.8】
勝率7.7% 複勝率38.5%
サンプル数は少ないものの、牝馬は複勝率が牡馬を大きく上回る。
2018年から3年連続で牝馬が馬券に絡んでおり、好走記録が途絶えた一昨年は牝馬の出走がなかった。昨年も2頭着外に終わったが、1頭は6歳馬(コントラチェック)、もう1頭は9番人気(マルターズディオサ)と、どちらも前出の好走傾向に当てはまらない馬だった。
今年の紅一点・スタニングローズはフレッシュな4歳馬。また当日8番人気以内は間違いなく、1着の条件となる5番人気以内にも入りそう。芝重賞における牝馬優勢は近年のトレンドであり、同馬も注目の一頭になるだろう。
■脚質
・逃げ/【1.0.3.6】
勝率10.0% 複勝率40.0%
・先行/【9.6.3.17】
勝率25.7% 複勝率51.4%
・差し/【0.3.4.33】
勝率0.0% 複勝率17.5%
・追込/【0.1.0.35】
勝率0.0% 複勝率2.8%
・マクリ/【0.0.0.2】
勝率0.0% 複勝率0.0%
脚質別では先行脚質の成績が勝率・複勝率ともにダントツ。昨年は先行馬が馬券に絡まなかったが、あれはパンサラッサが大逃げを打つ極めて特殊なペースで参考外にしていい。それ以外の年はすべて先行馬が優勝している。
複勝率は51.4%なので、2頭に1頭以上は馬券内に走っている計算。回収率も単複ともに110%以上と、ベタ買いでも儲かる数字だ。
次いで成績がいいのが逃げ脚質で、昨年は前述パンサラッサが逃げ切った。中山の内回りコース、しかも開幕週に行なわれるので、やはり前に行く馬に有利なレースなのだ。
ただし前走の脚質データを見ると、逃げ・先行・差しの好走率はほとんど変わらない。前走の戦法からは判断がつきにくいため、今回どの馬が先行するかを見抜くことが、的中への重要な第一歩となるはずだ。
■前走クラス
・OP特別(含リステッド)/【0.1.1.21】
勝率0.0% 複勝率8.7%
・GIII/【3.4.2.23】
勝率9.4% 複勝率28.1%
・GII/【0.0.3.20】
勝率0.0% 複勝率13.0%
・GI/【6.4.3.22】
勝率17.1% 複勝率37.1%
・海外/【1.1.1.6】
勝率11.1% 複勝率33.3%
基本的にレースの格が上がるほど、好走率も高くなっている。GIIの成績が低いのは日程的に適当なレースがないためで、実際、今年は該当馬がいない。
したがって、もっとも成績がいいのが、GI組となる。レースは有馬記念、天皇賞・秋、マイルCS、エリザベス女王杯と、距離もローテもバラバラ。半年以上間隔が空いたダービーから優勝したケース(2016年ドゥラメンテ)もある。
次いで成績がいいのが、前走がすべて国際GIだった海外組であるように、格や実績がモノを言うレースであるのは間違いない。
また、GI組は前走の着順や着差、人気など、前のレースでの内容はそこまで問われない。それでも、前走で1、2着していた馬は【3.0.2.2】勝率42.9%、複勝率71.4%と出色の成績で、やはりGI連対馬は重視する必要がある。
GIII組もさまざまなレースから好走馬が出ており、京都金杯や東京新聞杯などのマイル戦から、ダートの根岸S(2015年2着ロゴタイプ)まで、条件は幅広い。
ただしその中でも勝ち馬を出しているのは、中山金杯だけ。過去10年で【3.0.1.6】と3頭の優勝馬を輩出し、これはレース別成績では最多であった。
中山金杯組の3着内馬4頭に共通していたのは「前走3着以内」。勝ち馬3頭に共通していたのは「当日5番人気以内」だったことだ。
今年の中山金杯を制したラーグルフは前走着順はクリアしているものの、当日5番人気以内に入るかどうかは微妙なライン。上記のデータからは、「勝ちはしないものの、2、3着には来る」となるが、結果は果たして?
☆前走GI⇒スタニングローズ、ヒシイグアス、モズベッロ
☆前走海外レース⇒シュネルマイスター、ダノンザキッド
■種牡馬系統
・サンデーサイレンス系/【8.3.3.52】
勝率12.1% 複勝率21.2%
・キングマンボ系/【2.3.2.7】
勝率14.3% 複勝率50.0%
・ノーザンダンサー系/【0.2.4.15】
(ストームキャット系除く)
勝率0.0% 複勝率28.6%
・グレイソブリン系/【0.1.0.4】
勝率0.0% 複勝率20.0%
・ミスタープロスペクター系/【0.1.0.3】
(キングマンボ系除く)
勝率0.0% 複勝率25.0%
・ストームキャット系/【0.0.1.3】
勝率0.0% 複勝率25.0%
・ロベルト系/【0.0.0.6】
勝率0.0% 複勝率0.0%
サンデーサイレンス系は過去10年で8勝とダントツの成績。出走馬の大半を占めるため複勝率は平均値(24.4%)を下回っているものの、勝率12.1%はやはり優秀。
サンデー系の中で注目種牡馬は、【3.0.0.5】と3頭の勝ち馬を出しているハーツクライ。ステイゴールド産駒も【3.0.0.7】と3勝しているのだが、このうち2勝はウインブライトの連覇によるもの。一方ハーツクライ産駒の3勝は異なる馬が挙げたものであり、勝率の高さを見ても、同種牡馬のほうがより適性が高いと判断できる。
ステイゴールド後継のオルフェーヴルは【0.2.0.2】で、字面の複勝率は50.0%。しかし2着2回はラッキーライラックが記録したものであり、同馬はGIを4勝したほどの名牝だった。2着2回をよく走ったと見るか、それほどの実力馬でも2着止まりだったと見るかは、意見のわかれるところと思われる。
芝重賞では上位常連のディープインパクトは【1.1.2.14】勝率5.6%、複勝率22.2%と、特に勝率が冴えない。上位人気で着外に負けた馬も多く、同種牡馬の実績を踏まえれば、むしろ相性が悪いレースと言えるだろう。
種牡馬系統別でもっとも注目すべきは、キングマンボ系。勝率トップの14.3%もさることながら、延べ14頭で複勝率50.0%は、驚異的な成績。しかも好走7回はすべて異なる馬によるものなのだ。
2019年以降、出走馬がいた年(2020年は該当馬なし)は、キングマンボ系が必ず1頭は馬券になっていたし、昨年などは3着内を同系が独占。1番人気ダノンザキッド(7着)を含む4着から7着までがどれもサンデー系だったのとは対照的だった。
ノーザンダンサー系は勝ち馬こそ出していないが、複勝率はまあまあ。同系のストームキャットも似たような傾向。
一方、ロベルト系は馬券圏内ゼロ。サンプル数は少ないし、好走条件である8番人気以内の馬もいなかったとはいえ、掲示板にすら載れていないのは、やはり気になる。同系モーリス産駒のラーグルフにとっては好ましくないデータだ。
☆父キングマンボ系⇒スタニングローズ、トーラスジェミニ
☆父ハーツクライ⇒イルーシヴパンサー、スカーフェイス、ヒシイグアス
(Text:sakura kyosuke)
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